【2023年度入学】後悔しない「ラン活」のための7つのポイント＆厳選ランドセル20選

　小学生が6年間使うランドセルは、最後まで快適に使えるよう後悔のない品を選びたい。ランドセルのメーカーは数多く、「天使のはね」でお馴染みのセイバン、「フィットちゃん」のハシモトや工房系と言われる萬勇鞄、池田屋、中村鞄製作所、羽倉などが有名。ランドセルはデザインや色のバリエーションも多彩で、素材もコードバンや牛皮、クラリーノ、ナイロンなどに分かれる。価格帯も1万円台から10万円を超えるものまでさまざまだ。

　そこで本記事では、ランドセル選びに役立つ、素材・色・軽さ・価格・ブランドなど7つのポイントと、編集部お勧めランドセル20選をご紹介する。

「ラン活」シーズンは5～8月、アウトレット品や型落ち品にも注目

　ランドセルの購入時期は近年前倒し傾向にあり、人気商品やこだわりの商品を手に入れたいのであれば売りきれる前に早めに「ラン活」に動きたい。大手メーカーのセイバンによると、 例年ゴールデンウィークやお盆の時期に購入が増えるが、2021年4月入学のランドセル購入時期の動向を見ると、新型コロナウイルス感染症の影響でピークは2020年6月から7月になっている。

　とはいえ、8月時点ではすでに8割近くの家庭がランドセル購入を済ませていたとのデータもある。一方で 、コロナの感染状況が落ち着きつつあり、2023年4月入学のランドセル購入時期のピークは5月、8月に戻りそうだ。ランドセルをお得に購入したいのであれば、「早割」が適用される早期購入やアウトレット品、型落ち品の購入もお勧めしたい。

ランドセル選び「押さえておきたい7つのポイント」

【１】ランドセルの「素材」3種の耐久性や機能

　ランドセルの耐久性や重さに直結するのが素材。まずは、代表的な3つの素材の特徴をチェックしたい。

◆耐久力重視なら「コードバン」

　「革の王様」「革のダイヤモンド」と称される「コードバン」。農耕馬の臀部の革であり、馬1頭につきランドセルのかぶせ1～2枚分しか取れない稀少な革であることが、ランドセル素材の中でも最高品質だと言われる所以。その強度は牛革の3～5倍で、耐久性において最も優れていると言われている。衝撃に強く傷が付きにくいが、希少価値ゆえに価格が高く、重量感のあるものが多い。

◆耐久性が高く、使い込むほどに味わいの出る「牛革」

　牛革は、革が硬いためランドセルとしての耐久性は高く型崩れに強いが、子供の体に馴染むまでに少々時間がかかる。コードバンや人工皮革に比べると傷がついても目立ちにくいのが特徴。重量は馬革であるコードバンに比べるとやや軽い。価格は、コードバンよりも手頃でクラリーノなどの人工皮革よりは高価な中間に位置する。

◆人工皮革「クラリーノ」「コードレ」「タフガード」「アンジュエール」

　現在のランドセルの主流である素材が「人工皮革」。その特徴は、本革のデメリットである重さ、水に弱い点を克服したことにある。水にぬれても軽く拭き取るだけで、もとの状態に戻るので手入れが簡単。牛革やコードバンなどの天然皮革に比べて軽量で耐水性が高く、生産が安定しているため安価。また、染色のしやすさからカラーバリエーションやデザインが豊富な点も魅力。

◆軽量でリーズナブルな布製「ナイロン」「綿帆布」

　近年は、軽量、リーズナブルでデザインも豊富な布製のランドセルにも注目が集まっている。革製のものは重さが1～1.5kg程度であるのに対して布製は1kg以下のものが多く、中には600g台の商品も見られる。価格も天然皮革や人工皮革より安価で1万円を切る商品もある。耐久性では前者に劣るものの、低価格で買い替えも容易なのが特徴だ。老舗の綿帆布店や高級価格帯にはPORTERでお馴染みの吉田カバンなどのバッグブランドも参入しており、デザインが豊富であることも魅力の1つだと言える。

