中高生の英語4技能×探究プレゼン「Change Maker Awards」第1回金賞は市川

 英語4技能×探究学習のプレゼンテーションコンテスト「Change Maker Awards」の第1回大会本選が星稜会館で2019年1月27日(日)に開催され、市川高等学校のチームThe Failure Girls(西原凪さん・神田紫音さん)による「誇れ-Be Proud-」が金賞を獲得した。

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「Change Maker Awards」第1回大会本選/金賞 市川高等学校「誇れ-Be Proud-」(西原凪さん・神田紫音さん)
  • 「Change Maker Awards」第1回大会本選/金賞 市川高等学校「誇れ-Be Proud-」(西原凪さん・神田紫音さん)
  • 「Change Maker Awards」第1回大会本選/Global Link賞 品川女子学院「家庭内での家事における男女格差-The Gender Inequality in sharing Housework」(入山芳衣さん・加藤安奈さん・中島奏子さん・福原華乃さん)
  • 「Change Maker Awards」第1回大会本選/金賞 市川高等学校「誇れ-Be Proud-」プレゼンテーションのようす
  • 「Change Maker Awards」第1回大会本選/Global Link賞 品川女子学院「家庭内での家事における男女格差-The Gender Inequality in sharing Housework」プレゼンテーションのようす
  • 「Change Maker Awards」第1回大会本選/銀賞 クラーク記念国際高等学校大阪梅田キャンパス「SILVER ENGLISH PROJECT」(中村侑生さん・松本美憂さん)
  • 「Change Maker Awards」第1回大会本選/銀賞 郁文館グローバル高等学校「脳科学の研究を通じて発達障害者に対する機会の不平等を失くす-Eliminating non-equal change of having opportunity in public elementary school through research in neuroscience」(浅岡祐那さん・佐久間理さん・三宅栄実さん・八尾勇希さん)
  • 「Change Maker Awards」第1回大会本選/銅賞 玉川学園高等部 「私の夢中は誰かを変えることができますか?-Do you think the thing you are absorbed in can move someone?-」(二宮瞳子さん)
  • 「Change Maker Awards」第1回大会本選/銅賞 甲南高等学校「日本文化とクジラ-Is Commercial Whaling a Part of Japan-」(山本航輝さん・堀内颯太さん)
 英語4技能×探究学習のプレゼンテーションコンテスト「Change Maker Awards(CMA)」の第1回大会本選が東京都千代田区の星稜会館で2019年1月27日(日)に開催され、市川高等学校のチーム「The Failure Girls」(西原凪さん・神田紫音さん)によるプレゼンテーション「誇れ-Be Proud-」が金賞を獲得した。

 今回の大会は全国から99校・102チームの中高生が参加し、その中から選ばれた20チームが本選に出場した。大会のテーマは「私の夢中は誰かを動かせるか」。アイルランド音楽や和歌山ミカン、社会人とは何か? など多種多様なテーマで個性的なプレゼンテーションを中高生が披露した。

自分の殻を破ってチャレンジ



 「Change Maker Awards」は英語4技能×探究学習にスポットを当て、これからの世の中で先頭を切って導いていく生徒を応援・輩出していく目的で開催された。どうすれば目標に近づくか、どうやったら人に伝わるのか、どうやったら人の気持ち、社会を変えられるのか…新たな挑戦への試行錯誤の経験は、子どもたちを変え、成長させる絶好の機会になる。

 そして、英語は世界との対話力をつけるための格好の手段だ。そこにプレゼンテーションでのアウトプットが加わることでより実践的となり、世界への発信を見据えた考えを養う機会となる。頂点を目指す過程での多くのライバルたちの競い合い切磋琢磨は、ともに助け合う仲間を見つけ、全国の中高生との交流を生む機会になるだろう。学校にはない社会との接点の場でもあり、夢中になっていることを実現するために、支援をしてくれる人々が見つかる場となるかもしれない。

辻村直也氏(英語4技能・探究学習推進協会代表、ウェブリオ代表)
辻村直也氏(英語4技能・探究学習推進協会代表、ウェブリオ代表)

 英語4技能・探究学習推進委員会の代表を務めるウェブリオ代表の辻村直也氏は、「自分自身の殻を破ってチャレンジをしてほしい」と開会の挨拶で中高生たちにエールを贈った。

