【中学受験の塾選び】四谷大塚の特徴と費用、塾活用ポイント(2019年度版)

 中学受験に向けた塾選びの参考として、大手人気塾5校の特徴や費用をまとめた。中学受験で成功するための塾選びと活用のポイントは、プロ家庭教師集団・名門指導会に聞いた。今回は四谷大塚について見ていこう。

教育・受験 小学生
四谷大塚
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 中学受験に向けた塾選びの参考として、大手人気塾5校(サピックス小学部・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミー・浜学園)の特徴や費用をまとめた。中学受験で成功するための塾選びと活用のポイントは、プロ家庭教師集団・名門指導会に聞いた。今回は四谷大塚について見ていこう。

四谷大塚の指導の特徴



 低学年には知的好奇心を刺激し、“遊ぶように学ぶ”ことで「考える楽しさ」を教え、子どもたちを褒めながら「自ら考える力」を伸ばす。高学年の指導では、自ら進んで学習する姿勢と学習習慣をしっかり身に付けることに始まり、4~5年生の2年間で中学受験に必要な一通りの基礎学力を習得させる。そして、この2年間で徹底的に身に付けた基礎学力をもとに、入試問題を意識しながら、6年生の前半で徹底的な総復習、後半で徹底的な「学校別」入試対策指導を行っている。

 四谷大塚の高学年指導の特徴は、
(1)“中学受験のバイブル”と称されるテキスト「予習シリーズ」にもとづく1週間サイクルのカリキュラム
(2)親身な熱誠指導+毎週末の「週テスト」
(3)最新のITコンテンツ「高速基礎マスター」に加え、自宅での予習・復習に大いに役立つIT授業「予習ナビ」「復習ナビ」の完備
4~6年生の3年間をスモール・ステップで、パーフェクト・マスターをしながら、確実に第一志望校合格を目指す。

入塾の時期



 低学年はいつ入塾しても大丈夫だが、可能なら新1年生(年長生の2月)がベスト。低学年は、併せて英語のレッスンも受講できる。また、高学年は、新4年生(3年生の2月)から入塾すると、3年間のカリキュラムでスムーズに流れに乗っていけるだろう。もちろん、それ以降、いつでも入塾できる。

 近年、低学年の子どもの保護者の、教育への関心が高まっている。3月3日に実施するリトルスクールオープンテスト(新1~3年生対象)は、申込者数で昨年比150%程度の伸びを見せている。これほどの伸びではないものの、低学年から通塾する子どもは年々増えている。

入塾前のテストの有無



 入塾の学力審査と入塾後のクラス決定のため、入塾テスト(無料)を受験する。入塾テストの合格率は50%。6月・11月に実施の「全国統一小学生テスト」も入塾テストを兼ねている。

年間にかかる費用とカリキュラム



 4年生は約55万円、5年生は約70万円、6年生は約110万円(いずれも税込)。費用には、テキストなどの教材費、テスト代、講習会受講料などが含まれる。

クラス分け



 塾に入る際に入塾テストを行うほか、低学年では学期末ごとにテストを行い、クラス分けを実施。高学年では5週に1回、組分けテストを行い、クラス分けを実施する。開成・桜蔭などの最難関校への合格を目指すクラスから、中下位校の合格を目指すクラスまで、学力別に指導クラスを分け、親身に指導している。1クラスあたりの人数は、学年・クラスによって異なるが、10名前後

通塾の頻度と時間帯



・1年生:週1日 75分
・2年生:週1日 75分
・3年生:週2日 100分(50分×2)/日
・4年生:週3日 (17:00~20:10)×2日、(17:00~19:30)×1日
・5年生:週3日 (17:00~21:20)×2日、(15:30~20:30)×1日
・6年生:週4日 (17:00~21:20)×2日、(13:50~18:20)×1日、(13:30~18:00)×1日
※4~6年生は、校舎・クラスによって時間帯が異なる場合がある。

授業以外のサポート



 塾での授業以外に、おもに家庭での学習をサポートするITコンテンツを提供している。計算・語彙・漢字などのITコンテンツ「高速基礎マスター」は、タブレットやスマホでいつでも学習できる。また、授業の予習や復習、テストの復習をするために、タブレットやスマホで受けられるIT授業「予習ナビ」「復習ナビ」「週テスト演習」がある。これらの使用はすべて授業料に含まれている。

 また、月に1回、保護者を対象に父母説明会を実施し、学習の進捗などを伝えている。さらに学期末には個人面談も行っている。

Web教室



 小学4・5・6年生向けには、Web学習システム「進学くらぶ」があり、難関中学受験に対応している。通塾生と同じカリキュラム、同じ教材、同じテストを、IT授業「予習ナビ」「復習ナビ」で学習する。

塾選びと活用のポイント


(名門指導会 高野健一先生)

 四谷大塚は、大手塾で「唯一」といっていい、「予習型」を標榜する塾。子どもたちはあらかじめ次の週に習う単元を予習し、その授業に臨む。まっさらな状態で、新しい単元を自分で予習してから授業に臨むのは、社会に出て何らかの課題にぶつかったとき、誰かが解決法を教えてくれるとは限らない、という塾側の思いが込められている。

 つまり、毎週きちんと予習して授業に臨む子と、そうでない子の差がつきやすく、特に通わせはじめの段階での「1週間の学習サイクルづくり」には親が積極的に関与するのがよいだろう。

 もともとテスト会として始まったこともあり、カリキュラムと連動した「週テスト」と原則5週に1回の「公開組分けテスト」といったテストシステムは非常によくできており、6年生になったら受験する「合不合判定テスト」は受験校選定の指標としても、非常に信頼できる。

 入塾の時期は、本格的な受験カリキュラムが始まる新4年生の2月がベストタイミングなのは他塾同様だが、1~3年生を対象とした「リトルスクール」は勉強というよりも遊びやゲーム的な要素が強く、進学塾の低学年向けコースとしては「勉強嫌い」にさせにくい要素があるようだ。

 予習型とはいえ、クラスによってどれくらい予習していけばよいかはまちまち。通うことになる校舎の校舎長や担当講師に直接確認すればよいだろう。また、直営校ではなく準拠校の場合は、「予習シリーズ」を使いながら完全に「復習型」の授業を展開する場合も多い。そのため、塾の授業の進め方や、家庭でやるべきことを入塾時にしっかり確認することが大切だ。

 「予習シリーズ」は他塾のテキストに比べると、予習を前提としているだけあり、子どもが読んでもわかるように解説が詳しく、理科や社会はカラーの写真や図版がふんだんに使われている。親が積極的に勉強内容に関わりたい場合にも、詳しい解説とポイントが判断しやすい紙面は心強いだろう。

 四谷大塚には、受験したいが通塾できない子どものための通信教育「進学くらぶ」(4年生~6年生対象)もある。「予習ナビ」「復習ナビ」という動画授業とテストの組合せによるカリキュラム構成だが、カメラに向かって講師が行う授業はやはり実際の授業とは違い、子どものモチベーション維持が課題になる。
《工藤めぐみ》

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