世界トップティーチャーも共感、バイリンガル幼児園「KDI」が実践する英語教育

 KDI本部教務担当の住濱紗央希先生、ネイティブティーチャーとして教務を受け持つ Jakub Druszkiewicz先生、そして立命館小学校のICT教育部長であり、2019年グローバル・ティーチャー賞にてTOP10に選出された正頭英和先生の3方で鼎談を実施。KDIの魅力に迫る。

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左から紗央希先生、正頭先生、Jake先生
  • 左から紗央希先生、正頭先生、Jake先生
  • 立命館小学校 ICT教育部長 正頭英和先生
  • KDI教務担当のJake先生
  • KDI本部教務担当 住濱紗央希先生
  • 「幼稚園でここまでのキャリア教育ができるのは素晴らしい」(正頭先生)
  • KDIの教育方針はとても理にかなっていると語る正頭先生
  • KDI卒園後も英語の学びを続けるのが大事だというJake先生
  • 「KDIでの生活を通じて楽しいと思ったことが、小学校での学びにつながっていってくれたらいい」と紗央希先生
 バイリンガル教育を行う幼児園として今、首都圏や大阪で人気のKids Duo International(キッズデュオインターナショナル、以下KDI)は2021年春、埼玉県さいたま市に「武蔵浦和園」を開園。昨今ますます入園希望者が増え、2022年度には東京都国立市にも開園予定という。

 KDIの魅力とはいったい何だろうか。KDI本部で教務と先生の指導を担当するバイリンガル保育士の住濱紗央希先生(以下、紗央希先生)と、ネイティブティーチャーのJakub Druszkiewicz先生(以下、Jake先生)、そして英語学習におけるスタンスの共鳴から、過去にもKDIを訪問したことのある立命館小学校のICT教育部長であり、2019年グローバル・ティーチャー賞にてTOP10に選出された正頭英和先生を招き、鼎談(ていだん)を実施。KDIの教育方針や子供たちの生活について聞いた。

英語好きな子供に育つには



--日本の英語教育について、「課題」と感じている部分はありますか。

正頭先生:いくつかあると感じていますが、その1つに「受験」があると思います。受験は誰が秀でているかを明確に分けるためのふるいで、1点の差が重要になります。日本における入試では、とてもマニアックな問題が出題されていて、海外ならば英語ができると判断されるようなレベルの子でも、その入試問題を解けないがために「自分は英語ができない」と思い込んでしまう傾向にあります。これを僕は日本人の「英語ができるのハードルが高すぎる問題」ととらえているんです。

 英語のコミュニケーションでは、アピールしない人のところには、いつまでたっても発言の機会はやって来ません。発言の機会が少なければ、その分、英語を上達させる機会も失うことになります。だから、日本中が「これだけ英語がわかれば十分しゃべれる」という自信を手に入れて、みんなが率先して発言する機会を増やせば、結果的に英語力がもっと伸びていくのではないかと思うんです。

 また、こうした受験英語教育を体験してきた保護者の方が、英語に触れ始めたお子さんに接する際のマインドも大事ですよね。子供は耳や身体表現で言語を習得するもの。それを理解していないと、ついつい保護者は文法にこだわって「これは動詞でね」などと声をかけてしまう。しかしそうすることで子供は混乱するし、せっかく英語で話そうと思っていたのに委縮してしまいますよね。

立命館小学校 ICT教育部長 正頭英和先生
立命館小学校 ICT教育部長 正頭英和先生

Jake先生:日本人が「英語をできる」と考えるハードルが高いというのは、すごく感じています。日本の子供たちの英語の「勉強」のスタートは、世界と比べてそれほど遅くないけれど、英語に触れ始める時期は遅い。KDIでは、2歳児から英語に触れます。楽しむことを大事にしていて、そうした中で英語に触れて吸収していきます。だから英語を好きになる子が多い

 子供が英語を好きになるために、KDIでは歌や読み聞かせなど、全部で15のプログラムを用意しています。ゲームも取り入れ、楽しく学べる工夫をしています。リーディングやリスニングなどのインプットだけでなく、スピーキングやライティングなどのアウトプットの機会を設けています。

Jake先生
KDI教務担当のJake先生

正頭先生:英語学習のゴールは、学習するプロセスの中にこそあると考えています。Jake先生がおっしゃっていたゲームも、ゲームそのものの「楽しさ」の本質に迫っていくことで、副次的に英語が身に付いてくると僕は思っていて。学習のプロセスそのものを楽しむところにフォーカスすれば、子供たちのモチベーションも続くと思うんです。