 英語4技能・探究学習推進委員会主催で行われた大会は、今回が初開催。進行は大学イノベーション研究所代表理事で京都造形芸術大学教授・副学長の本間正人氏が務めた。

 大会の審査員は、横山研治氏(立命館アジア太平洋大学 副学長)、Paul Chris McVay氏(麗澤大学 特任教授)、飯久保廣嗣氏(デポー大学 終身理事)の3名。金賞1名、銀賞2名、銅賞3名の受賞者には総額680万円の学習支援が行われ、語学留学、大学訪問、インターンなどいくつかの選択肢から、獲得した金額分のプランを選ぶことになる。

 シンガポールの南洋工科大学で2019年7月下開催されるアジア太平洋における中高生の課題研究コンテスト「Global Link Singapore」への出場権を得られるGlobal Link賞の審査は、グローバル・リンク・シンガポール日本事務局 事務局長 植木和司郎氏が務めた。

本間正人氏(大学イノベーション研究所代表理事、京都造形芸術大学教授・副学長)
本間正人氏(大学イノベーション研究所代表理事、京都造形芸術大学教授・副学長)
審査を待つ間の特別授業では、英語を楽しみながら来場者全員で交流を深めた

 午前と午後で10チームずつ、20チームが7分のプレゼンテーションと3分の質疑応答を行った。全チーム発表終了後には審査を待つ間、本間氏による特別授業が行われた。参加した中高生から保護者、引率の先生が一体となってゲームを行うなど盛り上がりを見せた。

 当日の発表順は以下のとおり。

出場20チームの学校名とタイトル



千葉県 麗澤中学・高等学校 “世界を変える甘ずっぱい方法”
東京都 品川区立大崎中学校 “生き物への私の探究心”
長崎県 長崎南山高等学校 “プロペラ飛行機の騒音軽減で世界を変える”
東京都 品川女子学院 “家庭内での家事における男女格差”
千葉県 市川高等学校 “誇れ”
東京都 玉川学園高等部 “Can I move someone? Yes, I can.”
北海道 札幌静修高等学校 “積極性を伝える方法”
東京都 お茶の水女子大学附属高等学校 “感染症と私たちの意識”
宮城県 聖ウルスラ学院英智高等学校 “努力は人生を変える”
東京都 郁文館グローバル高等学校 “脳科学の研究を通じ発達障害者に対する機会
長野県 東京都市大学塩尻高等学校 “アイルランド音楽が世界を変える?”
静岡県 静岡理工科大学 星陵高等学校 “社会人って何ですか? ~中高生と社会との架け橋に~”
東京都 広尾学園中学校 “世界のまだ誰も知らない問題へのアプローチ”
秋田県 鹿角市立花輪第二中学校 “私達自身がチェンジメーカーである ”
兵庫県 関西国際学園 “私の夢、私の未来。”
大阪府 追手門学院高等学校 “フードホームワーク”
和歌山県 桐蔭高等学校 “店頭に並ばなかった和歌山みかん”
愛知県 ベンジャミン人間性英才学校 “EARTH CITIZEN DREAM”
大阪府 クラーク記念国際高等学校 大阪梅田キャンパス “SILVER ENGLISH PROJECT”
兵庫県 甲南高等学校 “日本文化とクジラ”

受賞チーム



金賞 市川高等学校「誇れ-Be Proud-」(西原凪さん・神田紫音さん)



失敗を恐れない2人の見事なコンビネーション
 留学経験者の2人はそこでの経験をもとに、失敗経験を誰かのために役立てることができるのではないかと考え、「CHANGE」を定義し、プロジェクトを立ち上げた。失敗経験者の失敗は誰かのために活かすことができ、失敗や現状をCHANGEできるからこそ、失敗を誇ってほしい。2人は壇上から熱いメッセージを届けてくれた。スクリーンを中心に二手に分かれ壇上を広く使ったプレゼンは抑揚や身振りもさることながら、2人の掛け合いも抜群によく、練習を重ねてきたようすが見て取れた。核となる主張の部分では声量もあがり、会場が2人に集中する空気を作り出していた。失敗を恐れないプレゼンテーションに挑戦する凛々しい姿から、そのCHANGEの定義を感じることができた。

「Change Maker Awards」第1回大会本選/金賞 市川高等学校「誇れ-Be Proud-」(西原凪さん・神田紫音さん)
金賞 市川高等学校「誇れ-Be Proud-」(西原凪さん・神田紫音さん)

