私立学校のガバナンス強化などに向けて、文科省小委員会が提言

 文部科学省は2019年1月7日、「学校法人制度の改善方策について」を取りまとめ公表。ガバナンスの強化・改善、積極的な情報公開などが盛り込まれた。提言には法改正事項が含まれており、私立学校法などの関係法令は改正予定だという。

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 文部科学省は2019年1月7日、「学校法人制度の改善方策について」を取りまとめ公表。ガバナンスの強化・改善、積極的な情報公開などが盛り込まれた。提言には法改正事項が含まれており、私立学校法などの関係法令は改正予定だという。

 学校法人制度改善検討小委員会は、2017年に今後の学校法人におけるガバナンス機能の強化などについて検討する小委員会として、大学設置・学校法人審議会学校法人分科会の下に設置。私立学校が今後も社会からの信頼と支援を得て重要な役割を果たし続けるため、学校法人の自律的で意欲的なガバナンスの改善や経営の強化の取組み、情報公開などを促すとともに、学生が安心して学べる環境の整備を含めた改善方策を検討してきた。

 計12回の会議やパブリックコメントを経てまとめられた「学校法人制度の改善方策について」では、責任の権限の明確化によるガバナンスの改善・強化、連携・統合の推進と経営改善に向けた指導の強化、積極的な情報公開と経営状況の「見える化」のほか、学校法人の破綻処理手続きの円滑化などによる学生保護の充実を提言。

 たとえば、ガバナンスの強化・改善のひとつとして、中長期計画の策定の推進をあげている。現在は私立学校法にて、単年度の事業計画を理事長が評議員会にあらかじめ意見を聴く事項として位置付けているが、新たに文部科学大臣所管法人は中長期的な計画を策定するものとし、決定に際して事業計画同様に評議員会にあらかじめ意見を聴くこととする。

 詳細な内容や期間については、文部科学大臣所管法人間でも法人規模や主たる事業内容が異なるため、事業計画と同様に各学校法人の裁量に相当程度委ねる考えを示した。一方、抽象的な目標にとどまらず、データーやエビデンスなどに基づく計画とすることを求めている。

 そのため、各私立大学団体が中心となって作成する自主基準である「私立学校版ガバナンス・コード」に、定めるべき内容を盛り込むことを提言。私立学校法などの法令に基づくだけでなく、私立学校の自主性・自律性を最大限に発揮し、私学団体が自ら行動規範を定め、学生や保護者を中心としたステークホルダーに対して積極的に説明を果たすとともに、学校法人の運営者が経営方針や姿勢を自主的に点検し、私立学校の健全な成長と発展につなげていくことが期待される。

 そのほか、役員の責任の明確化(善管注意義務、第三者に対する損害賠償責任、利益相反行為の対象拡大など)や監事機能の充実(理事の行為の差止請求など)、賃借対照表や収支計算書などの公表(文部科学大臣所管法人)、寄附行為や役員等名簿の公開、解散命令時の所管庁による適切な清算人の選任による清算手続きおよび破産申立ての円滑化などが盛り込まれた。
《黄金崎綾乃》

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