「Pepper」は救世主?サービスロボットが変える未来

 『第2回ロボデックス ロボット開発・活用展』からサービス業に役に立つ情報をまとめておおくりするシリーズ、第2回はセミナー「ロボタイゼーションによるビジネス再定義」より、サービスロボット「Pepper」がいかにサービス業の現場で活躍しているかを伝える

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東京ビッグサイトで開催された『第2回ロボデックス ロボット開発・活用展』。ITやAIを活用したロボット社会実現のための技術など、ロボット開発・活用に関わる企業200社が出展。その数は第1回の1.5倍に増加している。ロボット市場の進化・拡大を意味するものといえるだろう
  • 東京ビッグサイトで開催された『第2回ロボデックス ロボット開発・活用展』。ITやAIを活用したロボット社会実現のための技術など、ロボット開発・活用に関わる企業200社が出展。その数は第1回の1.5倍に増加している。ロボット市場の進化・拡大を意味するものといえるだろう
  • ソフトバンクロボティクス株式会社 事業推進本部 事業推進統括部長 唐津慎一朗氏
 2018年1月17日から19日の3日間、東京ビッグサイトにて『第2回ロボデックス ロボット開発・活用展』が開催された。産業用ロボット・サービスロボット・ドローンや、ITやAIを活用したロボット社会実現のための技術など、ロボット開発・活用に関わる企業200社が出展。出展社数は2017年開催の同展に比べ1.5倍となっており、ロボット市場の進化・拡大を意味するものと言えるだろう。

 3回に分けておおくりする連載では、展示ブースやセミナーの中からサービス業向けのトピックに焦点をあて、活用が期待される製品やサービスをピックアップ。人手不足解消のきっかけを記事のなかから見つけていただきたい。第2回はセミナーのなかから、「ロボタイゼーションによるビジネス再定義」(講師:ソフトバンクロボティクス株式会社 事業推進本部 事業推進統括部長 唐津慎一朗氏)より、サービスロボット「Pepper」がいかにサービス業の現場で活躍しているかを伝える。


■ロボットはサービス業の救世主となるか?

 まず唐津氏は「サービス業の労働人口は増加傾向にあるが、2025年には750万人が不足する。この不足をロボットで補う必要がある」と解説。サービス業の人手不足については社会の構造的な課題であり、急激な改善は困難であることを指摘し、「マニュアル通りにモノをつくる産業用ロボットから、人と一緒に働くことができるサービスロボットにシフトすることが、人手不足の課題解決につながる」と続けた。

 ところでソフトバンクロボティクスといえば、今や街中でも頻繁に見かけるようになったロボット・Pepper(ペッパー)が代表的な企業であるが、Pepperをはじめとするロボットはまだ進化段階なのだという。

 ロボットの進化は顔(人との対話を伴う仕事)、脚(接客案内や運搬など移動を伴う仕事)、手(モノをつかむ、組み立てる仕事)の順に進化をしており、Pepperは目と耳、そして声を使って人と対話ができる“顔”のロボットなのだという。

 モノをつかんだり、組み立てる仕事をする“手“については非常に高度な技術を必要とし、職人の代替となるにはまだ時間がかかるそうだ。しかし、この“手“の技術が実現できれば100万人の業務をサポートすることが可能になるだろう、と唐津氏は強調する。

■Pepperが変えたサービス業の現場

 ソフトバンクロボティクスの代表的ロボットであるPepperは、具体的にどのようなサービス業務でサポートをしているのだろうか。

 唐津氏はまず病院での導入事例を説明した。病院の待合室にPepperを設置し、待っている患者に簡単な質問を投げかけて疾患チェックが実施される。多くの病院の待合室には疾患チェックのできるリーフレットが用意されているが、実際にリーフレットから検査へとつながるケースは少ない。これはリーフレットがプル型であることに起因している。しかしPepperはプッシュ型で患者にアプローチし、その結果を患者に渡す。これが検査相談件数の増加につながったのだ。

 また大手ショッピングモールではIBM Watsonの追加学習機能を使い、精度を高めたAIチャットボットと連携してPepperが顧客対応にあたっている。ホームセンターではPepperと商品データベースを連携し、1日平均30名もの顧客に商品場所の案内をしている。さらにアイスクリームチェーン店では、Pepperを使って顧客のスマートフォンへSMS通知を行い、そこからLINEの友だちへと誘導したところ、店員からの誘導よりも誘導率がアップしたそうだ。

 これらのことから「Pepperは人間の店員に比べ心理的なハードルが低く、気軽にコミュニケーションをとることができる存在である」と唐津氏は説明。さらに「シーンや顧客の属性に応じた声掛けによるリード数の増加、柔軟な問い合わせや多言語対応による業務効率化・人手不足解消、顧客ニーズ別の提案やスマートフォン連携などLTV向上など、データや学習によって高度な接客ができる」と続けた。

 ソフトバンクロボティクスではこれらのデータをパッケージ化し、10業界100パターンもの業務に対応可能なテンプレートを用意したPepper用のソフトウェア「お仕事かんたん生成2.0」を2017年11月にリリース。Pepperを活用することが誰でも簡単にできるようになるという。



■高齢化の進む清掃業界、ロボットで人手不足解消とコスト削減

 続いて唐津氏はロボットの“脚”について解説した。ロボットの“脚“、すなわち移動を伴う仕事には清掃・警備・配膳・倉庫・配送・建設などが挙げられるが、その中でも特に清掃業界の課題に唐津氏は着目。実は清掃業界は2010年以降人件費が高騰化しており、また有効求人倍率は全職業平均の1.35倍を大きく上回る2.10倍と雇用が難しくなっている。さらにビル清掃員の平均年齢は52.2歳である、高齢化が進んでいることも大きな課題といえる。

 そこでソフトバンクロボティクスが提案するのが、米国Brain Corp.の自動運転技術を活用した搭乗型清掃機器(スクラバー)だ。これは一度人が運転したルートを記憶させれば、あとはボタンを押すだけでスクラバーが地図データをもとに自動清掃をする。既存のスクラバーを流用できるため、低コストで清掃の自動化が実現できるのだという。

 清掃品質の均一化のために、スクラバーの扱いが一番上手な清掃員のレベルをコピーすることができ、また清掃したルートを日々レポート画面で確認することができる。これにより人件費も50%削減でき、このサービスは2018年夏より日本でも提供される。

 最後に唐津氏は「当面は現在搭乗スクラバーを使っている方に自動化の提案をする形になりますが、スクラバーを使われていない方でも一度設定してしまえばロボットが自動的に清掃してくれるのでいろいろと活用のシーンはあると思います。清掃現場の人手不足という課題に対し、こういう形で我々もご協力できればと思います」と締めくくった。

人と働くサービスロボット「Pepper」が変える現場/第2回ロボデックス

《川口裕樹/HANJO HANJO編集部》

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