私大連、東京23区の大学定員抑制の早期撤廃を要望

 日本私立大学連盟は2022年10月28日、「東京23区における大学規制に関する要望」を公表した。東京23区内の大学の定員抑制について、早期撤廃と効果検証の提示を要求。仮に効果があったとしても、社会ニーズの高い学部・学科の新増設等には例外措置を講じるよう求めている。

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東京23区における大学規制に関する要望
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  • 東京都、46道府県の大学進学時、就職時における流入出の推移
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 日本私立大学連盟(私大連)は2022年10月28日、「東京23区における大学規制に関する要望」を公表した。東京23区内の大学の定員抑制について、早期撤廃と効果検証の提示を要求。仮に効果があったとしても、社会ニーズの高い学部・学科の新増設等には例外措置を講じるよう求めている。

 東京23区に設置する大学については、2018年に「地域における大学の振興および若者の雇用機会の創出による若者の修学および就業の促進に関する法律」が公布・施行され、学生定員増が規制されている。

 私大連では、地方創生について「大学規制ではなく、雇用の創出と地方大学への財政支援が必要」と繰り返し主張してきたが、2023年度に法律の見直し時期を迎えることから、あらためて要望を発表。内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局等に要望書を提出した。

 要望事項は、「規制の早期撤廃」「規制の効果検証の提示」「例外措置」の3点。例外措置については、仮に規制の効果があったとしても、STEAM人材育成や数理・データサイエンスの分野等、社会ニーズの高い人材育成を目的とする学部・学科の新増設等については、第三者機関等により必要性・合理性を判断したうえで、認める例外措置を講じてほしいとしている。

 私大連では、東京23区の大学の定員規制後、地方創生総合戦略で掲げた「2020年時点で東京圏から地方への転出・転入を均衡にする」という数値目標は達成できていないと指摘。2020年度の東京圏への流入者数のうち、大学へ進学するおもな年齢層(15~19歳)の流入21.0%に対し、20~24歳の流入は75.8%を占めて増加の一途をたどっており、「東京23区の大学規制による効果はほぼないと言ってよい」「流入出に大きな影響をもたらすのは『大学進学時』ではなく、景気動向に左右されやすい『就職時』である」と主張している。

 東京23区の大学の定員抑制については、東京都や東京商工会議所、特別区長会も同様に反対意見を表明している。


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