「Change Maker Awards」第1回大会本選/金賞 市川高等学校「誇れ-Be Proud-」プレゼンテーションのようす
金賞 市川高等学校「誇れ-Be Proud-」プレゼンテーションのようす

銀賞 郁文館グローバル高等学校「脳科学の研究を通じて発達障害者に対する機会の不平等を失くす-Eliminating non-equal change of having opportunity in public elementary school through research in neuroscience」(浅岡祐那さん・佐久間理さん・三宅栄実さん・八尾勇希さん)



製作期間わずか1か月、留学帰りの4人組
 脳科学を使い発達障害の壁を突破する。多様性を重視する教育を日本に導入したいというテーマを掲げる彼らのプレゼンテーションは、日本での発達教育の理解について警鐘をならすものだった。登場とともに話し始める演出はすぐに観客の注目を集めることに成功。子どもたちへの対等な教育を主張する中で、脳科学という切り口で提案していることが特徴的だった。この提案を実現するためのリサーチを続けていくと堂々と発表していた。

「Change Maker Awards」第1回大会本選/銀賞 郁文館グローバル高等学校「脳科学の研究を通じて発達障害者に対する機会の不平等を失くす-Eliminating non-equal change of having opportunity in public elementary school through research in neuroscience」(浅岡祐那さん・佐久間理さん・三宅栄実さん・八尾勇希さん)
銀賞 郁文館グローバル高等学校「脳科学の研究を通じて発達障害者に対する機会の不平等を失くす-Eliminating non-equal change of having opportunity in public elementary school through research in neuroscience」

銀賞 クラーク記念国際高等学校大阪梅田キャンパス「SILVER ENGLISH PROJECT」(中村侑生さん・松本美憂さん)



堂々とした立ち姿と英語力が印象のペア
 高齢者のライフモチベーションと国際意識の向上を目指すことを掲げ、そこにクラークでの勉強法を取り入れた脳トレーニングの要素のある英語学習の機会を設けることにした。クラーク記念国際高等学校でのカジュアルで実践的な英語学習システムを高齢者向けにしたプログラムをリメイクする、という提案は、自身が英語学習に達成感を抱いているからこそ出されたものだろう。質疑応答でも流暢に回答し、その堂々とした姿はしっかりと印象に残っていた。

「Change Maker Awards」第1回大会本選/銀賞 クラーク記念国際高等学校大阪梅田キャンパス「SILVER ENGLISH PROJECT」(中村侑生さん・松本美憂さん)
銀賞 クラーク記念国際高等学校大阪梅田キャンパス「SILVER ENGLISH PROJECT」(中村侑生さん・松本美憂さん)

銅賞 甲南高等学校「日本文化とクジラ-Is Commercial Whaling a Part of Japan-」(山本航輝さん・堀内颯太さん)



アンカーを務めた学ランの男子生徒2人組
 朝の10時に始まったコンテストだったが、アンカーが登壇するころには16時になっていた。その第一声はしっかりと発声され、応援団のように力強く、今大会の締め括りにふさわしいものだった。2018年IWC(国際捕鯨委員会)脱退、2019年に商業捕鯨を再開するこのタイミングで、オーストラリアへの留学経験のある彼らは、捕鯨に関する議論から自分たちの主張、そして捕鯨の文化に触れていない世代に伝えておきたいことなどを紹介した。捕鯨を行う国と捕鯨に反対する国の両方の議論に耳を傾ける機会をもった彼らならではのプレゼンテーションだった。

「Change Maker Awards」第1回大会本選/銅賞 甲南高等学校「日本文化とクジラ-Is Commercial Whaling a Part of Japan-」(山本航輝さん・堀内颯太さん)
銅賞 甲南高等学校「日本文化とクジラ-Is Commercial Whaling a Part of Japan-」(山本航輝さん・堀内颯太さん)プレゼンテーションのようす

銅賞 札幌静修高等学校「積極性を伝える方法-How to broaden our positive mind-」(上村優作さん・高谷澪旺さん・出口晴大さん)



