チャレンジ精神溢れる教師陣が語る「ドルトン東京学園」の魅力

 ドルトン東京学園の立ち上げを担う、チャレンジ精神溢れる優れた教師陣に、学園での新たな教育に賭ける思いやビジョンを聞いた。

教育・受験 小学生
PR
学園での新たな教育に賭ける思いやビジョンを語るドルトン東京学園の先生方
  • 学園での新たな教育に賭ける思いやビジョンを語るドルトン東京学園の先生方
  • 神藤健朗先生(情報科)
  • チェンバレン・キャロム先生(英語科)
  • 丸井理恵先生(数学科)
 2019年4月に開校するドルトン東京学園中等部・高等部。詰め込み教育、一律一斉授業への問題意識から生まれた”学習者中心”の教育メソッド「ドルトンプラン」は世界各地で採用され、生徒ひとりひとりの知的な興味や探究心を原点とし、自ら学び、協働する人材を育てる。各自の知的な興味を引き出し、自主性・創造性を育むとともに、さまざまな人々との交流を通じて社会性と協調性を身に付けることを目指している。これはまさにこれからの時代を生き抜く力、”21世紀型スキル”を育てる教育であり、今日本でも大きな注目を集めている。

 このドルトン東京学園の立ち上げを担う、チャレンジ精神溢れる優れた教師陣に、学園での新たな教育に賭ける思いやビジョンを聞いた。

--今日は情報科、英語科、数学科から3名の先生方にお集まり頂きました。まずは自己紹介からお願いします。

神藤健朗先生(情報科):情報科の神藤(かんどう)です。大学では数学科で数学教育について学び、大学院では情報教育に関する研究に取り組みました。元々は教員志望でしたが、一度は会社員としての経験を積もうと3年ほどSE(システムエンジニア)として働き、その後さらに3年間はSEに教えるという立場で仕事をしていました。そろそろ本来の教員になる夢を叶えるか、あるいはこのまま会社員として生きていく道を選ぶかをはっきり決めようと思っていた矢先に、大学附属の中高一貫校で情報科の教員として採用され、教員への道を選ぶことになりました。そしてそこでの10年以上の経験を経て感じたのは、教科の”枠”を超えた授業をやりたいという強い思いでした。ドルトン東京学園ではそうした挑戦をさせてもらえるということで、すでにさまざまな構想を練っているところです。

神藤健朗先生(情報科)
神藤健朗先生(情報科)

チェンバレン・キャロム先生(英語科):英語科のチェンバレンです。私はアメリカの大学で教育学を専攻し、大学在学中に1年間、立教大学へ交換留学生として来日しました。そこで日本という国に恋をしてしまいまして(笑)、大学卒業後もJETプログラム(外国語青年招致事業)で再び日本へ来て3年間、小学校と中学校で英語を教えました。アメリカに戻ってからは故郷のミシガン州で公立小学校、中学校の教員として働いたあと、大学院でTESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages:英語を母国語としない人向けの英語教授法・英語教育学)を学びました。子どもが生まれたのを機に日本人の妻の両親の近くに住むためアメリカを離れ、今度は日本の高校の英語教員になりました。日米両国での指導経験を通じ、英語がどう教えられるべきか、どこに問題点があるのかがよくわかるようになってきました。このドルトン東京学園では、こうした私自身の知見を活かし、カリキュラムの開発者としてクリエィティブな英語教育の立ち上げを担っています。

チェンバレン・キャロム先生(英語科)
チェンバレン・キャロム先生(英語科)

丸井理恵先生(数学科):数学科の丸井です。私は大学卒業後、関西の公立中学校の教員として20年以上数学教育一筋で研究を続けてきました。その間に教育行政にも携わり、学校の管理職も経験しました。また、文部科学省関連の委員を10年ほど拝命しまして、東京にも足を運ぶ機会があり、そこで得た人のつながりから、このドルトン東京学園というユニークな学校をつくるという話をお声がけ頂き、実際に学校を見に来たらここの魅力に取り憑かれ、そのまま居ついてしまった(笑)という次第です。学習指導要領に基づいた教科ごとの教育はもちろん大事ですが、ここではさらに、自由にその既定の枠を超えた授業をデザインできるという点がとても魅力的です。神藤先生が仰ったように、これまでの枠組みにとらわれず、教科を横断して数学という教科の魅力を伝えていけるような授業を展開していきたいと思っています。