【２】ランドセルの「軽さ」のポイントは「体感重量」

　小学生がランドセルに入れる教科書の平均的な重さは4.7kg（全小学生平均）、小学1年生でも3.6kgにもなる。さらに、一般的なランドセルの重さは、素材別にみるとコードバンが1.3～1.5kg、牛革が1.2～1.4kg、人工皮革が1.0～1.2kgで、人工皮革以外はそれほど違いがない。

　一方で、ランドセルの重さゆえに子供が心身の不調をきたしてしまう現象は「ランドセル症候群」と呼ばれ、近年問題視されている。子供が健康的に背負える重さは、子供本人の体重の10～20％を超えない範囲とされている。小学1年生の平均体重が21kgであることを考えると、教科書の重さだけで体重の10％をオーバーしてしまうのが実状だ。

　体の小さい子供の場合には1.2kg前後でマチ幅が広めのものを選ぶと背負いやすく感じられるが、反対にマチ幅が広すぎるとランドセルの重心が体から離れてしまい体が振られやすくなるので気を付けたい。

　各ランドセルメーカーは軽さに特化したモデルを開発しているが、実は、ランドセルの使いやすさは重さの数字よりも実際に背負った際の「体感重量」がポイントとなる。この「体感重量」を軽くするうえで重要なのが体へのフィット感。背中に密着することで、腰や肩だけでなく体全体に重さが分散され、負担が軽減される仕組みだ。

　背中にフィットするランドセルは体への負担が軽く、肩こりや腰痛を起こしにくいと言われている。そのフィット感に大きく影響するパーツが肩ベルトだ。肩ベルトの根本が立ち上がっていると背中にフィットしやすく、小学校1年生の女子でも無理なく背負える。肩ベルトの立ち上がりに加えて、体の成長に合わせられる肩ベルトの調節幅を確認することも重要だ。

【３】ランドセルの「サイズ」GIGAスクール端末を収納できる大きさとは

　以前のランドセルに比べ、最近のランドセルのサイズはひと回り大きくなっている。現在展開されているランドセルのサイズは、小さい順に「A4教科書サイズ」「A4クリアファイルサイズ」「A4フラットファイルサイズ」の3つ。これまで最も購入されているのは「A4クリアファイルサイズ」だが、お勧めは「A4フラットファイルサイズ」。

　2020年から始まった文部科学省が提唱する教育プログラム「GIGAスクール構想」に加えて、コロナ禍におけるオンライン授業の拡大によりタブレット学習が本格化し、タブレット端末を自宅に持ち帰るシチュエーションが増えてきている。

　GIGAスクール構想で導入されるOSは「Windows・Chrome OS・iPadOS」の3つ。全国の小学校で多く導入されている標準仕様タイプのChromebookは11.6インチ、iPadは10.2インチだ。タブレットやノートパソコンのサイズを示すインチは画面の対角線の長さを示しており、11.6インチの画面の対角線の長さは約29.5cm、横縦比が16:9の場合には画面の横の長さは約25.6cm、縦の長さは約14.4cmとなる。

　「ASUS Chromebook C223NA」を1つの例にサイズを確認すると、デバイス自体の大きさは横28.6cm×縦17.25cm×奥行き19.9cm。つまりGIGAスクール端末の標準仕様サイズは、A4サイズ（29.7cm×21cm）よりやや小さいことになる。したがって、A4サイズよりも少し大きい「A4フラットファイルサイズ」のランドセルであればGIGAスクール端末も余裕をもって、問題なく収まるということになる。

　また、このような「A4フラットファイルサイズ」のランドセルにすっきりと収納できる、持ち手付きのタブレットケースが付属しているものも多数販売されている。セイバンからはタブレット収納をプラスした直営店・公式オンラインストア限定モデル「モデルロイヤル クラシック」も登場している。クッション性のあるタブレットケースはマグネットで着脱も可能で電源コードなどを入れられる前ポケット付き。重たくなるタブレットケースを背中側に固定できるので体への負担も分散される設計だ。

