教育投資少なく「自力で勉強」求めず…日本の保護者の矛盾

 日本の保護者は、他国と比べ学校の授業に対する満足度が低いにも関わらず、収入に対する教育費の割合が少なく、「子どもたちがもっと勉強するために自分の力で学習すべきだ」と考える割合も低いことが、スプリックス基礎学力研究所の調査で明らかになった。

教育・受験 小学生
収入のうちの教育費の割合(平均)
  • 収入のうちの教育費の割合(平均)
  • 保護者が「基礎学力がなければ応用力を身に付けることができない」と考える割合
  • 保護者が考える、子どもの学校の授業について
  • 保護者が考える、今後子どもに受けさせたい教育
  • 日本の収入のうちの教育費の割合
  • 保護者が「子どもたちがもっと勉強するために自分の力で学習すべきだ」と考える割合
 日本の保護者は、他国と比べ学校の授業に対する満足度が低いにも関わらず、収入に対する教育費の割合が少なく、「子どもたちがもっと勉強するために自分の力で学習すべきだ」と考える割合も低いことが、スプリックス基礎学力研究所の調査で明らかになった。

 調査は2020年8月~9月、日本・アメリカ・中国・インド・イギリス・フランス・ポーランド・タイ・インドネシア・マレーシア・ミャンマーの11か国の6歳~15歳の子どもと保護者を各国1,000名ずつ、合計2万2,000名を対象にインターネットで実施した。なお、第1回調査では日本の10歳未満の基礎学力は11か国中9位であることがわかっている。

 今回「基礎学力がなければ応用力を身に付けることができない」と保護者が考えている割合を調査したところ、日本は91.8%となり、基礎学力テストで首位だった中国の88.0%より高く、11か国中トップだった。

 しかし基礎学力育成の中心となる学校の授業について調査したところ、日本の回答は「学校が提供する授業に満足」41.8%、「学校の授業についていっている」66.7%、「学校の授業で十分な学力がついている」30.3%。全項目で7割台後半以上である他国に比べ、いずれも11か国中最下位であり、学校教育に対する満足度において他国と大きく差が開いた。

 保護者が考える「今後子どもに受けさせたい教育」については、「教員から生徒への講義中心の教育」が、11か国全体の36.4%に対し日本は9.9%と少なく、「生徒ひとりひとりの学力に合わせた教育」が64.4%ともっとも多かった。「学習の到達度合いを評価しながら進める教育」も56.0%と多く、保護者の関心が、講義中心の受動的な教育よりも学習の個別最適化や評価にあることがわかる。

 一方、収入に対する教育費の割合は、日本は3.8%と11か国中最下位で、ミャンマー17.4%、中国14.0%などと比べて差があり、教育投資が少ないと考えられる。

 また、「子どもたちがもっと勉強するために必要なこと」の項目に対して「自分の力ですべきだ」と回答した保護者の割合は、首位のミャンマー91.9%をはじめ7割を超える他国に対し、日本は64.4%ともっとも低かった。

 スプリックス基礎学力研究所ではこれらの結果を踏まえ、日本の保護者は子どもの学習への関与や教育投資が少ないにも関わらず、自力で勉強すべきとも考えておらず、この矛盾をはらんた状態が基礎学力低下につながる恐れがあると指摘している。
《勝田綾》

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