【高校受験2022】京都府公立前期<西京高等学校 エンタープライジング科>講評

 2022年2月16日(水)、令和4年度(2022年度)京都府公立高等学校入学者選抜について、前期選抜が実施された。リセマムでは、京進の協力を得て、西京高等学校(エンタープライジング科)の学力検査講評を速報する。

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【高校受験2022】京都府公立前期<西京高等学校 エンタープライジング科>講評
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 2022年2月16日(水)、令和4年度(2022年度)京都府公立高等学校入学者選抜について、前期選抜が実施された。全日制は前期選抜募集定員5,148人に対し、1万801人が出願。出願倍率は2.10倍となった。

 リセマムでは、京進の協力を得て、西京高等学校(エンタープライジング科)の学力検査講評を速報する。この他、堀川高等学校(探究学科群)、嵯峨野高等学校(京都こすもす科)についても、同様に掲載する。

西京高等学校(エンタープライジング科)
講評 (京進 提供)



英語


大問1 長文読解(会話文・説明文) 〔やや難〕
大問2 長文読解(説明文) 〔やや難〕
リスニング
A ディクテーション(1回読み) 〔標準〕
B 英文を聞き、質問の答えとして適当なものを選ぶ問題(記号・2回読み) 〔標準〕
C 会話と資料(1回読み) 〔標準〕
D 会話と資料(2回読み) 〔標準〕

 筆記は例年通り大問2題構成。大問1の長文は、あるテーマについて意見を交わす「会話」と2つの「記事」と「資料」で構成。設問難度は標準であるものの,本文・設問を含めると読む量がかなり多いため難度は高めであった。大問2は「コミュニケーションと技術の発達」という内容の説明文。並べかえ問題と内容を80字以上90字以下の日本語でまとめる問題の難度がやや高かった。リスニング問題の構成には大きな変化はなかった。全体を通して情報量が多い試験のため、普段から長めの英文を読む練習が必要。

数学


大問1 小問集合 〔標準〕
大問2 関数 〔標準〕
大問3 場合の数 〔やや難〕
大問4 空間図形 〔やや難〕
大問5 整数問題 〔標準〕
大問6 文字式の利用 〔標準〕

 大問6題。問題量や計算量は昨年から大きな変化はなく、幅広い分野からバランス良く出題されている。極端な難問はないが易しい問題も少ないため、一定水準以上の学力が要求される。大問1は典型的な標準レベルの問題で、学習の成果が問われる。大問2の関数は解法パターンの決まっている放物線と四角形の問題であり、確実に得点したい。大問3の場合の数は重複なく・もれなく数え上げることに注意し、実際に手を動かして求めることが必要。大問4の空間図形も定番の問題。(3)は必要な平面を取り出して考える。大問5は頻出の整数問題だが、今年は比較的取り組みやすくなっている。大問6(2)の記述は前問を利用する。ふだんから丁寧に解答の導出過程を記述することを心がけることが大切。近年は複雑な設定の問題は少なく、基本的内容をしっかり理解していれば得点できる構成になっている。

国語


大問一 論説文 『「利他」とは何か』伊藤亜紗編 所収 中島岳志 〔標準〕
大問二 古文  『風姿花伝』世阿弥 〔標準〕

 現代文、古文の大問二題構成。素材文の分量、漢字の選択肢形式での出題は例年通り。会話文形式の設問はなくなり、記述問題がやや増加した。現代文は「利他」について述べられた文章で、内容は比較的読み取りやすかった。記述問題は字数が50字、60字、70字のものが1問ずつ。設問の条件の確認や、指示語内容の確認など基本的な解法を大切にしたい。古文では、40字、55字の記述問題が1問ずつ。会話文や主語判定などの基本的な問題ではなく内容理解の問題が多かったが、設問や注釈を頼りに本文を読み進めることができる。現代文・古文ともに、どの記述問題も部分点はとりたい。

理科


大問1A 物理 電流と磁界、熱量 〔標準〕
大問1B 物理 回路と電力 〔標準〕
大問1C 物理 浮力 〔やや難〕
大問1D 物理 作用・反作用 〔標準〕
大問1E 物理 音 〔標準〕
大問2A 化学 原子のつくり、中和 〔やや難〕
大問2B 化学 水素貯蔵合金 〔やや難〕
大問3A 地学 地層の重なり 〔標準〕
大問3B 生物 生態系、有性生殖 〔標準〕
大問3C 生物 花芽の形成条件 〔やや難〕

 物理、化学内容の割合がやや大きい。記述解答の問題は2問と例年並みである。計算問題の割合は昨年度よりも減少しているが、大問2Bの合金の割合から鉄とチタンの質量比を求める問題や大問3Aの初期微動継続時間から震源距離を求める問題のように、与えられた条件を文字式で処理しなければならず、抽象的な思考力が求められるようになった。生物や地学においても単純な知識で解答できる問題は少なく、思考力を要する問題が多い。全体の小問数が多いため、手際よく問題文から情報を取り出し、計算を実行していく必要がある。

社会


大問1 地理・公民融合 〔標準〕
大問2 地理・歴史融合 〔標準〕

 問題の構成は例年通り。大問1は、震災、障害のある子ども向けの玩具についての文章をリード文とした地理・公民の融合問題。幅広い知識が問われたが、基本的な知識で解くことができた。大問2はメディアの歴史についてのリード文を使った歴史分野中心の出題。資料や設問をきちんと読み取ればヒントとなる部分が多く、正答することができた。ただし、史料はその当時の文章が使われており、言葉遣いなども含め、読み取るのに時間がかかる。資料集などを確認し、分野を問わず資料・史料は確認をしておきたい。記述問題は60~80字、100字のものが1題ずつ。設問から条件を整理し、まとめる練習を積むとよいだろう。

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 このレポートは2022年2月16日(水)に、速報として京進により作成されたもの。

 京進は関西・愛知を中心に全国で学習塾、個別指導教室を展開している。最新の脳科学に基づくオリジナル学習法であるリーチングメソッドは、自ら学ぶ力を育む学習法として高い効果を上げている。

協力:京進
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