小学校の法教育、課題は「十分な時間をとる余裕がない」

 法務省は2020年3月、「小学校における法教育の実践状況に関する調査研究報告書」を公表した。外部人材と連携した法教育の授業を実施している小学校は37.0%。法教育を実施するにあたっての課題では、「法教育に十分な時間をとる余裕がない」が66.2%にのぼった。

教育・受験 小学生
外部人材と連携した法教育に関する授業の実施の有無
  • 外部人材と連携した法教育に関する授業の実施の有無
  • 教員数別「外部人材と連携した授業を実施した」の回答割合
  • 外部人材と連携した授業を実施した「学年」
  • 外部人材と連携した授業を実施した「教科等」
  • 外部人材と連携した授業を実施した「テーマ」
  • 外部人材と連携した授業を実施した「連携先」
  • 部人材と連携した授業を実施した「学年」と「教科等」との関係
  • 外部人材と連携した授業を実施した「学年」と「テーマ」との関係
 法務省は2020年3月、「小学校における法教育の実践状況に関する調査研究報告書」を公表した。外部人材と連携した法教育の授業を実施している小学校は37.0%。法教育を実施するにあたっての課題では、「法教育に十分な時間をとる余裕がない」が66.2%にのぼった。

 「小学校における法教育の実践状況に関する調査」は、全国の小学校と義務教育学校のうち、1万校を抽出して2020年1月10日~2月10日、Web回答フォームに直接回答する方式で実施した。回答数は6,052(国立25、公立5,965、私立62)。

 外部人材と連携した法教育に関する授業は、「実施した」37.0%、「実施していない」63.0%。2012年度の調査結果と比較すると、実施した割合は17.7%から倍増している。「実施した」と回答した学校を教員数別にみると、「10人以下」27.4%、「11~20人」37.9%、「21~30人」40.7%、「31人以上」37.4%。教員数が少ない学校では比較的低かった。

 学年別にみると、学年が上がるにつれて実施する割合が高くなり、「6年生」83.6%が最多。教科別では「社会科」が58.7%、テーマ別では「法や決まり、ルールの必要性・意義」が49.3%ともっとも多かった

 学年と教科をクロス集計したところ、1~5年生では「特別活動」、6年生は「社会科」での実施がもっとも多かった。学年とテーマのクロス集計によると、1~5年生は「法や決まり、ルールの必要性・意義」と「SNSやインターネット上の問題について」をテーマにした授業が比較的多く、6年生は「法や決まり、ルールの必要性・意義」のほか、「憲法の意義」「司法、裁判が果たす役割」などが他学年と比べて高かった。

 連携先は、「税務署(税務署職員)」34.0%、「その他」27.7%、「警察署(警察官)」19.4%、「税理士会(税理士)」13.4%、「弁護士会(弁護士)」9.5%の順に多かった。「その他」の回答には、「情報通信などに関する企業・担当者」「自治体職員(税務課職員などの回答を含む)」などがあった。

 一方、外部人材と連携した法教育に関する授業を実施しなかった理由は、「連携によりどのような授業ができるのかわからないから」が50.2%ともっとも多く、ついで「連携した授業を行う時間がないから」43.6%、「連携先を見つける方法がよくわからないから」40.1%、「連携の準備や打合せ、手続きなどが大変だから」30.5%だった。

 このほか、法務省(法教育推進協議会)作成の法教育教材については、「利用したことがある」はわずか7.9%、「教材を知っているが利用したことはない」59.5%、「教材を知らない」32.6%だった。教材を利用したことがある割合は、2012年度の7.5%から微増にとどまった。

 法教育を実施するにあたり課題と感じることは、「法教育に十分な時間をとる余裕がない」66.2%、「法教育の内容(テーマ)や授業の進め方がわからない」36.4%、「法教育に関する良い教材(副教材など)がない」30.5%であった。

 法務省では、小中学生を対象とした法教育授業を実施するための教員向け教材をWebサイトで公開している。冊子教材と視聴覚教材があり、Web上でダウンロードや視聴が可能。視聴覚教材に対応したワークシートもある。
《奥山直美》

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