【高校受験2023】北海道公立高入試<社会>講評…昨年より難化

 2023年3月2日(木)、令和5年度(2023年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「社会」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2023】北海道公立高校<講評・社会>
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 2023年3月2日(木)、令和5年度(2023年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「社会」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<社会>講評(練成会 提供)

 出題形式は昨年同様,大問4題であった。小問数も昨年と同じ33問で、配点は地理33点、歴史34点、公民33点となっている。完全解答の問題は16問、完全解答と絡めた漢字指定の問題は1問。また、記述問題は昨年より2問多い8問出題された。配点は2点と3点が中心で、記述問題や高難度問題では4点、もしくは5点となっている。また、完全解答の形式として、3つ以上をセットとする問題も増えてきている。複数資料から読み取れることをまとめる記述問題も出題されており、資料を活用する力と、土台となる知識と結び付けて文章を組み立てる表現力が問われている。

 大問1は、例年通り地理・歴史・公民からなる小問集合であった。特に問6(2)マイクロクレジットとはどのような制度であるかを、「無担保」または「低金利」という語句を使って説明する問題は、教科書の隅々まで理解を深めておかなければ解けない問題。

 大問2は、「世界の中の日本」をテーマとした、古代から現代までの歴史の問題。問3では、江戸時代の北方の探検について、「樺太」「間宮林蔵」などが出題された。また、問6では、資料4の「反戦運動」、「人種暴動」から「デモ」の写真を選び、資料5の「市民が壁に集まり」から「ベルリンの壁崩壊」を読み取り、そこから冷戦終結が宣言された「マルタ会談」の記念切手を選ぶ問題が出題され、用語の暗記だけでなく、内容や意義なども理解していなければ正解を導くのが難しい。

 大問3は、略地図やグラフなどを題材にした、世界や日本のさまざまな地域に関する問題。□A問3は、アフリカの2つの国の経済状況を示した資料を見て、これらの国に共通する課題を予想した文のXの空欄に当てはまる内容を選び、Yの空欄に当てはまる内容を「収入」を使って書く問題。この問題では、2つの資料から「モノカルチャー経済」と判断できるか、この経済の問題を理解しているかが問われた。また、□B問3は、香川県高松市では、干ばつによる被害をどう乗り越えたのか、写真やグラフからわかったことをもとに説明するという新傾向の問題であった。四国の気候の特色(瀬戸内側は年中降水量が少なく、太平洋側は夏の降水量が多い)を理解しているか、写真やグラフから香川用水の建設や使用方法を読み取れたかが問われた。

 大問4は、表やグラフなどを題材にした、政治や経済に関する問題。問6(1)は、1990年と2017年の所得の再分配前後の所得格差を示したグラフを見て、所得格差についてグラフから読み取れることを、1990年と2017年を比較し、所得の再分配の具体的な方法に1つふれて書く問題。所得の再分配前の所得格差が広がっていること、所得の再分配の具体的な方法(累進課税)、所得の再分配後の所得格差には大きな違いが見られなくなっていることを1つの文にまとめて表現できるかが問われた。

 大問1の小問集合問題は基本事項が多いが、記述問題も出題された。教科書の知識を正確に覚え、内容などを説明できるようにする必要がある。大問2から4は、難度の高い問題も出題されることから、できごとの時代背景を深く理解したり、統計資料から国や都道府県を判断できるようにしたりすることが大切。地理は、地図帳や参考書を活用して、国や都道府県の特色やデータを覚えること。また、覚えた知識を使って、できごとの内容や原因、理由などを正確に書く表現力も必要である。最後に、北方領土に関する問題は必出なので、地理と歴史の2つの観点から知識を入れておく必要がある。


 このレポートは2023年3月2日(木)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会

《編集部》

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