ナガセは2023年10月10日、東進海外大学留学支援制度を活用して英国ケンブリッジ大学経済学部に留学中の遠藤宏哲くんが、日本人で初めてアダム・スミス賞を受賞したことを発表した。
アダム・スミス賞は、ケンブリッジ大学経済学部の学年末試験と卒業論文を合わせ、1学年約160名中で総合1位の学生に与えられる栄誉ある賞。ケインズ経済学の祖であるジョン・メイナード・ケインズは1909年、アジア人初のノーベル経済学賞受賞者であるアマルティア・センは1954年、インド前首相であるマンモハン・シンは1956年に受賞しており、名だたる受賞者が名を連ねている。
今回、アダム・スミス賞を受賞した遠藤宏哲くんは、ケンブリッジ大学修士1年の学生。麻布高校在学中の高校3年時に東進海外留学支援制度の留学支援生となり、2020年にケンブリッジ大学に入学し、経済学を専攻している。
受賞した卒業論文テーマは、「パンデミック下の感染者数と経済損失のトレードオフを改善する方法について」。個人の合理的意思決定により感染者数と経済活動レベルが決まるモデルを用いて、人々の利他精神や政府の広報、政府の政策の不確実性などがトレードオフに与える影響を理論的に調査したという。
遠藤宏哲くんは、「今回、このような栄誉ある賞をいただき光栄に思います。私の関心は動学的一般均衡モデルを用いたマクロ経済分析です。現実と密接に関連したモデル研究・分析を通じて社会の厚生を高め、日本・世界経済の安定に貢献したいです。確かに、抽象的な経済理論を現実経済へと即座に応用することは困難かと思いますが、後々に、経済について考えるうえで人々が参照する思考のフレームワークやアイデアを提供できる研究を目指しています。東進の海外大学留学支援制度のおかげで、高インフレに加え、円安という状況下でも勉学に集中することができている環境に感謝し、恵まれた環境を最大限に生かすことができるよう、精一杯頑張ります」とコメントしている。
東進海外大学留学支援制度では、6月と11月に実施されている全国統一高校生テストの決勝大会の成績と、人物評価面接により支援対象者を選抜している。対象人数は、各学年最大10名。米国では、1人あたり総額38万ドル(年間9.5万ドル4年間、約5,700万円)、英国では、1人あたり総額26万ポンド(年間6.5万ポンド4年間、約4,700万円)を返済不要で給付する。次回は11月5日に実施する予定。