都立中高一貫教育校の取組みを検証、都教委が報告書公開

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  • 東京都教育委員会「都立中高一貫教育校検証委員会報告書(概要版)」
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 東京都教育委員会は平成30年6月28日、「都立中高一貫教育校検証委員会報告書」を公表した。都立中高一貫教育校10校について、設置目的の達成状況、入学者の決定方法などをまとめている。

 東京都では平成30年6月現在、小石川中等教育学校、桜修館中等教育学校、立川国際中等教育学校、南多摩中等教育学校、三鷹中等教育学校、白鴎高等学校・附属中学校、両国高等学校・附属中学校、武蔵高等学校・附属中学校、富士高等学校・附属中学校、大泉高等学校・附属中学校の中高一貫教育校10校(中等教育学校5校、併設型5校)のほか、連携型中高一貫教育校6校を設置している。

 東京都教育委員会では、都立中高一貫教育校10校すべてから卒業生を輩出したことを機に、平成29年7月に「都立中高一貫教育校検証委員会」を設置。東京都における中高一貫教育のさらなる充実に資することを目的として、これまでの取組みの成果や課題を検証するとともに、今後の取組みの方向性を検討していた。

 検証は、生徒アンケート調査、学校ヒアリング調査、都立高校の現状把握に関する調査などをもとに実施。都立中高一貫教育の設置目的の達成状況に関する検証では、「将来のリーダーとなり得る人材の育成」「公立学校における中等教育の複線化」の検証のほか、「併設型中高一貫教育校に関する検証」も行われている。

 公立学校における中等教育の複線化に関する検証では、地域バランスや生徒の通学時間を考慮して都立高校の旧学区ごとにおおむね1校が設置されており、全国的に見ても充実した規模であるという。また、中等教育学校と併設型中学校の受検倍率は5~6倍程度で保たれており、中学校進学時のひとつの選択肢として広く認知されていると評した。

 一方で、併設型中高一貫教育校については、高校からの入学があることに伴い、中学校から高校にわたる系統立った探究的学習や、教育課程の基準の特例を活用した学習内容の先取りなどを実施するうえで、制約が働いている現状があると指摘。中学生や保護者の意識調査の中で、「6年間通うからこそメリットがある」や「併設型中学校から進学する生徒の中へ途中から入っていくことに不安がある」などの意見があったという。

 検証委員会では、併設型高校の志望倍率が低いこと、併設型中学校の入学者決定に関する業務と並行して、併設型高校の学校PRや入学者選抜に関する業務に取り組んでいるため、各校の大きな負担となっていることなどから、中学校段階からの入学を原則とし、中学校段階の入学枠を拡大することが望ましいとしている。

 そのほか、報告書には、都立中高一貫教育校の入学者の決定方法に関する現状整理、都立中高一貫教育校における指導体制の状況に関する検証、連携型中高一貫教育校の連携活動の状況などに関する検証を掲載。東京都教育委員会は、報告書の内容を踏まえ、中学校段階の生徒を対象とした切磋琢磨の機会の創出、併設型中高一貫教育校の課題解決に向けた取組みについて、今後具体化を検討していくという。
《黄金崎綾乃》

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