大人数へのプレゼンのコツは「欲張りすぎない」こと

 プレゼンテーションのコツを紹介する企画。今回は聞き手が大人数いる場合の、自分の話のレベルの調整についてです。

デジタル生活 先生
聞き手が大人数の場合は2:6:2に分けて考える
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 こんにちは。[コクヨの研修]スキルパーク、シニアトレーナーの下地寛也(しもじかんや)です。

 プレゼンのちょっとしたテクニックやよくある疑問にお答えするコーナー。

 今回は、25回目。前回に引き続き、「聞き手の視点に立って考える」をテーマに、「プレゼンの聞き手がたくさんいるときは、自分の話のレベルをどう調整すればいいのか」について考えてみたいと思います。

聞き手、全員を感動させようとはしない



 大人数の前で話そうと思うと、「この内容だと難しすぎるかなあ・・」とか「いや、もう少し深い話をしないと簡単すぎるかもしれない」などと、どのレベルで話せばいいのかわからなくなることもあるでしょう。

 たとえば、「これからはワークライフバランスが大切です」という話をしたとして、「そんなことは当たり前の話だよね」と思う人もいれば、「意味は知っているけど、よく理解できていないんだよね」という人もいるでしょうし、「ワークライフバランスってなんだっけ?」と思う人もいるかもしれません。

 事前にどのような人が来るのかを確認できれば、ある程度聞き手の興味がありそうなことにポイントを絞り込むこともできると思いますが、大衆向けにプレゼンやセミナーなどの場合、どんな人が聞きに来るのかわからないということもあるでしょう。

 プレゼンする人は、ワークライフバランスについていろいろ知識がありますが、聞き手が何を知っていて、何を知らないのかはわかりませんので、予測するしかありません。

 なので、聞き手をざっくり2:6:2くらいに分けて考えてみるといいでしょう。多くの場合、人は釣鐘型をした正規分布に分かれます。そして、「理解してくれる人」が2割、「普通の人」が6割、「なかなか理解してくれない人」が2割くらいと思っておくのです。

 たとえば、私はこのコラムを書きながら“正規分布”という言葉を知っている人はどれくらいかなと考えてみました。「正確に知っている人」を2割、「だいたい知っている人」を6割、「聞いたことはあるがよく知らない人」を2割くらいかなと予想して、正規分布の細かい説明はなくてもわかるかなあ。。などと考えながら、このコラムを書いています。

 そして、知らない人でも読めばおおよそ意味がわかるのではないかと判断して説明は省略するわけです(でもいちおう、正規分布の意味を書くと、学生のテストの点数のように平均付近が一番多く、平均から離れるにつれて緩やかに人数が減っていく釣り鐘型のように左右対称の分布のことです)。

 そういった感じで、大人数いる聞き手を3タイプぐらいに分けて考えると、それぞれの人が話をどのように聞くのかを予測しやすくなります。そして、「全員に伝える」というより「どのタイプの人に標準を合わせよう」ということも考えやすくなるでしょう。

聞き手を2:6:2に分ける3つの軸



 聞き手を2:6:2に分ける方法は主に3つあります。

1:「頭の回転の軸」


・・・「頭の回転の速い人」:「普通の人」:「それほど速くない人」=2:6:2

2:「知識量の軸」


・・・「知識が豊富な人」:「普通の人」:「それほど知らない人」=2:6:2

3:「ポジティブ度の軸」


・・・「ポジティブに考える人」:「普通の人」:「ネガティブに考える人」=2:6:2

 もちろん3つの軸は、すごくざっくりした概念ですし、この通りの比率になるかはわかりません。ただ、プレゼンの内容を検討する上ではそれぞれのレベルがどう思うかを考えるのに役に立ちます。

 実際にはこの軸で身の回りにいる人をイメージしながら考えてみましょう。

「頭の回転の速いAさんだと、このプレゼンの内容はすぐに理解するかな。逆にやや理解力が悪いBさんだと、話についてこれるだろうか」
「ワークライフバランスについて知識が豊富なCさんだと、少し当たり前の内容ばかりで眠い話になるだろうか。逆に自分の妻のように働いていない人が聞くと専門用語を理解できるかなあ」
「ワークライフバランスに対してポジティブな若手Dさんは、どう思うだろう。逆に年配で仕事一筋のEさんは、ネガティブにとるかなあ」

 このように3つの軸の両サイドの人を身近な人に当てはめてイメージしてみると、具体的にどのあたりの内容が興味を引くのかを考えやすくなるでしょう。

 そうして、全体の8割くらいの人が満足するにはどうすればいいだろうと考えてみましょう。なぜなら、なかなか理解してくれない2割の人に話の標準を合わせと、説明がクドくなりすぎて、大半の人が飽きてしまうからです。

聞き手が大人数の場合は2:6:2に分けて考える

《下地寛也》

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