コミカルなプレゼンテーションで魅了した3人組
 元シャイボーイの彼らは昨年カナダ、オーストラリアへの留学でシャイを克服した。その経験をもとに、ほかのシャイな人たちに向け、内に秘めたるポジティブさを引き出すための手順や元シャイならではの話しかけ方などをコント仕立てでプレゼンテーションしてくれた。シャイな子と積極的な子を2人が演じ、1人が解説に入るときに一時停止する絶妙なタイミングに会場からは笑いが起こった。

「Change Maker Awards」第1回大会本選/銅賞 札幌静修高等学校「積極性を伝える方法-How to broaden our positive mind-」(上村優作さん・高谷澪旺さん・出口晴大さん)
銅賞 札幌静修高等学校「積極性を伝える方法-How to broaden our positive mind-」(上村優作さん・高谷澪旺さん・出口晴大さん)

銅賞 玉川学園高等部「私の夢中は誰かを変えることができますか?-Do you think the thing you are absorbed in can move someone?-」(二宮瞳子さん)



川が好き。エンジニアを目指す女子生徒
 まさに今大会のテーマ「夢中」そのものといえるプレゼンテーションは、彼女の大好きな川についてだった。家の窓から川を眺めることが大好きだったという彼女は、大好きな川が氾濫してしまうという体験をする。災害に強い川のあり方を考え、将来エンジニアとして川に携わる仕事をしたいといきいきと語った。

「Change Maker Awards」第1回大会本選/銅賞 玉川学園高等部 「私の夢中は誰かを変えることができますか?-Do you think the thing you are absorbed in can move someone?-」(二宮瞳子さん)
銅賞 玉川学園高等部 「私の夢中は誰かを変えることができますか?-Do you think the thing you are absorbed in can move someone?-」(二宮瞳子さん)プレゼンテーションのようす

Global Link賞 品川女子学院「家庭内での家事における男女格差-The Gender Inequality in sharing Housework」(入山芳衣さん・加藤安奈さん・中島奏子さん・福原華乃さん)



夫婦の家事分担 女子高生切り込み隊
 ジェンダー問題について考えたこのチームは、家事における男女格差を取り上げた。問題意識が低いことが問題という考えで、改善としてワークショップの開催やWebサイトの作成など幅広く活動を展開し、その発表を行った。Webサイトは英語で作成されており、世界に向けてこの問題の周知をしている。ジェンダー平等を探究したプレゼンテーションでシンガポール行きの切符を手に入れた。

「Change Maker Awards」第1回大会本選/Global Link賞 品川女子学院「家庭内での家事における男女格差-The Gender Inequality in sharing Housework」(入山芳衣さん・加藤安奈さん・中島奏子さん・福原華乃さん)
Global Link賞 品川女子学院「家庭内での家事における男女格差-The Gender Inequality in sharing Housework」

「Change Maker Awards」第1回大会本選/Global Link賞 品川女子学院「家庭内での家事における男女格差-The Gender Inequality in sharing Housework」プレゼンテーションのようす
Global Link賞 品川女子学院「家庭内での家事における男女格差-The Gender Inequality in sharing Housework」プレゼンテーションのようす

夢への第一歩を自ら踏み出す



 全国から、参加者、保護者、参加校の生徒たち、教師、多くの人たちが会場に足を運んだ第1回「Change Maker Awards」。関西、東北、北海道…大会のために東京まで来た生徒も一般観覧者も、子どもたちの情熱に感心しながらプレゼンテーションを見つめていた。

斉藤智氏(英語4技能・探究学習推進協会理事、桐原書店会長)
「英語で、これだけ大勢の前でプレゼンをしたということは本当に大きな財産になると思います」
斉藤智氏(英語4技能・探究学習推進協会理事、桐原書店会長)

 英語4技能・探究学習推進協会理事、桐原書店会長の斉藤智氏の「まだ皆さんはどんなに素晴らしいことをしたか、実感はまだないかもしれません。英語で、これだけ大勢の前でプレゼンをしたということは本当に大きな財産になると思います。」という言葉で閉会となった第1回「Change Maker Awards」。参加することで「夢中」の実現の第一歩を踏み出すことになる。その理念のもと参加した生徒の中には、これからも活動を続けると宣言する生徒、今日から大会の名前でもあるChange Makerになると宣言する生徒、まだ自分はChange Makerではないと言う生徒などさまざまだった。惜しくも入選とならなかった生徒にとっても、同世代のプレゼンテーションから刺激を受け、大きな夢への第一歩を自ら踏み出した大会となったのではないだろうか。
《染谷有恒》

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