小6の14.6%「お世話をしている」千葉県ヤングケアラー調査

 千葉県は2022年11月4日、ヤングケアラー県内実態調査の結果概要(速報値)を公表した。お世話をしている人が「いる」と回答したのは、小学6年生が14.6%、中学2年生が13.6%、高校2年生が10.5%だった。

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お世話をしている人の有無
  • お世話をしている人の有無
  • お世話をしている人とお世話の内容
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  • 日常生活における影響 (セルフケアの状況)
  • 現在、悩んだり、困っていること
  • お世話について、相談した相手
  • お世話について、相談したことがない理由
  • 自分は「ヤングケアラー」にあてはまると思うか

 千葉県は2022年11月4日、ヤングケアラー県内実態調査の結果概要(速報値)を公表した。お世話をしている人が「いる」と回答したのは、小学6年生が14.6%、中学2年生が13.6%、高校2年生が10.5%だった。

 千葉県は、ヤングケアラーに対する今後の支援策を検討するため、家庭や家族の世話の状況、ヤングケアラーの認識等についてたずねるアンケートを実施。対象は、県内公立小学校の6年生および協力の得られた私立小学校の6年生(4,414人)、県内県立・市町村立中学校の2年および協力の得られた私立中学校の2年生(3,927人)、県内県立・市立高等学校の2年生および協力の得られた私立高等学校2年生(3,051人)。調査は2022年7月8日~8月5日に行った。

 調査によると、お世話をしている人が「いる」と回答したのは、小学6年生が14.6%、中学2年生が13.6%、高校2年生が10.5%。お世話をしている人は、「きょうだい」「お母さん」「お父さん」「おばあさん」「おじいさん」 の順に多い。お世話の頻度は、「ほぼ毎日」がもっとも多く、小学6年生で19.0%、中学2年生で17.3%、高校2年生で21.0%を占めた。

 お世話をしている人が「いる」場合、 自分が食べるための食事を作ったり、自分が着た服を洗濯する等の「セルフケア」を日常的に行っているケースが相対的に多いことがわかった。お世話をしている人が「いる」場合、何らかの悩み等を抱えていることが多く、小学生では「友達のこと」が19.5%ともっとも多くなった。中学生・高校生はともに「学業成績のこと」がもっとも多く、中学生は40.2%、高校生は35.7%となった。

 お世話をすることに大変さを感じているかについては、相対的に小学生は「体力」「気持ち」の面で負担に感じることが多く、高校生になると「時間の余裕がない」との回答が増加している。また、お世話をしていることで、「自分の時間がとれない」「勉強する時間がとれない」「睡眠時間がとれない」「友達と遊ぶことができない」等の回答がみられた。

 お世話について、誰かに相談した経験の有無については、相談した経験が「ある」人は、小学6年生で8.2%、中学2年生で6.8%、高校2年生で9.1%にとどまった。お世話について、相談した相手として、家族・親戚以外で多い相談相手は、「友達」「学校の先生(保健室の先生含む)」「SSW、SC(スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラー)」をあげている。それ以外の相手に相談した経験がある人は極めて少ない結果となった。

 お世話について、相談したことがない理由として、「誰かに相談するほどの悩みではない」「家族外の人に相談するような悩みではない」との回答が多い一方で、「相談しても状況が変わるとは思わない」「家族のことのため話しにくい」 等の回答も一定数みられた。

 学校や周りの大人に助けてほしいことや、必要としている支援として、「自由に使える時間」「勉強や進路・就職に関する支援」「話や相談の相手」等を求める回答がみられた。さらに、お世話をしている人が「いる」場合でも、自分がヤングケアラーに該当すると明確に認識している人は約6~9%程度にとどまった。「わからない」との回答も多く、自らがヤングケアラーに該当するか否かの境界の判断に迷っているようすが伺えた。

 県では今後、大学生調査および学校調査、市町村要保護児童対策地域協議会調査結果については「ヤングケアラーの実態調査とその支援に関する調査研究第2回委員会」(2022年12月ころ開催予定)までに集計し、支援策検討に活用していくという。


《田中志実》

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