誰もが簡単にはじめられるボードゲーム「ブロックス」の魅力と教育的利点

 世界中で人気がある知育ボードゲーム「ブロックス」の魅力や教育的利点、今後の展望について、マテル・インターナショナル マーケティング部 アソシエイトマーケティングマネージャーの小林美穂氏に話を聞いた。

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誰もが簡単にはじめられるボードゲーム「ブロックス」の魅力と教育的利点
  • 誰もが簡単にはじめられるボードゲーム「ブロックス」の魅力と教育的利点
  • 誰もが簡単にはじめられるボードゲーム「ブロックス」の魅力と教育的利点
  • マテル・インターナショナル マーケティング部 アソシエイトマーケティングマネージャーの小林美穂氏
  • 誰もが簡単にはじめられるボードゲーム「ブロックス」の魅力と教育的利点
  • ボードゲーム「ブロックス」で遊んでいる時とスマホの対戦型ゲームで遊んでいる時の脳血流量画像(被験者4名平均)■監修・実施  古賀 良彦(杏林大学名誉教授・医学博士)
  • ボードゲーム「ブロックス」で遊んでいる時とスマホの対戦型ゲームで遊んでいる時の脳血流比較(被験者4名平均) ■監修・実施  古賀 良彦(杏林大学名誉教授・医学博士)
  • 進行度別学びの要素(日本ボードゲーム協会の調査より)
  • 習熟度別学びの要素(日本ボードゲーム協会の調査より)

 夏休みをはじめとして、子供たちの時間をいかに充実したものにしようかと頭を悩ませる保護者も多いことだろう。また昨今、ゲームの要素を子供たちの学びに生かすことも進み、遊びと学びの関係について保護者の関心も高まっている。

 UNO(ウノ)で有名な世界大手の玩具メーカー、米国マテルの日本法人マテル・インターナショナルから販売されている「ブロックス」は、世界中で人気がある知育ボードゲームだ。2024年、マテル・インターナショナルは8月10日を「ブロックスの日」に制定し、あわせて7月より児童健全育成推進財団の会員である全国の児童館100施設へ抽選で「ブロックス」を配布するプロジェクトを開始したという。ブロックスの魅力や教育的利点、今後の展望について、マテル・インターナショナル マーケティング部 アソシエイトマーケティングマネージャーの小林美穂氏に話を聞いた。

ルールはシンプル! ピースの「角」をつなぐ

--「ブロックス」とはどういうゲームなのでしょうか。まずは遊び方を含めゲームの概要について教えてください。

 ブロックスは、赤・青・黄・緑の4色のピースと1つのボードを使ったゲームで、ピースの角と角をつなげて自分の陣地を広げていき、できるだけ多くのピースを置いた人が勝ちとなります。プレイ人数は2名から4名で、20~30分ほどで勝敗が決まります。自分のピースの角と角をつなげるのが唯一のルールで、自分のピースの辺が重なることはNGです。本当に簡単なルールで説明もしやすいので、幅広い年代で楽しめます。

 本来のゲームのほかにも、4色の美しい半透明のピースなので、お子さんがきれいに敷きつめて遊ぶこともあるようです。また、ピースで絵を描く「ブロックスアート」もさまざまなSNSで見られるので、自由な発想による遊び方が広がっているなと感じています。

--2024年に、8月10日を「ブロックスの日」に制定されたとのこと。ブロックスの日の由来について教えてください。

 ブロックスは英字のスペルが「BLOKUS」とB・LOではじまるので、それを数字の8と10に見立てて8月10日を記念日としました。ブロックスは今、ボードゲームが好きな方たちや子供のころ児童クラブなどで遊んだ経験がある方たちには知られていますが、弊社のUNOに比べるとまだまだ一般の皆様への認知の余地があります。この8月10日を「ブロックスの日」と決めることで、さらに知っていただくきっかけができればと考えています。

 8月は夏休み期間で、お子さまとご家族がテーブルを囲んでゲームをする時間も作りやすいタイミングです。猛暑で外遊びが難しい日も多い中、お子さまやお孫さんと一緒に楽しみたいけれど、会話をしながら遊びたいけれどと悩んでいる方々にも、この「ブロックスの日」をきっかけに、さらに年齢に関わりなく数多くの方に遊んでいただきたいと願っています。

