JR貨物は10月16日、今年3月のダイヤ改正を機に引退したEF200形直流電気機関車と、この秋に引退するシキ800形貨車を京都鉄道博物館(京都市下京区)で11月16日から展示すると発表した。貨物用の電気機関車としてはVVVFインバータ制御などの新機軸が盛り込まれたEF200形は、国鉄から承継したEF65形やEF66形を置き換えるため、1990年に試作機(EF200-901)が、1992年から翌年にかけて量産機(EF200-1~21)が登場した。1600tの貨物列車を120km/hでけん引できる性能を持つことから、東海道・山陽本線の長大貨物列車に運用されたが、沿線の変電設備が1600tけん引の整備に対応できなかったことから、総勢21両が製造されるに留まった。このうち、2・17~19号機の4両が最後まで残ったが、3月28日に18号機のけん引により運行された幡生(はたぶ)操車場~吹田貨物ターミナル間の1086列車を最後に引退している。一方のシキ800形は日本通運が所有する大物車で、1973年から1996年にかけてわずか3両しか製造されなかった稀少車で、発電所や変電所で使われる特大の変圧器を輸送している。鉄道事業者の所有車以外が京都鉄道博物館で展示されるのは初となる。2両とも11月24日まで本館1階の「車両のしくみ/車両工場」エリアで展示されることになっている。