【高校受験2019】千葉県公立前期<国語>講評…作文書きにくいが難度は前年同様

 平成31年度(2019年度)千葉県公立高等学校入学者選抜の「前期選抜」が2月12日(火)、全日制課程127校204学科で実施された。リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。

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【高校受験2019】千葉県公立前期<国語>講評…作文書きにくいが難度は前年同様
  • 【高校受験2019】千葉県公立前期<国語>講評…作文書きにくいが難度は前年同様
 平成31年度(2019年度)千葉県公立高等学校入学者選抜の「前期選抜」が2月12日(火)、全日制課程127校204学科で実施された。予定人員2万2,026人に対し3万7,687人が志願していたところ、2月12日の欠席者は127人。受検者数は3万7,560人で、受検倍率は1.71倍だった。

 リセマムでは、京葉学院の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<国語>講評(京葉学院 提供)



 大問構成や大問毎の配点は例年通りでした。読解問題での記述問題は5問で、うち現代文読解問題ではそれぞれ35字以内、20字以内で答えるものに加えて、提示されている二字熟語を二つ選択して5字で解答を作成する問題が出されました。古文の読解では7字以内で解答するものが2問出題されました。書きにくい記述問題があり、さらに作文が書きにくいものでありましたが、全体としては平易な設問が多かったため、平均点は前年同様となるものと思われます

1.放送聞き取り



 「社会で活躍しているロボット」ついて調べたことをもとに話し合いをしている場面を聞いて、設問に答えるものでした。「調べたことを書いてきたカード」や選択肢は問題用紙に印刷されていて、それを見ながら放送を聞くことができました。設問はすべて選択問題で、話し合いの内容に関するものが2問、うち「調べてきたことを書いてきたカード」の利用法に関するものが1問、発言の効果に関するものが1問、今後の議題に関するものが1問の計4問でした。どの設問も放送内容を把握できていればさほど難はなかったものと思われます。大問の配点は例年通り10点でした。

2.漢字の読み



 例年通り、中学校配当漢字の読みが4問出題されました。「踏襲」はやや難しかったと思われます。また配点は各2点、合計8点と例年通りでした。

3.漢字の書き



 例年通り、小学校配当漢字の書きが5問出題されました。毎年三字または四字熟語が出題されますが、今回は「起死回生」が出題されました。また配点は各2点、合計10点と例年通りでした。

4.国語の知識



 二つの文節の関係が異なるものを選ぶもの、適切な敬語に書き換えるもの、漢文の返り点をつけるもの、行書に関するもの、が出題されました。行書については点画が省略されているものを選ぶもので、難度は高くありませんが、新しい形のものでした。また配点は各2点、計8点と例年通りでした。

5.説明的文章の読解



 「詩は、読むことだけではなく作品を書き写してみたりときに作品を声に出して読んでみたりことで深く味わうことができる」という趣旨の文章を読んで設問に答えるものでした。選択問題が4問出題されましたが、うち2問は本文中の空欄を補充するものでした。抜き出し問題は2問出題されましたが、1問は本文中の空欄を補充するもので、もう1問は設問の空欄を補充するものでした。どちらも空欄の前後がヒントとなり解答語句を発見できるものでした。記述問題は1問出題されました。複数個所を解答の形にまとめることが求められるものであり、書きにくかったと感じた受検生もいたと思われます。大問の配点は例年通り20点でした。

6.文学的文章の読解



 「菓子舗で働いている少女が、おかみさんの顔色がよくないことを感じて自分の住まいで作ったなつめの蜂蜜漬けを持ってくる。店舗ではそれを使った菓子をつくったが、その名前を少女につけさせる。」という文章を読んで設問に答えるものでした。前年度には4年ぶりに時代小説が出題されましたが、今年度も江戸時代を背景にしたものでした。選択問題が4問出題されましたが、どれも人物の心情や人物像を問うものであり、自信を持って解答できた受検生が多かったものと思われます。抜き出し問題は1問出題されました。問われている語句が書かれている場面がどこに書かれていたかを思い浮かべることができれば、解答語句を発見できたのではないでしょうか。記述問題は、提示されている二字熟語を二つ使って5字で答えるものと、10字以上20字以内で答えるものが出題されました。前者の形式は初めてですが、難度は高くありませんでした。後者も-線部直前を参照して解答を作成するものであるため、さほど難度は高くないものと思われます。大問の配点は例年通り20点でした。

7.古典の読解



 「歌会で、有名な歌人である源俊頼が詠んだ歌に名が書かれていなかったため、詠み人がそのことを聞いたところ、そのまま詠んでくださいという申し出であったために詠み上げたが、実はその歌には俊頼の名が含まれていたため周囲の人々をたいそう感動させた」という古文を読んで設問に答えるものでした。現代仮名遣いに直す問題、抜き出し問題、選択問題がそれぞれ1問ずつ、7字以内で答える記述問題が2問出題されました。現代仮名遣いに直す問題は平易であり、また抜き出し問題と選択問題も本文内容がおおよそつかめていれば解答できるものでした。記述問題は和歌の内容や詠み上げられた状況から解答するものであったため、答えにくかったという受検生もいたことでしょう。大問の配点は例年通り12点でした。

8.条件作文



 学級通信に先生が書かれた「巨人の肩の上に立つ」という言葉についての、生徒と生成との会話を読んで、その言葉が表している内容と、それをどのようにこれからの生活に生かしたいかを2段落構成10行以内(1行は20字)で書く、というものでした。「巨人の肩の上に立つ」という言葉が表している内容を先生の会話文から読み取る必要があり、さらにそれを「これからの生活に生かす」観点で書くことが求められていることからやや難度が高いといえるでしょう。配点は例年通り12点ですが、採点基準の細部については各学校で定めることになっています。

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 このレポートは2019年2月12日(火)に速報として京葉学院により作成されたもの。

協力:京葉学院
《編集部》

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