そんなQuizKnockから発足した「QuizKnock Lab」は科学をより身近に楽しくをモットーに動画を配信中。「QuizKnock Lab」のナイスガイこと須貝駿貴氏の著書「東大流!本気の自由研究で新発見 QuizKnock Lab」(KADOKAWA)より、東大流の楽しい科学実験を紹介する。
須貝駿貴氏は、東京大学大学院の博士課程で物理学を研究しているかたわら、QuizKnockで科学的な実験の楽しさを伝える活動を行っている。今回紹介する実験は「自分たちとは違う世界」で営まれる「科学」というイメージを壊すために考案されたもの。家にあるものや身近なもので家のキッチンなどで取り組める実験だ。
「科学は白衣を着た人たちだけのものじゃない。目の前で起こっていることにちょっとした疑問を持つようになったら、誰もが科学の入り口に立っているのです。実験室や高額な装置がなくても、家のテーブルの上でも、キッチンでも、お庭でも、科学をすることができるのです。」(須貝氏)
楽しい科学の世界へようこそ!
メントスコーラより吹き出す組合せを探せ!
学べること:液体中の分子の動き
コーラにメントス® を入れると、シュワッと泡が吹き出す「メントスガイザー現象」。コーラとメントスの組み合わせが最も有名ですが、ほかのものを使っても同じ現象を引き起こすことができそうです。さらなる噴き出しを見せてくれるコンビを探してみましょう。
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実験の結果を考察する
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実験結果からわかるのは、「コーラに何を入れるかによって噴き出す量が変わる」ということです。そんなの当たり前じゃん! と思うかもしれませんが、明らかになったことを地道に、丁寧に確認していく作業が考察の質を高めます。
次に考えるべきは「入れた物質の特徴と噴き出す量の関係」です。私たちが注目したのは、物質がコーラと触れ合う「面積」と、その表面の特徴でした。メントスも素焼き板も表面がザラザラした「多孔質」でしたね。ここから、多孔質という特徴が、噴き出す量をコントロールしているという仮説を立てることができます。
まとめ「物質の無数の孔が気泡の生成に貢献」
メントスガイザー現象でコーラが高く噴き出すためには、一度にたくさんの気泡を発生させ、ボトル内の圧力を高める必要があります。今回の実験で、メントスに一番近い効果を得られたのは素焼き板でした。
この結果から、大量の気泡を発生させるには「目の細かい多孔質」が重要であるという仮説を立てることができます。木炭や軽石はメントスや素焼き板に比べると孔が大きすぎること、また軽すぎてコーラの表面に浮いてしまうことから、一度に多量の気泡を発生させることはできませんでしたが、それでも長く泡を噴き出させていました。なので、孔のサイズや物体の沈み具合でメントスガイザー現象を調節できるかもしれない、と考察できますね。
(協力:KADOKAWA)
発行:KADOKAWA<著者プロフィール:須貝駿貴(すがい しゅんき)> 東京大学教養学部卒、東京大学大学院総合文化研究科在籍。専門は物性理論(超伝導)。日本物理学会の「学生優秀発表賞」を受賞するなどの実績がある。一方で東大卒クイズ王・伊沢拓司が編集長を務めるWebメディア&YouTubeチャンネル「QuizKnock」のメンバーとしても活躍。YouTube動画では「ナイスガイの須貝」として人気を博す。“科学をより身近に楽しく”をモットーにした科学実験動画「QuizKnock Lab」のリーダーとして、企画・プロデュースに携わっている。