明治ら、子供の窒息事故のメカニズム解明

 明治と武蔵野赤十字病院は子供の誤嚥や窒息事故のメカニズム解明に嚥下シミュレータSwallow Visionを活用して、子供が豆を口に入れて走った場合の誤嚥シミュレーションを実施した。子供の窒息事故予防への貢献を目指す。

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豆一粒が気管内に侵入するシミュレーション
  • 豆一粒が気管内に侵入するシミュレーション
  • 豆の破片が気管内に侵入するシミュレーション
  • 豆を口に入れて走る行動をした場合のシミュレーション
  • 豆を口に入れて転がる行動をした場合のシミュレーション

 明治と武蔵野赤十字病院は子供の誤嚥や窒息事故のメカニズム解明に嚥下シミュレータSwallow Visionを活用して、子供が豆を口に入れて走った場合の誤嚥シミュレーションを実施した。子供の窒息事故予防への貢献を目指す。

 明治は、消費者庁消費者安全課から委託され武蔵野赤十字病院と共同実施した子供の気道閉塞シミュレーション結果を、2021年8月19~21日に開催された「第26・27回 合同学術大会 日本摂食嚥下リハビリテーション学会」で発表した。

 2020年に明治と武蔵野赤十字病院は消費者庁消費者安全課から「嚥下シミュレータを使用した子供の気道閉塞シミュレーションおよびイメージ動画の制作業務」を共同受託し、食品による気道異物がどうして起きるのかを保護者や教育・保育従事者にわかりやすく伝えるための気道閉塞シミュレーションを実施した。

 Swallow Visionは、明治と武蔵野赤十字病院が共同開発した4次元嚥下コンピューターシミュレーションシステム。通常見ることができない飲み込む時の身体の動きと食品の流れを、コンピューター上でリアリティのある画像として見られ、仮想の実験(コンピューターシミュレーション)ができる。

  シミュレーションは、4歳児の口腔から気管支までの形状と運動をコンピューター上で再現した「生体モデル」と、節分豆の形状と物性をコンピューター上で再現した「食品モデル」を組み合わせて実施。加えて、食品を口に入れた状態で他の行動を起こした場合のシミュレーションを行うために、モーションキャプチャを用いた動作の計測を行い、走ることによる加速度、および床を転がることによる重力方向の変化をシミュレーションに導入した。

 シミュレーション結果は豆一粒および破片が気管内に侵入、いずれも右気管内を閉塞、豆を口に含んで走る、転がる行動をする場合でも気道閉塞が発生した。豆一粒でも破片でも気管に入った場合、誤嚥や窒息事故が起こりうることがわかった。

《大田芳恵》

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