「ウルトラマンになりたい」10歳の我が子、親はどう受け止める?

 子どもの学力を上げる方法に限らず、より広い「子育てのヒント」を名門指導会代表 中学受験相談局主任相談員 塾ソムリエ 西村 則康氏が伝授。名門難関中学に2,500人以上を合格させてきたカリスマ家庭教師の最強の子育てのノウハウ、理系脳を育む秘訣とは。

教育・受験 未就学児
 子どもの学力を上げる方法に限らず、より広い「子育てのヒント」を名門指導会代表 中学受験相談局主任相談員 塾ソムリエ 西村 則康氏が伝授。名門難関中学に2,500人以上を合格させてきたカリスマ家庭教師の最強の子育てのノウハウ、理系脳を育む秘訣とは。

自己肯定感を高めるような声かけが必須



 幼い子どもは、全知全能感に支配されています。そのため、
「僕は将来、ウルトラマンになる」
などということを、結構本気で言うことがあります。でも、そこで呆れないでください。それがむしろ当然なのです。

 そういった全知全能感や自己肯定感が最も下がるのが10歳前後です。つまり、第2反抗期が始まる時期ですね(一般的には「10歳の壁」と言われますが、それには多少個人差があって12歳、あるいは13歳で訪れる子どももいます)。

 将来はウルトラマンになりたいと言っていたのに、そんなことは夢物語だと感じるようになるわけです。

 同時に、自分よりずっとできる人間が周囲にたくさんいることもわかってきます。
「もしかしたらお母さんは、自分のことを本当は愛してくれてないんじゃないか」
「自分は拾われてきた子なんじゃないか」
などと勝手に思い込むのも、この頃の特徴です。そういった自信を喪失しがちな時期だからこそ、お母さんは、「あなたはできる子だから」や「かけがえのない大切な子よ」といった、子どもが自己肯定感を高めることができるような声かけをしていく必要があります。それを通じて子どもは、
「このうちの子でよかった」
「この町に生まれてよかった」
と感じ、それがやがては
「日本に生まれてよかった」
という想いに育っていきます。

 ところで、自己肯定感や全知全能感が下がることは、マイナス面ばかりではありません。それは、幼い全知全能感から、他者の認知や相対的な自己の認知ができるようになった証拠です。順調に成長していると安心してください。

 また、10歳というのは、同時に抽象的な思考ができるようになりはじめる時期でもあります。

 ですから、この時期に「考える癖」を身につけることはとても大切です。考える癖がつくと、勉強のなかに深みをつくっていくことができ、このことはゆくゆく、理系脳を育むためにも有効です。

 そのためには、小学校の勉強だけではなかなか不十分ですから、少し難しいことにチャレンジしてほしいのです。

 その意味でも、受験勉強は一つの選択肢としてあってもいいと思います。受験しない子どもも、1冊の薄い受験問題集や名作文学など、少し背伸びをした勉強に挑戦させてください。

御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方(西村 則康 著/アスコム)より「最強頭脳のベースをつくる23の法則」

御三家・灘中合格率日本一の家庭教師が教える 頭のいい子の育て方

<著者プロフィール:西村 則康(にしむら のりやす)>

名門指導会代表 中学受験相談局主任相談員 塾ソムリエ.。30年以上、難関中学・高校受験指導を一筋に行う家庭教師のプロフェッショナル。一つの解法を押しつけるのでなく、その子に合った方法を瞬時に提示する授業で毎年多数の生徒を最難関中学の合格に導く。これまでに男子御三家の開成、麻布、武蔵、女子御三家の桜蔭、女子学院、雙葉をはじめ、灘、洛南高附属、東大寺学園、神戸女学院などの難関校に合格させた生徒は2,500人以上にものぼる。受験学習を、暗記や単なる作業だけのものにせず、「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込んでいく「名門指導会」の授業は、いずれの講師も翌年まで予約が殺到するほどの人気を誇る。また、授業を通して親子の絆を深めてほしいと、父母と子どものコミュニケーション術や声かけ法についてもアドバイスしている。家庭教育雑誌や新聞などに頻繁に登場し、情報発信も積極的に行う。特に16万人のお母さんが参考にしている中学受験No.1サイト「かしこい塾の使い方」では、保護者の質問一つずつに丁寧に答えることをライフワークとしている。

《リセマム》

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