大学などの私立割合、日本は韓国につぐ高さ…諸外国の教育統計

 文部科学省は2019年4月11日、2019年版の「諸外国の教育統計」を公開した。日本とアメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国における私立学校の割合や大学の学生納付金など、教育状況に関する統計データをまとめている。

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7か国の私立学校の割合(児童・生徒・学生数)就学前教育・初等中等教育
  • 7か国の私立学校の割合(児童・生徒・学生数)就学前教育・初等中等教育
  • 7か国の私立学校の割合(児童・生徒・学生数)高等教育
  • 大学の学生納付金(日本)
  • 大学の学生納付金(アメリカ合衆国)
  • 大学の学生納付金(イギリス)
  • 大学の学生納付金(フランス)
  • 大学の学生納付金(ドイツ)
  • 大学の学生納付金(韓国)
 文部科学省は2019年4月11日、2019年版の「諸外国の教育統計」を公開した。日本とアメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国における私立学校の割合や大学の学生納付金など、教育状況に関する統計データをまとめている。

 児童・生徒・学生数からみる私立学校の割合について、幼稚園や保育所などの就学前教育では、「日本」76.0%、「アメリカ」29.4%、「イギリス」(初等中等学校も含む)5.7%、「フランス」12.7%、「ドイツ」64.7%、「中国」55.2%、「韓国」77.9%。

 小学校から高校までの初等中等教育では、「日本」10.5%、「アメリカ」10.2%、「イギリス」(就学前教育も含む)5.7%、「フランス」18.4%、「ドイツ」8.1%、「中国」9.4%、「韓国」17.2%。そのうち、日本と韓国は、小・中学校に比べて高等学校における私立の割合が高くなっている。日本は小・中学校の1.2%~7.4%に対して、高等学校が32.2%。韓国は小・中学校の1.5%~17.2%に対して、高等学校が42.5%だった。

 大学や大学院、短期大学などの高等教育では、「日本」74.7%、「アメリカ」27.1%、「イギリス」0.1%、「ドイツ」7.5%、「中国」22.9%、「韓国」80.0%。日本は韓国についで高い割合だった。なお、フランスの「私立大学」は学位授与権が認められていない。

 大学の学生納付金について、日本の2018年初年度学生納付金額(大学学部)は、国立大学が81万7,800円(入学料+授業料)、公立大学(地域外)が全国平均93万2,251円(入学料+授業料)。私立大学は2016年の全国平均で131万6,816円(入学料+授業料+施設設備費)だった。

 アメリカは、2015年の州立大学と私立大学について掲載。4年制大学では、州立大学(州内学生の場合)が平均8,778ドル(約102万3,000円)、私立大学が平均2万7,942ドル(約325万5,000円)と大きく異なる。なお、州立・私立ともに入学金がなく、授業料と実験費・演習費などをあわせた納付金となっている。

 イギリスの国立大学の2017年学生納付金(授業料)は、国立大学で9,250ポンド(約134万4,000円)。入学金はなく、授業料はイングランドの上限額となっている。なお、「諸外国の教育統計」においては、「イギリスの高等教育機関は独立の法人であるが、維持の観点から見ると国の補助金を主たる財源とする『公』の機関」と定義している。

 そのほか、フランスの国立大学は入学金と授業料がなく、1つの学位・免状を取得する場合(2016年)、学士課程に係る年間学籍登録料として184ユーロ(約2万3,000円)、健康保険料として215ユーロ(約2万6,000円)を納付する。ドイツについては、州立ボン大学の2019年度夏学期の例を掲載。入学金と授業料がなく、公共交通機関利用のための学生パス代(181.20ユーロ)および学生福祉会経費(97.00ユーロ)などをあわせた292.16ユーロ(約3万7,400円)を納付する。

 韓国の2017年学生納付金(入学金+授業料)は、国公立大学が平均400万9,148ウォン(約39万2,500円)、私立大学が平均787万2,153ウォン(約77万700円)。医学系の最高額は、国立が入学料16万8,000ウォン+授業料1,010万ウォン(計約100万5,200円)、私立が入学料63万4,000ウォン+授業料1,289万6,000ウォン(計約132万4,600円)となっている。

 「諸外国の教育統計」は、文部科学省Webサイトにて2014年版から2019年版まで公開。各国の学校系統図と学校統計、初等中等教育段階における学級編制基準、学部学生に対する大学院生の比率、高等教育在学者の専攻分野別構成なども掲載している。原則、日本、アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、中国、韓国の7か国比較が行われているが、一部の項目では記載がない国もある。また、国によって定義が異なる部分については、各データの注記にて補足されている。
《黄金崎綾乃》

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