国語力不足の原因は思考力の不足…ハーバード大生のように考え、書き、勉強する方法とは?

 受験大国、韓国でライティング・コーチとして活躍するソン・スッキ氏が小学生向けに書き下ろした『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)から、毎日10分間、4つの文章を作るだけで物事を整理しながら考える力を身に付けられ、論理的思考を養える作文スキル「オレオ公式」を紹介する。

教育・受験 小学生
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 「本は読んでいるが、内容を説明できない」「真面目に勉強しているのに成績がぱっとしない」「しゃべり方が稚拙で、語尾まではっきり言わずあいまいにしがち」小学生の子供のこうした傾向に悩む親は多いのではないだろうか。受験大国、韓国で10万部のロングセラーとなっている『150年ハーバード式ライティングの秘密』(日本未邦訳)の著者ソン・スッキ氏は、小学生向けに改編し書き下ろした『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)の中で、「子供たちのこうした傾向は、すべて国語力不足に起因しています。子供の国語力が低い原因はただひとつ、“思考力の不足”にほかなりません」と強調している。

 ライティング・コーチで、ソン・スッキ作文センター、アイデアウイルス代表の同氏は、こうした問題を根本的に解決するのが、ロジカル・ライティングだと説き、アメリカの小学校で実践されている「OREO Writing Method(オレオライティングメソッド)」こそ、ハーバード大学の学生たちが4年間徹底的にたたき込まれるライティング術であり、ロジカル・シンキングを鍛えるためのテクニックだという。『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』から、毎日10分間、4つの文章を作るだけで物事を整理しながら考える力を身に付けられ、論理的思考を養える作文スキル「オレオ公式」を紹介する。(本記事は、『作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文』(CCCメディアハウス)の一部を抜粋・改編し掲載している。イラスト:ヒダカナオト)

たった4行で考えをまとめるスキル

 アメリカの大手新聞『ニューヨーク・タイムズ』などで活躍するジャーナリストのダニエル・コイルさんは、超一流の人たちがどうやって才能をみがいてきたのかが気になっていました。そして、世界中のスポーツチーム、音楽学校、一流進学校などを取材した結果、こんな結論にたどり着いたのです。

 「才能とは、生まれつきのものだけではなく、練習でみがかれるものである」

 ダニエル・コイルさんがたどり着いた超一流の人たちの才能開発のひみつは、その才能を開花させるために一番重要なスキル(能力)を、まずはとことんみがくということでした。そのスキルを最大値で発揮できるようになるまで、小さなことから毎日少しずつ地道に練習を重ねるのです。たとえば、テニス選手なら、まずは「サーブのトス」を、バスケットボールの選手なら「レイアップシュート」だけを、目を閉じていてもできるくらいに練習しなさいということです。

 ダニエル・コイルさんが言うように、超一流レベルの作文力を開花させるために、作文の一番重要なスキルが何かを考えました。文章を上手に書く人たちは、「言いたいことをロジカルに組み立てること」にずば抜けたスキルを発揮します。作文の場合は、「ロジカルな構成(組み立て)」がカンペキにできるように練習することが必要なのです。いつでもどこでも、どんな時も、書きたいことをロジカルに構成できるようになりましょう。そのためにはどんな練習が必要だと思いますか?

作文の一番重要なスキル「オレオ」

 文章を書くために一番重要なスキルは、自分の考えをつじつまが合うようにロジカルに構成することです。「オレオ公式」は、このスキルを練習し、練習の効果を最大限に発揮するために考え出された方法です。

 オレオ公式による作文は、公式を使って書く内容をまとめて、文章に整えていく書き方で、「意見を主張する」→「理由を出す」→「具体例を出す」→「意見を強調する」という4つの項目から成立っています。

 実はこの方法は、アメリカの名門、ハーバード大学で150年前から学生たちに教えられてきた作文のテクニックで、アマゾンやグーグル、トヨタ、マッキンゼーなどの世界的企業や一流大学でも、コミュニケーションのツールとして導入されている方法なのです。

 みなさんがこの本で学ぶべきことは、「テーマを決め、オレオ公式どおりに流れを作り、1段落で終わる短いエッセイ(自分の意見や考えを述のべる文章)を完成させる」ということです。時間は毎日10分だけです。毎日たったの10分間、この練習を続けるだけで頭脳を鍛えることができ、国語の勉強だけでなくほかの教科も成績がよくなるのです。

考えを当てはめただけで文章ができた?

 アメリカやヨーロッパの教育熱心な国では、楽しく無理なく思考力を鍛えるために幼稚園や小学校のうちからさまざまな教育を行っています。そんな中、アメリカの専門家が、小学生のうちからロジカルに考えて、読む人を納得させる文章が書けるようにと、オレオ(OREO)という名前のついた公式を作り出しました。オレオ? そうです、白いクリームを黒いビスケットでサンドした甘いクッキーと同じ名前ですね。

おいしくて楽しい、作文ツール「オレオ公式」

 ロジカルに考え、文章で表現することを助けてくれるオレオ公式は、下のイラストのように図にすると覚えやすいです。ところでなぜオレオというのでしょう? それは、この公式の4項目、「意見を主張する」(Opinion)「理由を示す」(Reason)「具体例を出す」(Example)「意見を強調する」(Opinion)を英語で表したときの頭文字をつないだものが「オレオ(O-R-E-O)」になるからです。

オレオ型の4行公式
O:意見を主張する
R:理由を示す
E:具体例を出す
O:意見を強調する

 作文を書くときに、何も考えずいきなり書き始めるのではなく、まずは「O-R-E-O」の4項目ですじ道を立てて構成を整理してみましょう。次に、4つのそれぞれの内容をくわしく整えます。具体的な内容で肉付けをしていくイメージで書き進めていくと…? ほらね! すじの通ったロジカルな作文が完成しました。

 オレオ公式を用いて書く内容を決めて、それに沿って文章を書いていくだけです。大事な部分が抜け落ちたり、同じことをくり返し書いてしまうこともありません。今まで作文が書けないと悩んでいたのがうそみたいでしょう?

いつでもどこでも「自動作文ツール」

 オレオ公式には、ハーバード大学が学生たちに4年間教え続けるロジカル・ライティング(ロジカルに書くこと)の秘密がそっくり詰め込まれています。みなさんは、この公式の順番と構造を覚えて、使いこなせるようになればオーケーです。作文を書くことになったら、まず、オレオクッキーを思い出せば上手に書けるでしょう。

おうちの方へアドバイス

 オレオ公式は、子どもたちがロジカルに考えて文章化するためのツールです。ハーバード大学で受け継がれているこの公式を使って、作文ができるように手伝ってください。公式どおりに書くと、理路整然とした文章が書けます。子どもたちは文章を作るたびに、作文が楽しい記憶として残ります。


 1日にたった10分実践するだけで子供の論理的思考力を養えるという「オレオ公式」。読書感想文や作文など、わが子の宿題の参考にしてみてはいかがだろうか。


作文宿題が30分で書ける! 秘密のハーバード作文
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(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
《編集部》

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