学情は2021年12月22日、2023年に卒業する学生対象の「就職人気企業ランキング」を文理別に比較して公表した。文系のトップは伊藤忠商事、2位に講談社が入り、トップ30社のうち8社が「マスコミ」となった。理系は、1位の味の素を筆頭に「食品」が30社中14社を占めた。 調査は、2023年3月卒業予定の全国大学3年生、大学院1年生8,249人を対象に、インターネットを利用して2021年4月1日~10月31日に実施した。回答は最大5社を選ぶ選択式。 文系のトップは、伊藤忠商事がランクイン。2位に講談社、3位に集英社が入り、トップ30社のうち8社が「マスコミ」となった。前年の5社から3社増加し、「マスコミ」人気が高まっていることがわかる。特に「出版」等、「自宅で楽しめるエンタメ」が順位を伸ばしている。 また、4位のアサヒ飲料、10位の味の素等の「食品」や、5位の任天堂、7位のイオングループ、11位のニトリ等、「おうち時間」の充実を支える企業も人気を集めている。一方、15位の星野リゾート・マネジメント、16位のJTBグループ、20位のオリエンタルランド等の「旅行・レジャー」も一定の票を集めた。アフターコロナを見据えた採用再開や採用拡大を期待する学生の思いが表れているという。 理系のトップは味の素。3位アサヒ飲料、4位ロッテ、5位キューピー等、「食品」がトップ10に6社入った。30位以内でも14社が「食品」となっており、人気の高さがうかがえる。また、複数の企業がランクインした業界は6位に資生堂が入った「医薬品・化粧品・日用品」と、12位にアマゾンジャパンが入った「IT・ソフトウェア・インターネット」だった。コロナ禍で衛生意識がさらに高まったことや、デジタル化が急速に進んだことも影響したと考えられる。 理系学生は「ジョブ型」を好む傾向も明らかになった。トップ10に入った企業はすべて「R&D」や「データアナリスト」といった「職種別」の採用を実施している。研究や開発等、配属領域が明確な企業で、理系としての知識や研究内容を生かして仕事をしたいという意向がうかがえる。◆文理別「就職人気企業ランキング」トップ10【文系】1位 伊藤忠商事2位 講談社3位 集英社4位 アサヒ飲料5位 任天堂6位 大日本印刷7位 イオングループ8位 ソニーミュージックグループ9位 KADOKAWA10位 味の素【理系】1位 味の素2位 旭化成3位 アサヒ飲料4位 ロッテ5位 キューピー6位 資生堂7位 森永製菓8位 任天堂9位 雪印メグミルク10位 花王