医学に数学は必要か
医学の勉強も医師の仕事も、論理的思考力が必要です。医学も他の自然科学と同じで、論理的に分析して答えを導き出せる力が必要です。
入試の必須科目に数学があるのは、入学後に短時間で覚えれば、身につくようなものではないからだと思います。個人の能力を試したい大学が、入学後にスムーズに学習についていけるような人かどうかを判断するために、数学を必須にしているのだと思います。
具体的にはそんなに難しい数学を習得しておく必要はないのですが、医学部の授業や実験のときに、まるで高校数学がわかっていない状態だと計算で止まったり、無駄に時間がかかったりします。
たとえば、循環器の心電図の勉強のところで、ベクトルや三角関数に慣れていないと、投影図を曲線にして見る方向により名称がついていることの理解に時間がかかります。
また、1分間に何CCで点滴すれば血中濃度がいくつになるか、もっとも長時間効果が期待できるのは、などといったことも医師が計算して決めないといけません。微分積分は数学、速度は物理で習う内容です。
病院にあるレントゲン、CTスキャン、MRIも使うかどうか判断するのも医師です。
本当に頭がいい人の勉強法
<著者プロフィール:葛西 祐美(かさい ゆみ)>
1994年、東京都出身。専門塾へ通わず都立高校より東京大学理科III類に現役合格、現在は東大医学部医学科に在籍。高校時代に、数学の偏差値「99」という驚異の数字を記録した。2012年に中国で開催された女性限定の「中国女子数学オリンピック」で、日本人として初の優勝、翌年も優勝し連覇を成しとげた。天才数学女子大生として「日本の頭脳No.1決定戦」「頭脳王」「さんまの東大方程式」「Qさま」など数多くのTV番組にも出演している。趣味はアニメやコスプレなど、サブカルチャー方面。