ママから先の未来へ…セカンドキャリアを描ける「資格取得」のすすめ

 現代では女性がいくつになっても、仕事をすることは珍しくない。人生100年時代と言われる昨今、子育てを終えた女性にはまだまだ時間がある。これまでできなかったことにチャレンジする時間は、まだあるのだ。なりたい自分を目指すママたちに、役立つ資格をご紹介しよう。

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 現代では女性がいくつになっても仕事をすることは珍しくない。人生100年時代と言われる昨今、子育てを終えた女性にはまだまだ時間がある。

 これまでできなかったことにチャレンジする時間は、まだあるのだ。なりたい自分を目指すママたちに、役立つ資格をご紹介しよう。

目次
◆女性に人気「医療事務」「調剤薬局事務」
◆自分の経験や生活から「資格」を考える
・「食生活アドバイザー」「幼児食インストラクター」
・「防災士」
・「介護」
・「保育士」
・「IT」と「英語」
◆子どもに望みを託すのではなく自分から


女性に人気「医療事務」「調剤薬局事務」



 ここ数年女性に人気がある資格は、医療事務と調剤薬局事務である。医療という意義のある職場であること、経済的な安定が見込めることなどがメリットとしてあげられる。さらに加えるなら、病院や薬局は全国各地にある。転勤などにより引っ越したとしても前職は経験となり、重ねた年齢はさまざまな年代の人と関わる職場への適応力として、プラス要素とすることができる。また医療機関は午前と午後に診察時間が区切られているため、短時間の雇用が見つけやすい。つまり、子どもの成長に合わせて働く時間が検討できる、これは子育て中のママにとって嬉しいポイントだ。

 以上の理由から、医療事務や調剤薬局事務という仕事は主婦にとって魅力的といえる。しかもこの2つの職種は、実は資格が必須ではない。各資格試験は民間が主宰しているもので、無資格で採用されても誰にとがめられることもない。

 では、資格取得がどうして人気なのか。

 医療事務への求職者は多い。もちろん若い世代にも。なおかつ事務職でIT化が進む現代とはいえ、医療の知識、保険の仕組み、診療報酬の算定の仕方など求められる専門知識は確かに存在する。民間の資格であっても確かな知識の証明となり、面接でアピールできることから年齢や未経験のデメリットをカバーできる。おもな試験は以下のようなものがある。

◆医療事務技能審査試験…一般財団法人 日本医療教育財団

◆医療事務認定実務者試験…全国医療福祉教育協会

◆診療報酬請求事務能力認定試験…公益財団法人 日本医療保険事務協会

 また、通学・通信講座をもつニチイでは、契約医療機関が全国約9,000件あり、約5万人のスタッフが活躍中だ。就職への近道となるひとつの方法といえるだろう。

資格必須「登録販売者」



 同じ医療系とはいえ、一般用医薬品販売に携わる登録販売者は働くことに資格は必須である。また経営者側からみても、一般用医薬品を販売するためには薬剤師もしくは登録販売者がいなくては商売ができない。ということは、資格保持者は採用時にも給与、待遇面でも優遇される可能性は高い。一方、受験するにあたり資格は必要ない。いくつでも誰でも受験できる。その気になれば今すぐ、無料アプリや図書館などを利用して勉強を始めることができる。うまくいけば、受験料だけで合格できる可能性も皆無とはいえない。試験は年に1回、各都道府県ごとに開催時期や設問も異なるため、詳細については受験する都道府県のWebサイトよりご確認を。

自分の経験や生活から「資格」を考える



 しかしいくら人気があっても、興味がわかないものは続きはしない。目標が見えない場合は、毎日の暮らしでの体験を思い返すのもひとつの方法だ。

「食生活アドバイザー」「幼児食インストラクター」



 たとえば私たちの暮らしの基本になる食べるという行為。人気の講座に「食生活アドバイザー」や「幼児食インストラクター」がある。ママともなれば子どもの食事は気になるところ。子どもの数は少なくなり親の関心が高い現在、飲食業、小売業などへの就職時のアプローチポイントになるばかりか、料理教室や講座など自分発信の未来をも描くこともできる。