丸井理恵先生(数学科)
丸井理恵先生(数学科)

--先生方からご覧になって、ドルトン東京学園の魅力はどんなところだと思いますか。

神藤健朗先生:先生方の教科に対する思いが非常に強いところですね。そしてとても面白い、ユニークな取組みをされているなぁと感じています。今日ここにはおりませんが、理科の先生方も専門分野に長けている点はもちろん、情熱もすごい(笑)。休日にも朝から実験室で熱心に授業の準備をされていることがあるくらいです。こうした熱量のある先生方と教科連携し、協力し合いながら授業を作り上げたらすごく面白い授業ができるんじゃないかなと期待に胸を膨らませています。まさに昨日開催したロボットワークショップは情報×数学×理科のコラボレーション企画で、参加してくれたお子さんたちは夢中になって楽しんで取り組んでくれていました。どれだけ子どもが面白いと感じて夢中になれる題材をこちらが提供できるのか、そして子どもたちがどのように成長していくのかということを他教科の先生方と、自分たちが誰よりもワクワクしながら考えています。

丸井理恵先生:生徒を第一に考えているところが魅力だと思います。教員ひとりひとりが、生徒にとって何がベストかを常に考えています。新しいことへの挑戦が多いだけに現実との葛藤もありますが、今までの既定の枠にはまらないことをやろうとしているエネルギーを感じます。

チェンバレン・キャロム先生:実は私は高校までホームスクーリング(学校に通学せず家庭に拠点を置いて学習を行う)で育ちました。ホームスクーリングの優れたところは、時間の制約がないこと。大人も子どもも、夢中になれることには時間を忘れて没頭できる。こうした、時間の制約にとらわれない、Timeless Learningの学びをぜひここでも実現したいと思っています。

 日本の教育は未だ知識や技能の習得を重視し、暗記すべきことも多く、その達成度に応じて次のステップに進んでいくというやり方です。そこで身に付くものは、日本の企業社会では生きていけるスキルであっても、もはやグローバルな世界では通用しません。

 ドルトンの哲学は、主体は生徒たちであり、我々教員は適切なツールを用意するなどのサポートを通して一緒に学んでいくスタイルです。こうした生徒を主体とし、自己肯定感を生む学びのスタイルこそがこの先10年、さらには次の世紀にも活かせるようなグローバルに通用するスキルを育むものであり、この点がドルトンの一番の魅力だと思います。

--今、来春の開学に向けて準備を進められているところですが、授業のこだわりや工夫を教えてください。

丸井理恵先生:これからはAIの時代です。正確な計算力云々よりも、我々の身近に潜んでいるさまざまな数学の面白さに気付かせたいと思っています。

 先日の体験授業ではエッシャーの絵を使い、美術を通じて幾何学などを学んでもらいました。数学とは美しさの追求でもあると思っているので、このような美術や音楽といった他教科とのコラボレーションをいろいろと考えています。

 また、これからの時代は、データを「読み解く」力というのも重要になってくるでしょう。溢れんばかりの情報のなかで必要なデータを選択し、そしてデータを通じてこの先どうなるかという予測を立てて動ける力を育むことは、数学を学ぶ一番の意義になるのかもしれません。

 ICTも積極的に活用していこうと思っています。電子黒板で生徒同士のノート共有が瞬時に可能になるなど、ICTによって授業が効率化される分、他の人の考えに耳を傾けたり、自分の考えを伝えたりしながら思考を深める時間を多くとりたいと思っています。

チェンバレン・キャロム先生:英語はプロジェクトベースの授業をやりたいと思っています。たとえばまず中学1年生では、最初のプロジェクトとして「家族へのインタビュー」を行ってもらおうと考えています。こうしたさまざまなテーマに基づいたプロジェクトベースの学びは、平易でシンプルな内容から高度で深みのある内容まで、生徒の習熟度に応じてアウトプットも変わってきますが、そこがこの手法の優れたところです。生徒が個々に達成感を得て、徐々にステップアップしていけるからです。

 さらに、他教科とも積極的に連携していきたいです。ある生徒が科学に興味があるというなら、理科の教員と協力しながら、科学の専門用語や論文の読み方など、英語によってさらにその生徒の見識を広げていけるサポートをしていきたいですね。