マテル・インターナショナル マーケティング部 アソシエイトマーケティングマネージャーの小林美穂氏

全国の児童館や児童クラブに提供

--児童館や児童クラブに配布されると伺っています。

 全国に4,300ある児童館の支援をされている、一般社団法人の児童健全育成推進財団とこのプロジェクトを進めています。児童健全育成推進財団は、児童館・放課後児童クラブ・母親クラブ関係組織の支援や人材育成などをされており、たとえば、自然災害などがあった際などは、避難所で暮らす子供たちが少しでも笑顔になって遊んでいただけるようにと玩具の寄付を募っています。そうした活動を通じて、私どもも以前から協力関係を築いておりました。

 今回は夏休みキャンペーンとして、児童健全育成推進財団とともに、7月から商品提供と児童館や児童クラブの職員の方たちへの情報提供をいたしました。今年は約3,000施設の児童館や児童クラブに、こうした商品をご提供したいというチラシを一斉にお配りし、そこから抽選で100施設に夏休み中にマテルゲーム商品をお配りいたしました。お子さまの夏休み中にゲーム大会をしていただけるよう賞状や景品をつけ、職員の方たちにはブロックスで遊ぶことがなぜお子さまの教育的な利点になるのかについての資料もお送りしています。今後も冬休み、春休みといった、お子さまが児童館や児童クラブで過ごす時間が長いタイミングで、継続的な取組みをしていきたいと考えています。

半透明のきれいなピースが特徴のブロックス。本来のゲーム以外の新たな楽しみ方も広がっているという

 また日本ボードゲーム教育協会のご協力のもと、希望される児童館や児童クラブの職員さま向けにオンラインとオフラインで、ボードゲームの理解を深める機会を設ける予定です。日本ボードゲーム教育協会は、ボードゲームの教育的アプローチをまとめた『ボードゲーム教育概論』も発表されています。児童館や児童クラブでボードゲームの楽しさを体験していただきながら、いかに学びを提供できるか。ボードゲームで遊ぶときに、どんなサポートをすべきかといった児童館のスタッフさま向けの講座内容をご提供いただこうと考えています。

子供たちの学びが得られる

--ブロックスは「子供の学び」に生かせると伺っています。具体的にはどのようなことなのかお聞かせください。

 ボードゲームは、認知能力と非認知能力の双方の学びが得られる非常にユニークな玩具です。ブロックスにおける認知能力の例としては、ピースのマス目の計算をするときの四則演算があります。また非認知能力の中で重視されている、目標に向けて粘り強く取り組む力や集中力、やり方を調整して工夫する力、論理的思考力も養われます。敵対するプレイヤーの動きから状況を読み取り察する力や、同じ目標に向かって他のプレイヤーと協力しあうこともあります。いろいろな形のピースを回転したり裏返したりして、異なる形の理解や平面感覚も養われます。ルールや仕組みはシンプルですが、奥深い学びが得られるのはブロックスならではですね。

 日本ボードゲーム教育協会ではさまざまなボードゲームの分析をされています。ブロックスについても、ゲーム進行の段階によって、学びのパターンや得られるものが変化していくという分析をしていただきました。

 序盤は数的思考などで相手や自分がどのようになるのかを把握する必要があるため、ピースの形や大きさから平面感覚を養う要素があるとされています。中盤では、相手プレイヤーの攻め方を読み取ることで非認知能力や非言語コミュニケーションを発達させるきっかけがあり、強いプレイヤーが攻めて来る場合は横同士のプレイヤーと協力し合って協調性も促されるとのことです。また、だんだんと自分のピースが少なくなってくると、「こうすると自分の目標の陣地が取りにくくなる」といった逆算思考も働き、空いたスペースにおける状況判断や条件判断も必要になります。ゲーム終盤では、自分のピースを置く場所が狭くなるので、四則演算や情報処理能力が必要とされるということが指摘されています。

進行度別学びの要素(日本ボードゲーム協会の調査より)

 また、2018年にスマホなどのデジタルゲームとブロックスを比較して、それぞれのプレイ時に脳のどこが活性化しているのかを実験した例もあります。ブロックスのプレイ時は、デジタルゲームよりも、戦略立てて勝利を目指していくプランニング力を高めたり、社会性を司る脳の部分とされる前頭葉の血流量が増えて活性化したりといったことから、コミュニケーションをする力や先を読む力などを養うといったブロックスの教育的効果が科学的に証明されたといえるでしょう。