「防災士」



 ここ数年、日本は数多くの天災に見舞われている。防災は、よりきちんと知っておきたい情報のひとつといえる。NPO法人「日本防災士機構」には、防災に関する一定の意識、知識、技能をもった人を認証する「防災士」という資格がある。2003年にできた比較的新しい資格だが、2017年の認証者は12万人を超えている。まさに注目の資格と言えそうだ。しかしながら「防災士」と聞くと、女性には縁遠いと思われるかもしれない。いや、ママだからこそ、唯一無二の存在価値が見いだせることがある。

 2018年8月25日NHK「助けて!きわめびと」に出演されていた柳原志保さんは、ママ防災士として小さな子どもをもつ家庭の防災リュックについて「修学旅行やキャンプをイメージしよう」と実にわかりやすく説明されていた。実際に東日本大震災、熊本地震という大きな地震を体験した柳原さんは、ママ目線を持ち「防災士」というしっかりした土台を得て、より一層説得力のある「なるほど」と思える情報を伝えているのだ。

「介護」



 社会を見渡せば、高齢化や少子化、IT化はどんどん進んでいる。女性に求められる職業にも、その影響は少なくない。今後も大きな役割を担う介護職では特に女性の活躍が求められている。厚生労働省の「介護の現状」によると、介護労働者の年齢構成は女性は40歳以上の割合が高く、中途採用者が全体の84.7%を占めているという。介護職員数は年々増加しており、12年間で約3倍、2025年には、237万から249万人の介護職員が必要とされている。

 これらを見ると、就職活動時の年齢に対するリスク、未経験から始める不安は軽減されるのではないか。さらに今後も、将来性が十分に見込まれる職業といえるだろう。介護職に直結する資格としては、従来のホームヘルパー2級にあたる「介護職員初任者研修」では介護職のスタートとなる知識と技術を学ぶことができる。その後「実務者研修」を経て、国家資格「介護福祉士」へと進むことになる。

「保育士」



 さらに働く女性が増えることにより、保育士が求められる場も保育園やこども園、民間の一時保育や託児所など多く見られる。保育はまさしく、ママとしての経験が生きる場であり、未来を担う子どもに関われるという大きなやりがいをもつことができる。保育士試験は現在、年2回受験のチャンスがある。さらに平成27年から「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」により、「地域限定保育士試験」が実施され、一部の市町村でさらに受験の機会は増えた。「地域限定保育士試験」は、資格取得後3年は受験した自治体内のみで保育士として働き、4年目以降は全国で働くことができるというものだ(参考:平成30年神奈川県独自地域限定保育士試験)。

「IT」と「英語」



 長く実務から離れていると、以前のスキルが今必要とされるものと合致しないというケースもある。たとえば最近目覚ましく進歩するIT、日常的にPCを扱ってないとさらに不安も増すだろう。マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は広く知られているパソコンの操作技術や応用力などを認定する資格であり、どの職業を目指すとしてももっていて損はない。また、グローバルな企業での活躍や英語力を生かした英語の先生を目指すのなら今はTOEICを受けるのがおすすめだ。昭和世代には英検のほうが馴染み深いだろうが、現代の就職活動において主流をとなっているのは世界中で受験されているTOEICだ。自分の英語力を世界基準の試験から評価しておくことをおすすめしたい。

子どもに望みを託すのではなく自分から



 ママとなってからの仕事は、大変だ。自分の都合だけでなく、家族のスケジュールや体調なども考える必要に迫られる。それに加えてブランク、年齢も不安の種になるかもしれない。へこたれることもあるだろう。それでも好きな道が見つかれば、明日に期待できる。子どもに望みを託すのではなく、他力本願でなく、自分の未来が楽しみになる。「知る」ということは純粋に、面白い。さあ今から、始めてみよう。

吉田 りょう
 働くシングルマザーです。息子2人を大学卒業させるため、さまざまに工夫をこらし勉強しました。節約は勉強したものだけに与えられるご褒美です。リアルな情報、実際に使える情報にこだわってお届けしたいと思います。
【保有資格】登録販売者、日文コンサルタント協会 着付1級講師
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