日本数学検定協会は2023年12月17日、「塩野直道記念 第11回『算数・数学の自由研究』作品コンクール（通称MATH（マス）コン）」において、優秀賞の1つである「日本数学検定協会賞」の表彰式を行った。長野県の中学3年生の男子生徒が受賞した。
塩野直道記念「算数・数学の自由研究」作品コンクールは、全国の小学生・中学生・高校生を対象に、自由なテーマで「日常生活や社会で感じた疑問を算数・数学の力を活用して解決する」や「算数・数学の学びを発展させて新たな数理的課題を探究し、気づいたことや解決の方法などレポートにまとめ作品として応募する」コンクール。11回目の今回は、合計1万5,699件の応募があった。
すべての応募作品の中から、とくに算数・数学の研究として優れたレポート1作品に優秀賞として「日本数学検定協会賞」を授与している。2023年は、動的幾何ソフト「GeoGebra（ジオジェブラ）」を用いて複素数記数法による「フラクタル図形」の研究に取り組んだ長野県の中学3年生、宮澤希成さんが受賞した。
宮澤さんは、自然数でなく複素数であるような記数法と、その数たちが複素数平面上で作り出す美しい図形「フラクタル図形」に出合い、その性質などを調べたいという思いから今回の研究に取り組んだという。
受賞により、宮澤さんは「中央審査委員の先生の講評や日本数学検定協会賞で評価されたことは、数学の普遍的な価値や美しさという、自分が探究した方向性に自信とさらなる研究意欲を与えてもらえた。好きなことを追求できる環境などに感謝し、もっと深めていきたいと思う。」とコメントしている。
日本数学検定協会では、「MATHコン」のような理数教育の充実に向けた普及推進イベントなどに積極的に関わることで、今後も算数・数学を学習する大切さや、楽しさを伝える普及啓発事業を充実させるとしている。
