赤ちゃんも上に立っている人が優位と判断…京大・九大

 京都大学と九州大学は2019年10月10日、赤ちゃんも上に立っている人が優位と判断することを解明したと発表した。一般的に社会的な優位性や地位を空間位置で表現するが、研究によって、社会的経験も言語的経験も少ない乳児にも社会的上下を結びつける発達が見られた。

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 京都大学と九州大学は2019年10月10日、赤ちゃんも上に立っている人が優位と判断することを解明したと発表した。一般的に社会的な優位性や地位を空間位置で表現するが、研究によって、社会的経験も言語的経験も少ない乳児にも社会的上下を結びつける発達が見られた。

 京都大学大学院教育学研究科の孟憲巍外国人特別研究員(研究当時)と森口佑介准教授、九州大学大学院人間環境学研究院の橋彌和秀准教授らのグループの実験によると、まだ言葉の話せない1歳の乳児が高い場所に立つ者が低い場所に立つ者に負ける場面を見せると、驚くような行動を示した。つまり、空間的に上にいる者が社会的に優位であることを期待していた可能性を示したことになる。

 生後12~16か月児を対象に、空間的に上にいる個体が下にいる個体より優位であることを期待(予測)するか調べた。具体的には、2つのキャラクターが同時に画面上の高い場所と低い場所に出現する場面を繰り返し見せた。その後、キャラクターが1つの物を取り合いになり、どちらかが手に入れるシーンを見てもらい、動画をどのくらい見たかを視線計測装置やビデオカメラで計測し、解析した。

 実験では、表彰台のような台を使ってキャラクターの空間位置関係を提示。赤ちゃんが「上のキャラクター」が「下のキャラクター」に負ける結末を見た後、逆の結末を見たときと比較して長い注視時間を表した。つまり、「上のキャラクター」が「下のキャラクター」に負ける結末を見たあとの長い注視時間は、その結末が「上のキャラクターが優位であり勝負に勝つだろう」という乳児の期待に反したことから生じるものだという可能性が高い。

 さらに、2つのキャラクターを互いに真上、真下になるようにしてより純粋に上下位置関係を見せた。その後も「下のキャラクター」が負ける結末をより長く見ていて、空間的上にいる個体が下にいる個体より優位であることを期待することが明らかになった。

 今後は、より低い月齢の赤ちゃんの反応様式を調べるなど、優位性関係の判断が生得的または生後の経験によるものなのかを検討する予定だという。 研究成果は、2019年10月9日に国際学術誌「Proceedings of the Royal Society B: Biological Sciences」にオンライン掲載された。
《田中志実》

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