学情は2021年11月24日、2023年卒学生(2023年卒業予定の大学3年生、大学院1年生8,249人)対象の「就職人気企業ランキング」を発表した。ランキングトップは4年連続で伊藤忠商事。2位に講談社、3位に集英社が続く。 コロナ禍で売上、利益が下降する企業が続出する中、伊藤忠商事は、情報・金融部門が好調で、純利益で5年ぶりに商社首位に返り咲きしたことがニュースにもなった企業。4年連続総合トップは、2016年~2019年卒ランキングで1位となったANA以来2社目。 2位と3位には出版社がランクインし、漫画・アニメブームにとともに、ビジネスのデジタル化が進んでいることが人気の要因となった。出版社は、12位にKADOKAWA、43位に小学館がランクイン。電子書籍市場はコミックが9割以上を占め、漫画コンテンツをはじめとする電子書籍が好調であることから、漫画に強い出版社が「出版不況」から抜け出したことが伺える。 食品メーカーも例年通り人気は根強く、トップ10にはアサヒ飲料、味の素、ロッテがランクイン。また、トップ50には11社が入り、業界別では最多の結果となった。巣ごもり需要で昨年順位を伸ばしたイオングループも順位が1つ上昇した。 一方、ANA、JAL、JTBグループ等、航空、旅行業界は順位が下がり、2016年~2019年卒ランキングで1位となったANAは121位(前年79位)となった。緊急事態宣言の発出等により、海外からの人の流れや、都道府県をまたぐ移動の制限が大きく影響したと言える。 一方、自宅から1~2時間の距離で旅行ができるマイクロツーリズムを打ち出した星野リゾート・マネジメント(21位)をはじめとするホテル業界は全体的に順位を伸ばす結果となった。ホテル業界はコロナ禍でも採用を継続する企業も多く、航空、旅行部門の仕事を希望する学生の受け皿となっている。 100位以内には東京都、福岡県、大阪府、神奈川県といった地方自治体も多くランクイン。コロナ禍で自治体の仕事に関心を持つ学生が増加したと考えられる。◆2023年卒学生対象「就職人気企業ランキング」1位「伊藤忠商事」2位「講談社」3位「集英社」4位「アサヒ飲料」5位「任天堂」6位「味の素」7位「大日本印刷(DNP)」8位「ロッテ」9位「イオングループ」10位「資生堂」