【４】ランドセルの「価格」安く抑えるなら型落ち、アウトレットが狙い目

　布製や人工皮革のランドセルの中には1万円を切るものがある一方で、工房系などのこだわりのランドセルの中には10万円以上するものもある。日本鞄協会ランドセル工業会が実施した「ランドセル購入に関する調査2021年」によると、購入者の最多価格帯は6万5,000円以上で全体の約28%となっており、次いで約25％を占めるのが5万5,000～6万4,999円の価格帯。購入金額の平均は5万5,339円。平均金額は2020年より1,739円上昇している。人気の価格帯を狙うなら5万円～6万円、差をつけたいなら6万円～7万円台になると言えそうだ。

　人気の最新商品を購入したいのであれば、各メーカーの新作発表がある3～4月から「ラン活」を始めたい。まずカタログを請求し、あらかじめチェックしてから百貨店や量販店で開催されるお披露目展示会で目星をつけるのがお勧め。6月には先行予約が開始され予約が埋まっていくので、機能性の高い人気商品・限定モデルなどはこのタイミングでの予約が必須。前述の通り、購入のピークはお盆の時期になり10月～11月にはほぼ完売になることが予想される。

　価格重視なら2021年度入学向けの売れ残り商品が値引き販売される12月～3月の購入がお勧めだ。年末セールや初売りを狙うと費用を安く抑えられる。また、時期を問わず安い商品を購入したいのであれば、型落ち品、展示品などが狙い目。メーカー公式オンラインショップのアウトレットセールにおいては最大60％オフのものも見つけられる。

【５】ランドセルの「ブランド」百貨店からスポーツブランドまで

　ランドセルは、百貨店系、流通系、工房系、大手メーカーのブランドのほか、アパレルブランドやスポーツブランドのものまで幅広く展開されている。一部を紹介すると、百貨店系の代表と言えるのが「小田急ランドセル」「髙島屋のランドセル」「三越伊勢丹のランドセル」「大丸・松坂屋のランドセル」。流通系ではイオン、イトーヨーカドーのほかニトリも参入している。工房系は、鞄工房山本、カバンのフジタ、土屋鞄、萬勇鞄、ランドセルの羽倉、池田屋、中村鞄製作所、ランドセル工房生田、KAZAMAなどが知られている。

　大手ランドセルメーカーには「天使のはね」のセイバン、「フィットちゃん」のハシモトBaggage、「ふわりぃ」の協和などに加えて、「リリコ」「ニノニナ」等の新興ランドセルブランドもある。アパレル系には、キッズファッションブランドのmezzo piano、miki HOUSE、pom ponetteがあるほかに大人ブランドのKate Spade、PRIVATE LABELなどもある。スポーツブランドはNIKE、adidas、PUMA、Converse等がある。

【６】ランドセルの「色」気になる2022年の人気色は？

　ランドセルの色は、定番色の黒、赤はもちろん紺、青、茶色、緑から紫、ピンク、クリーム、水色等のパステル系までバリエーションは豊富。ベースの色にアクセントカラーを取り入れたものもあるので、子供の個性にあわせて選ぶも良し、人気色を選ぶも良し。

　そこで気になるのが2022年の人気色だ。くらしのいいもの研究所が2021年に実施したインターネット調査で、男子と女子の人気カラーを確認してみよう。

◆女子のランドセル人気カラー

　女子が持っているランドセルの色は、ピンクが約25％で1位、次いで2割程がパープル系、以下、レッド系、ブラウン系、水色系となっているが数値的にはそれほど大きな差は見られない。

◆男子のランドセル人気カラー

　男子が持っているランドセルの色は、黒が55％以上を占め圧倒的な1位、2位のネイビー（紺）系は18%、3位のブルー（青）系が8%、4位にブラウン（茶）・キャメル系の6%と続く。

　女子は好きな色を自由に選んでおり、男子は汚れても目立ちにくいという理由から黒を選ぶ傾向にあるようだ。

◆2022年ランドセル、男子・女子別の注目カラーは？

　2022年の注目は、女子の場合はブラウンやネイビーなどの濃い色味。近年、女子向けのダークカラーは人気色として新たに定着しつつあり、セイバンの「天使のはね」にもブラック、ダークネイビー、ダークグレーの3色のみをラインナップした2022年度の新シリーズ「モデルロイヤル・レジオ クールビューティー」が登場している。

