【小論文・作文】高校入試一般・推薦の作文の違いは?…夏休みに練習したい高得点を狙える文章の書き方

 高得点を狙える小論文・作文とは? 一般入試と推薦入試、それぞれの作文の違いとは? 受験指導専門家の西村創氏と石井知哉氏の共著書「改訂版 高校入試 塾で教わる 小論文・作文の書き方」より、高校入試に備えて練習しておきたい、小論文・作文のポイントを紹介。

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  • 意見文を書くのは簡単
  • 一般と推薦の特徴を知っておく
  • 小論文・作文を書くときのポイント
 夏休みの宿題の定番である「読書感想文」。この読書感想文は文字通り「感想文」であるが、高校入試で課される小論文・作文は「意見文」。その中身が感想文になってしまうと点数はもらえない。

 「意見文」と言われると身構えてしまうかもしれないが、センスは不要でコツさえつかんでしまえば難しいものではないという。受験指導専門家の西村創氏と石井知哉氏の共著書「改訂版 高校入試 塾で教わる 小論文・作文の書き方」(KADOKAWA)より、高校入試で高得点を狙える小論文・作文のポイントを紹介する。

高校入試の小論文・作文は「意見文」 ~あなたの「意見」を伝える



意見文を書くのに、センスは必要ない。
意見文の書き方には「型」があることを知ろう。

「あなたはどのように考えるのか」を書く


 「文を作る」と書いて「作文」といいます。だからどんな種類でも、文章を書く行為は作文になるわけです。小説や論文のような長い文章はもちろん、手紙やレポートを書くのも作文です。メールやSNSの文章を打つのも、作文のうちに入ります。

 では、高校入試で課される小論文・作文では、どんな文章が求められているのでしょう。
それは「意見文」です。あなたの意見を文章で伝えてください、というのが入試小論文・作文です。

 「意見文」は、感想文ではありません。作文というと、夏休みの宿題の定番である読書感想文を連想する人が多いかもしれませんが、読書感想文は本を読んだ感想を述べるものです。高校入試の小論文・作文では意見を求められているので、感想文になってしまうと点数がもらえません。課題文や表やグラフ、決められた題などをもとに、あなたはどのように考えるのか、あなたの意見を書くのです。

 ですから、小論文・作文は「~だ」「~である」などと言い切りましょう。小論文・作文は「~と思う」と書く人が多いのですが、これは感想を述べるときの表現です。

意見文を書くのは簡単
意見文を書くのは簡単


「意見文」は難しくない



 意見文というと、難しそうに思えるかもしれません。しかし、高校入試で高得点をもらえる意見文を書くことは、評価される読書感想文を書くよりもずっと簡単です。

 うまい読書感想文を書くには文章センスが求められますが、入試小論文・作文、いわゆる意見文では、センスはあまり必要ありません。それよりも自分の意見をシンプルに主張し、その意見が正しいといえる根拠となる具体例を挙げることが求められます。

 そして、入試作文にはその書き方、すなわち「型」があります。その型を使いこなせるようになれば、作文で高得点が得られます。その型の使い方も、すこし練習を重ねれば慣れることができるでしょう。苦手意識をもたず、ぜひ積極的に取り組んでください。

一般入試と推薦入試 ~それぞれのちがいを把握しよう



高得点のポイントは、正しい日本語で書くということ。
推薦入試の作文では前向きな姿勢をアピールしよう。

一般と推薦の特徴を知っておく
一般と推薦の特徴を知っておく

一般入試の小論文・作文



 ほとんどの都道府県の一般入試では、国語の問題の一部に小論文・作文を出題しています。作文だけの独立した試験ではないので、制限時間内に読解問題や知識問題を解いたうえで、作文も書き上げることが求められます。ただ、だからこそ内容が表面的であってもミスのない日本語で書かれていれば高得点を得られるのが特徴です。配点は10点から15点程度、出題形式は大きく分けて次の3種類です。

(1)論説文の読解問題の一部として出題され、その文章をもとに意見を述べるもの
(2)与えられた表やグラフを読み取って、意見を述べるもの
(3)中学生たちがまとめたいくつかのレポートをもとに、意見を述べるもの

推薦入試の小論文・作文


 推薦入試の小論文・作文は書き手の考え方や価値観を知るために課されます。そのため、「この生徒にうちの学校に来てもらいたい」と採点者に思わせる必要があります。受験する学校のことをよく知ったうえで、自分の理想とする高校生活をどのように実現させるのか。その点を踏まえて文章を書くことができれば、合格が近づくでしょう。

一般入試小論文・作文と推薦入試小論文・作文を書くときのポイント



一般入試


時間をかけすぎない
 作文に時間をかけすぎると、文章読解問題を解く時間がなくなってしまいます。
むだのない表現でシンプルに書く
 制限字数は200字から250字程度、凝った表現は使わず、簡潔に書きましょう。
設問文で指定されている条件を満たす
 制限字数(多すぎても少なすぎてもダメ)・段落構成・内容・原稿用紙の使い方などの指定条件を満たしましょう。

推薦入試


具体的に書く 
「志望動機」や「高校に入学してから力を入れて取り組みたいこと」、「将来の夢」などを具体的に書くことで個性が伝わります。
前向きな内容にする
 推薦入試小論文・作文は文章による面接試験のようなもの。前向きな姿勢をアピールしてください。

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 高校入試の小論文・作文は「課題文をもとに書くパターン」「表・グラフをもとに書くパターン」「題や短文をもとに書くパターン」の3つのパターン分けられ、それぞれに使える「型」が本書で詳しく紹介されている。作文に自信がもてるよう、夏休みに練習しておきたい受験生にとって心強い1冊になってくれそうだ。

改訂版 高校入試 塾で教わる 小論文・作文の書き方

発行:KADOKAWA

<著者プロフィール:西村 創(にしむら はじめ)>
 早稲田アカデミー、駿台、河合塾Wings等で指導歴25年以上。新卒で入社した早稲田アカデミーでは入社初年度に生徒授業満足度全講師中1位に輝く。駿台ではシンガポール校講師を経て、香港校校長を務める。河合塾Wingsでは講師、エリアマネジャー、教室長、講師研修などを10年以上務める。また、School Post「都立高校 推薦入試 対策講座」の小論文・作文指導担当、オンライン生活情報サイト「All About」の教育・受験ガイド、セミナー講演などに携わる。テレビ出演、新聞・雑誌掲載多数。「にしむら先生 受験指導専門家」としてYouTubeでも活動中。

<著者プロフィール:石井 知哉(いしい ともや>
小学校低学年の補習から中学生・高校生の難関校受験、大学生の就職試験対策まで、幅広い年齢・学力層を対象に指導歴25年余り。文系・理系の枠を超えた教科融合型授業で、好奇心を刺激し学習意欲を引き出す個別指導を得意とする。現在はSchool Postにて、中学・高校・大学受験の指導をおこなうほか、「都立高校 推薦入試 対策講座」の教務・運営を統括。オンラインでの小論文・作文の添削指導も担当し、毎年多くの受験生を難関校・人気校合格に導いている。「School Post高校受験ナビ」(https://school-post.com/)をはじめ、各種Webメディアでの執筆やインタビュー多数。



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《編集部》

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