 英語「を」学ぶ時代は終わっていて、今は英語「で」学ぶ時代です。大事なのは英語そのものではなく、それを使って学ぶ対象物です。たまたまその手段として英語を使用しているだけ。教育者は、そこをデザインする必要があると思います。

英語を使いたくなる状況をデザインする



正頭先生:僕が英語を教える中で大事にしているのは、「教えたいことを、先に伝えない」ということ。たとえば、ある文法表現を学ばせたいシーンでも、子供たちが「何か新しい文法項目を使わないとどうにも表現できない、だから先生教えて」と言ってくるような状況に追い込むんですね。文法表現を使うための状況を先にデザインするんです。

 僕は授業の中でマインクラフトを使用しているんですが、4人グループで1つの画面を見ながらゲームをし、コミュニケーションはすべて英語で行うという決まりで授業を進めています。最初は「This,this(これ、これ)」「No!(ちがう!)」程度しか言えないのですが、次第に子供たちがその英語だけでは意思疎通をするのにフラストレーションを感じるようになってくるんです。

 そうなったときに一時中断して、質問タイムをとる。すると、「ここにブロック置いて、って、英語でなんて言うの」というように子供から次々と質問が出てきます。そこでホワイトボードで解説すると、言いたい状況はみんな一緒だから子供たちは皆一生懸命メモを取るし、いつまでたってもその表現を覚えているんです。

 喉がからからに乾いた状況で水を飲んだら、とてもおいしく感じるのと同じですよね。「今日はこれを教えるぞ」という教師主導型の教え方ではなくて、「こういう状況を設定すればこんなことを知りたくなるんじゃないか」「こういう場面ならこういうことを英語で表現したくなるよね」という考え方で、子供たちの年間行事の中に英語を使用する状況を組み込むのが良いのではないかと思うんです。

 たとえば立命館小学校では、外国のお客さんを呼んできて京都市内の観光ガイドをするという6年生の行事があります。お寺の紹介をする際におそらく子供たちは、英語で「何年に建てられました」と説明したいはずです。と考えると、受動態の表現が必要になってくる。だからその時期に受動態を教えるんです。でも良く考えると、ガイドする前に、ネイティブの方に初めて挨拶をするシーンで「今までに京都に来たことありますか」と聞きたいかもしれません。となると、受動態よりも前に現在完了形の知識が必要になってきます。

 これらの文法は、一般の中学の教科書では逆の順で学ぶんです。だけど僕たちは子供たちの1年間の行事に当てはめてカリキュラムを作っているので、一般の小学校・中学校とは習う順序もちがいます。それだけ子供たちの「言いたい」という気持ちを大切にしているんです。

Jake先生:正頭先生のおっしゃる「英語を使用する状況を組み込む」という点は、KDIでも意識して行っています。ライフスキルの中に英語を組み入れているので、たとえば着替えのときも英語で指示をしています。そうすることで毎日英語に触れることができ、定着していくんです。イマージョン教育のいちばんのメリットは、丸1日生活していく中で必要となってくる身の回りの単語や文章にたくさん触れられることだと思うんです。

正頭先生:子供は、靴を脱いで教室に入るような場面で「Take off your shoes.(靴を脱いで)」と言われたときに、その音が聞こえたら靴を脱ぐものと思っていますよね。たとえ単語の意味は分からなくても、そのときの状況が言語の指すものの理解を助けることがあります。だからKDIのように、ライフスキルの中に英語を埋め込むというのは、すごく良いと思うんです。

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英語も日本語も身に付ける「バイリンガル教育」



--KDIのプログラムについて教えていただけますでしょうか。

Jake先生:KDIでは15のプログラムを提供しています。リスニングやスピーキングだけでなく、「英語4技能」をまんべんなく伸ばすための内容になっています。

紗央希先生:KDIのカリキュラムは、アメリカ版と英国版の教育指導要領をベースに作っています。ライティングのテキストは現地から取り寄せています。なかなか日本では手にすることのできないこのテキストは、現地で同じ年齢の子たちが使用しているものです。これもこだわりのひとつです。

KDI本部教務担当 住濱紗央希先生
KDI本部教務担当 住濱紗央希先生

正頭先生:僕が以前、KDI豊中園を訪問した際、英語の絵本より日本語の絵本がすごくたくさんあったのが印象的でよく覚えているんですが、武蔵浦和園も同じですか?