　男子の場合は、ベーシックな黒でも差別化を図れるアクセントカラーが入ったものが人気。縁取りやステッチ、刺繍などの細部に差し色を取り入れているメーカーは多いが、特に注目したいのが背当てに白以外の色を配したランドセル。

　背当てまで黒のオールブラックなら鞄工房山本の「レイブラック・ノイ」や萬勇鞄の「アーデルナイト」、明るいカラーなら土屋鞄の「ベーシックカラープラス」、カバンのフジタの「アンシェル」などさまざまなモデルが登場している。

【７】ランドセルの「保証内容」6年間保証でも内容は異なる

　ランドセルは途中で壊れた際にも困らないよう「6年間保証」が付いているものを選ぶのが基本。ほとんどのランドセルメーカーが「6年間保証」を付けているが、その内容は各社ごとに異なっているので注意したい。

　最近のランドセルの「保証内容」は、6年間無料で修理を受けられるケースがほとんどだが、無料修理の範囲や修理時の往復の送料負担など、保証内容に違いが出る。中には、修理中は代替ランドセルを無料で貸し出してくれるサービスなどもある。

　2020年モデルまでは、破損の理由を問わず無料修理を行っているのは池田屋だけだったが、2021年モデルからこの流れに追随するメーカーが登場。土屋鞄製造所、ランドセル工房生田、鞄工房山本、羽倉などが「完全無料保証」を開始している。

　こうしたメーカー独自の6年間保証のほかに、日本ランドセル工業会による認定証が付いているかどうかもポイントだ。この認定証は、ランドセル工業会の規格に合致する日本国内で作られたランドセルのみに付けられている。

　作り手側の主観による保証ではなく、第三者の客観的な評価であることから安心のひとつの判断基準になる。メーカー保証がはっきりとしない場合でも、この認定証が付いていれば6年間の保証が受けられる。

まだ間に合う、編集部お勧め「2022年度モデル」のランドセル20選

　ここからは、日本最大級の教育情報サイト「リセマム」編集部が独自の視点で厳選したランドセル20選をご紹介。いずれも2022年モデルにつき、残りわずかなものもあるので、早めの購入がお勧めだ。

1. ふわりぃ 2022 グランコンパクト 女の子（協和）

2. 天使のはね モデルロイヤル ドラグーン（セイバン）

3. フィットちゃんランドセル グランナイトDX 安ピカッ＋楽ッションタイプ （FIT-226AZR）（ハシモトBaggage）

4. ふわりぃ 2022 ロイヤルコレクション（協和）

5. ふわりぃ 2022 スーパーフラッシュ 女の子（協和）

6. HAKURAランドセル 耐性牛革スタンダード（羽倉）

7. フィットちゃんランドセル グッドボーイDX 安ピカッ＋楽ッションタイプ（FIT-233AZR）（ハシモトBaggage）

8. 天使のはね モデルロイヤル クリスタル（セイバン）

9. ウエスタンスタイル ロデオ ランドセル 2022年モデル（LIRICO）

10. HAKURAランドセル はねかる（羽倉）

11. 池田屋ランドセル No.59 マットクラリーノ カラーコンビ（池田屋）

12. ふわりぃ 2022 ジュエルスタイル（協和）

13. 池田屋ランドセル No.51 ツヤ消しクラリーノ シンプルステッチ（池田屋）

14. アーデルナイト 人工皮革（シボ）（萬勇鞄）

15. 中村鞄 No.6 牛革ボルサ パステルクラシック ランドセル（中村鞄製作所）

16. ふわりぃ 2022 タフスタイル（協和）

17. アンドベーシック パール（Nino Y Nina）

18. フィットちゃんランドセル プティガールDX 安ピカッ+楽ッションタイプ （FIT-229AZR）（ハシモトBaggage）

19. HAKURAランドセル 耐性牛革ウイングチップ（羽倉）

20. ノブレス 牛革（萬勇鞄）