子どもの磁石誤飲、7年で124件…消化管に穴あく危険

 子どもが磁石を誤飲した、もしくは誤飲したと思われる事故情報が、2010年12月から2018年3月末までの7年余りの間に124件寄せられていることが、国民生活センターが2018年4月19日に発表した報告書より明らかになった。

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強力な磁石のマグネットボール
  • 強力な磁石のマグネットボール
  • 腹部エックス線写真(手術前)
 子どもが磁石を誤飲した、もしくは誤飲したと思われる事故情報が、2010年12月から2018年3月末までの7年余りの間に124件寄せられていることが、国民生活センターが2018年4月19日に発表した報告書より明らかになった。

 2018年1月、幼児が複数のマグネットボールを誤飲し、消化管に穴があき、開腹手術したとの事故情報が国民生活センターに2件続けて寄せられた。医師や医療機関の協力のもと、患児の保護者から聞き取りや現物確認などの詳細な調査を行ったところ、いずれもネオジム磁石をうたう強力な磁力のマグネットボールを複数個誤飲していた。

 消費者庁と国民生活センターが共同で運営している医療機関ネットワークには、マグネットボールの事例を含め、子どもが磁石を誤飲した、もしくは誤飲したと思われる事故情報が、2010年12月から2018年3月末までの7年余りの間に124件寄せられている。

 マグネットボールは、「パズル」や「おもちゃ」「玩具」などとうたって販売されている球体の磁石で、1個の大きさが直径3mmから30mm程度のものもあり、3mmや5mmの小さいものであれば200個程度が1セットとされているものが多くみられる。磁力が強いため、手指を挟んでもとどまる。

 多くのマグネットボールがインターネット通販サイトで販売されていることから、国民生活センターは事故品を販売していたWebサイトを含めて計32サイトの表示を調査した。調査の結果、32サイト中28サイトに「パズル」の表示があり、5サイトに「知育玩具」の表示があった。また、32サイト中30サイトには子どもの誤飲等に関する注意表示がなかった。

 特に強力な磁力のマグネットボールの複数個を誤飲すると、腸壁を挟んでつながる危険性が高まると考えられることから、国民生活センターは、「マグネットボールを子どもに与えないこと」や「万が一誤飲した可能性がある場合には、医師の診断を受けること」を消費者に呼びかけている。
《工藤めぐみ》

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