紗央希先生:はい。KDIはインターナショナルスクールではなく、バイリンガル幼児園なので、日本語と英語の両方の教育を意識しながら行っています。以前はインターナショナルスクールに通っていたけれど日本語が弱く、偏りを感じて転園してこられたご家庭もあるんです。

正頭先生:保護者の方がお子さまの日本語力を心配されておられるケースもあります。英語・日本語をバランス良く学ぶ、バイリンガル教育の必要性をあらためて感じます。

紗央希先生:ほかに特徴的なプログラムとしては、3歳児から行う「職業体験プログラム」があります。週1回50分ほどの時間で、英語でいろいろな職業をごっこ遊びのように体験するのですが、警察官、消防士、お医者さん、郵便屋さん、メカニックなど23個の職業を用意しています。衣装も準備してあり、その衣装を身に付けてロールプレイをするんです。警察官だったら先生が犯罪者役になって、手配書も作って、ミッションを与えて園の中を走り回って犯人を捕まえるところまで。

Jake先生:手配書を見せながら、「Have you seen?(見たことある?)」など、英語で言いながら犯人探しをするんですよ。

正頭先生:そこまでロールプレイするのはすごいですね!

紗央希先生:ストーリー性をもたせた内容で、捕まえて刑務所に入れて、「もうこんなことやっちゃいけないよ」と英語でお説教したり。ほかにも「Say sorry!(ごめんなさいって言って!)」「OK、You can go(行っていいよ)」などの言葉も出てきますね。

 年少・年中・年長で3回、同じ職業を体験します。年齢ごとに使う英語は変わっていくもので、積みあげることで表現の幅が広がっていくんです。ただ職業を体験すれば良いのではなく、その職業を通して単語を増やしたり、必要なフレーズに触れたりして覚えることが大事だと考えています。先ほど正頭先生がおっしゃっていた、学びたい状況に追い込まれて学んでいくという環境を作っているんです。

正頭先生:まさに。そしてキャリア教育としても良いなと思いますね。文部科学省でもキャリア教育に力を入れる方針をとっています。これからの未来を生きる子供たちにとっては、すごく重要な学びだと思います。

 世の中の職業は3万種もあるといわれていますが、子供に知っている仕事を聞くとせいぜい20種くらいしかあがらない。就学前に少しでも多くの職業に触れる体験を提供しているのは素晴らしいですね。

「幼稚園でここまでのキャリア教育ができるのは素晴らしい」(正頭先生)
「幼稚園でここまでのキャリア教育ができるのは素晴らしい」(正頭先生)

Jake先生:職業体験は英語のためだけのアクティビティではありません。正頭先生も子供からは20種くらいの職業名しかあがってこないとおっしゃっていましたが、実際に入園してすぐの子供たちに将来の夢を聞くと、プリンセスだとかサッカー選手という答えばかり返ってくる。その他の仕事も、子供たちに知ってほしいと思っています。

 世の中にはこんな仕事がありますよ、この仕事は社会にこういう風に役に立ちますよということを分かってほしい。そして仕事をすることで、みんなお金をもらっているということを理解してほしい。だからこの職業体験プログラムでは、働くときちんと「お金」をもらえる仕組みになっています。

紗央希先生:お給料が支払われるシステムで、年に2回、20ドルをもらえるんです。園児たちは、それを使って「KDIストア」でお買い物ごっこをするんです。KDIストアには本物の品物があって、値段も書かれています。これは買える、これはお金が足りない、じゃあどうするかと考えるんです。貯金もできます。

正頭先生:公教育でもぜひやってほしい内容ですね。何か仕事をしたらお金をもらえる、そのお金をどう使うか考えるというのは当然のアクションで、それを子供たちが楽しみながらやるという環境は、素晴らしいと思います。

 子供たちは、これから成長し大人になっていく中で、「やりたいことがあるのにお金の問題でそれが達成できない」という壁にぶつかるときがいずれ来ると思うんです。だから、きちんとお金の問題をクリアできるよう、知識を身に付けさせることは大人の責任だと感じます。

正頭先生がKDIに共感する3つのポイント



--正頭先生にお聞きします。KDIの教育で共感したポイントというのはありますか。

正頭先生:共感のポイントは、おもに3つあります。まず1つ目は、英語を教えることをゴールにしていないことはすごく素敵ですよね。あくまで英語はコミュニケーションの手段であって、職業体験をはじめとした15のプログラムを通じて、さまざまなスキルを身に付けられるのは魅力的に感じます。