ブロックスで遊んでいる時とスマホの対戦型ゲームで遊んでいる時の被験者4名の平均脳血流量画像/監修・実施 古賀 良彦氏(杏林大学名誉教授・医学博士)
ブロックスで遊んでいる時とスマホの対戦型ゲームで遊んでいる時の被験者4名の平均脳血流比較/監修・実施  古賀 良彦(杏林大学名誉教授・医学博士)

子供と大人が対等な立場で遊べるブロックス

--ユーザーからはどのような声が寄せられているのでしょうか。

 直近の調査では「ルールがとても簡単なのにやってみると奥が深くて、いろいろな攻め方や考え方があるのでハマる」「子供にすぐ簡単に教えられるから一緒に遊びたい」「子供とのコミュニケーションのきっかけづくりになる」「YouTubeやゲームから一旦切り離して、指先と頭を使って脳に刺激を与えながら遊べそう」といったお声をいただいています。

 「実は別のルールで遊んでいて、こういうルールだと知らなかった」というお声もありました。UNO(ウノ)では、数多くのローカルルールが発生していることはご存じかと思いますが、同様にブロックスにもローカルルールが生まれていることがわかりました。また親子で一緒に遊ぶと、お子さまは大人と同じルールで対等に遊べて、大人に勝つことが自信につながるようです。

 大人からは「子供に負けた時のショックが結構、大きい」というお声もありますね(笑)。

--私も最近、中学生の子供とブロックスで遊びましたが、子供の方が明らかに強かったです。「そこは角じゃなくて辺が接しているよ」などの鋭い指摘も飛んできました。

 そうなんですよね。そうした親への指摘もできますし、お子さまが親御さんに勝つことは本当に良くあるんです。私も我が子と対戦をしたときに、手加減が必要だなと進めていたら本気で負けて、「あれ? どうした私?」と思ったことも(笑)。大人もハマるので子供と「遊んであげた」という感じもなく、対等に楽しめます。日本ボードゲーム教育協会の分析でも、お子さまはルールに慣れると大人と対等になっていく、という点をご紹介いただきました。

習熟度別学びの要素(日本ボードゲーム協会の調査より)

ブロックスでコミュニケーションを活性化

--今後の展望についてお聞かせください。

 ブロックスは来年で25周年を迎える、日本でも歴史が長いゲームです。子供時代に児童館などで遊んでいた方で、今は親御さんという方もいらっしゃるでしょう。ご自身がかつて遊んだブロックスを、ご家族で楽しんでいただければと思います。一方、これまで体験する機会がなかった方々には、シェアオフィスやレジャー施設にも置いていただく施策を検討中ですので、まずは面白さと奥深さを体験してもらえたらと思います。

 ブロックスはコミュニケーションが取りやすいゲームです。最近は学校でもボードゲーム部ができたり、マスクを外してワイワイと話しながら盛りあがって、今まであまり話せなかった人とゲームで仲良くなったりしているというお声をいただきます。コロナ禍で人と集まって1つの物で遊ぶ体験がなかなかできなかった子供たちには、新鮮なものや、コミュニケーションの潤滑油と受け止められているようです。今後もオフィスや学校、ご家庭に広がっていくとうれしいですね。

--読者へのメッセージをお願いいたします。

 ルールが本当にシンプルなブロックスは、誰でもすぐにはじめられるところが最大の魅力です。親子やおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に対戦できるのでみんなで集まって一緒に楽しんで、声を出して笑いあう時間づくりにぜひ使ってみてください。夏休みは、お孫さんへのプレゼントにして、来た時に待ち構えるのも良いでしょう。また共働きだとなかなか座って遊ぶ時間がありませんが、そうした時間もぜひブロックスで作っていただきたいと思います。さっと持っていけて、さくっとはじめられるからこそ、いろんなところでお供になれる、そんなゲームだと思います。

--ありがとうございました。


 ブロックスを囲みながら遊ぶと、コミュニケーションは次第に活発になっていく。そして子供たちが集中して観察するようすや、ピースを組んで何かを創造する姿が見られるなら、保護者も子供の新たな一面を発見できるかもしれない。ブロックスをはじめとしたマテルのゲームは玩具販売店やオンラインストアでも購入可能だが、書店でも取り扱っている場合があるので一緒に探してみるのも良いだろう。

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《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

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