神藤健朗先生:私は授業を通じて「伝える」ということをしっかり整理していきたいと思っています。今後、すべての教科において「発表する」ということをICTのツールを使って当たり前のようにやっていくことになるからこそ、作る立場、聞く立場になりながら経験させたいのです。言語だけではなく、伝える情報によって伝わり方は変わってきますし、提示するものを適切に選択すれば、話す以上の情報も伝えられます。そうした意味で、国語とも連携し、論説文を読んでパーツに図解して分類し、どう並べれば何が伝わるかといった授業も考えているところです。

--6年間をドルトン東京学園で学んだあと、生徒たちにどのような成長を期待しますか。

神藤健朗先生:情報機器のツールもどんどん変わっていて、自分がこれまでやってきたことがもはや通用しないというのが当たり前のように起きています。だからこそ、道具を使うこと自体を目的とするのではなく、まず自分が芯になるところをしっかりともち、身に付けた道具を使うかどうかは自分で判断できる柔軟な人になってほしいですね。

丸井理恵先生:自分が学びたいと思うことをどんどん追求して、チャレンジすることを恐れない生徒に育ってくれたらと思っています。将来、英語すら通じない、まったく知らない言語を使っている国に行くようなことがあっても、怖じけずに飛び込んでいけるような子に育ってほしいですね。

チェンバレン・キャロム先生:私は生徒たちが進学先として日本国内に限らず、海外も含めた幅広い選択肢をもってほしいと思っています。日本の将来を考えると、いまの子どもたちがグローバルな環境で学ぶことは非常に重要だと感じるからです。ドルトン東京学園は河合塾グループの海外大学進学情報・ノウハウを活用することもできます。ただ英語ができるから海外へ、ということではなく、自分が関心のある分野をもっと発展的に学ぶために、世界のトップクラスの大学で学ぶというチャレンジもしてほしいと思います。

--最後に、受験生へのメッセージをお願いします。

丸井理恵先生:生徒約10名に先生が1人という手厚いサポート体制のもと、もっと知りたい、もっと学びたいという期待に応えらえる学校です。知的好奇心の旺盛なお子さんにぜひ来て頂きたいです。

神藤健朗先生:面白いからこれしかやりたくない!と思うようなお子さん、大歓迎です。その思いを一緒に突き詰めていきましょう。

チェンバレン・キャロム先生:ユニークで創造的な学校は、こうしたフレッシュなゼロからのスタートが一番だと思います。先生も生徒も、多様な個性でお互いに協働し合いながら、一緒に成長していきましょう。


 ドルトン東京学園の、生徒ひとりひとりの夢やこだわりをさまざまな教科からサポートしていく「主体性」と、教員と生徒が共に学ぶ「対話」のスタイルは、行き詰った空気が覆う日本の教育に対し、インパクトのある突破口となるだろう。

 技術が加速度的に進化する時代において、どれほどの道具を持たせれば将来安心といえるのか。必要とされるスキルのラインナップがどんどん膨張していく中で、ドルトン東京学園の教師陣がこだわる「伝える力」は、教育の本質だと思う。先生方が見せてくれた、本質に対するぶれない芯の強さは、すでに子どもたちの明るい未来を約束してくれているようなものだ。

イベント情報


 ドルトン東京学園では、2018年11月18日と12月2日に小学生を対象とする「ロボットワークショップ」を開催。11月23日には森上教育研究所の森上展安所長、教育ジャーナリストの後藤健夫氏、ドルトンスクール名古屋OBの丹羽慶太氏を迎えた「特別企画セミナー『世界を変える人材をつくる教育』」を開催。また、2019年1月まで数回にわたり学校説明会や入試傾向解説会も予定している。詳細は「ドルトン東京学園中等部のイベント一覧」で確認できる。
《加藤紀子》

加藤紀子

京都市出まれ。東京大学経済学部卒業。国際電信電話(現KDDI)に入社。その後、渡米。帰国後は中学受験、海外大学進学、経済産業省『未来の教室』など、教育分野を中心に様々なメディアで取材・執筆。初の自著『子育てベスト100』(ダイヤモンド社)は17万部のベストセラーに。現在はリセマムで編集長を務める。

+ 続きを読む

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top