 2つ目はバイリンガル教育を行う園として、日本語教育を軽視していない点。これは英語を教えることをゴールにしていないからこそのスタンスといえるでしょう。日本語の絵本がたくさんあったことが印象的だったと先に話しましたが、感性を育てていこうとしたとき、日本語の表現の豊かさはとても素晴らしいものだと考えています。

 たとえば日本語と英語の違いとして、形容詞の量があげられます。日本語のほうがたくさんあるんです。日常の会話の中で何気なく使っている表現にも、明文化されていないけれどニュアンスが違うというものは確実にあって、繊細な表現が日本語には多い。ですから日本語の独特の表現は、子供のうちに触れてもらいたいですね。

 3つ目は、園生活全体を通して、子供たちが英語を話したくなるような状況を埋め込んでいる点。これは子供が英語を身に付けるうえで、とても理にかなっていると思います。

KDIの教育方針はとても理にかなっていると語る正頭先生
KDIの教育方針はとても理にかなっていると語る正頭先生

紗央希先生:英語・日本語、どちらの言語も同等に操れるのが「バイリンガル」です。

 以前、ある卒園児が進学した小学校の先生に、「KDIの子は上履きという言葉を知りません」と指摘されたことがありました。KDIではindoor shoes、inside shoesと言っていたため、知らなかったんですね。それじゃまずいなと思い、その後の生活で必要な言葉については子供たちに両方の言語で何というか教えるようにしています。

正頭先生:常に英語と日本語で指示をしているんですか。

紗央希先生:入園したての子はまだ英語に慣れていない子が多いので、最初は英語と日本語です。園生活で使う言葉というのは毎日ほぼ決まっているので、慣れてきたら英語の割合を増やすようにして、4年間で徐々に触れる量を増やしていきます

正頭先生:KDIで学んだことをどのように生かしてほしいとお考えですか。

Jake先生:子供たちがどういった学校に進学するかにもよりますが、公立小学校では地域によって小学3年生まで英語に触れる機会がなくなってしまうこともあります。できるだけ、自宅でも英語に触れ続けてほしいですね。アニメや映画を観るというのでも良いので、学校外での英語の学びを続けてほしいですね。

KDI卒園後も英語の学びを続けるのが大事だというJake先生
KDI卒園後も英語の学びを続けるのが大事だというJake先生

紗央希先生:KDIでは、運動や知育の時間もあります。英語のほかにもいろいろなプログラムがあって、4年間の中で、自分の好きなもの、得意なものを見つけてほしいというのが園のコンセプトです。KDIでの生活を通じて楽しいと思ったことが、小学校での学びにつながっていってくれたら良いなと思っています。

 また、KDI出身のお子さまは、小学校に進学してから何かにチャレンジしたいからと、自ら英検を選んで受けている子もいると聞いています。自分でもっと学びたいと思って何かにチャレンジする、これがベストだと思いますね。

「KDIでの生活を通じて楽しいと思ったことが、小学校での学びにつながっていってくれたらいい」と紗央希先生
「KDIでの生活を通じて楽しいと思ったことが、小学校での学びにつながっていってくれたらいい」と紗央希先生

正頭先生:僕は常日頃から「負けず嫌いになってはいけない」と子供たちによく言っているんです。その理由は、負けず嫌いの究極は、挑戦をしないことなので。挑戦しなければ、負けることも失敗することもないですからね。日本では、負けたくないから挑戦しないという子供が多すぎると思うんです。

 負けず嫌いの子は、本気を出して負ける姿を他人に見せたくないし、本気を出して負ける自分を認めたくないんですよね。これは、結果を評価しすぎる大人に責任があるのかもしれない……と考えています。だから僕は、子供が何かにチャレンジしたら、徹底的に「過程」を褒めるんです。そのほうが結果的に子供も幸せだし、保護者も幸せになるんじゃないかなと思います。

--皆さま、本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。

 子供たちの知的好奇心を刺激しチャレンジ精神を育むKDIの教育が目指すのは、英語や日本語といった言語習得だけでは決してない。在園中に身に付けた数々のスキルは、これからの世の中を生き抜く子供たちにとって、大いなる財産になるに違いない。

 なお、入園説明会ではより詳しくKDIについて案内され、子育てに役立つ情報も発信されるという。まずは一度参加してみてはいかがだろうか。

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《鶴田雅美》

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