ビズリーチと山田進太郎D&I財団は2024年10月11日、女性のSTEM(理系)分野での活躍推進に向け連携協定を締結したと発表した。締結日は10月10日。誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現に向けた、次世代の人材育成支援を目指す。
テクノロジーの進化とAIの急速な普及に伴い、ITやデータ処理のスキルといった理系の学びの重要性が高まっている。採用市場でも、STEM人材はメーカーやITをはじめとした幅広い業界で必要とされ、特にテクノロジーの分野では多様な視点が重要視されていることから女性の活躍が期待されているという。経団連の調査によると、今後5年程度先を見通した理工系女性の採用について、64%の企業が「拡大する方向」と回答しており、STEM分野を学んだ女性の採用意欲は極めて高いことがわかっている。しかし、日本では女性のSTEM分野の大学への進学率は19%と、経済協力開発機構(OECD)諸国のなかで最低水準であるのが現状で、STEM分野で活躍する女性の育成が急務となっているという。
山田進太郎D&I財団は、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を目的に2021年に設立。2035年に女性のSTEM分野の大学への進学率をOECD諸国平均の28%(山田進太郎D&I財団が算出)にすることを目標として、中高生女子のSTEM分野への進学やキャリア選択を支援するさまざまな活動を展開している。
今回、ビズリーチは山田進太郎D&I財団と連携協定を締結し、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」での人材公募をはじめとした同社のサービスの活用や、同社保有のキャリアに関するデータや知見をもとにしたイベントの共同開発など、STEM分野への進学を目指す女性の割合を増加させるための取組みを実施し、未来の女性STEM人材の育成を目指す。
連携協定の取り組みの第1弾として、STEM(理系)分野へ進学する女性の割合増加に向けた中高生の保護者向けのキャリアイベントを10月10日に開催し、イベントには約80人が参加。日本で女性のSTEM分野の大学への進学率が低い背景には、身近なロールモデルの不足だけでなく、「理系進学は女性には向かない」といった日本社会のアンコンシャスバイアス(無意識の偏見・思い込み)があるといわれ、中高生女子の保護者もその例外ではない。同イベントでは、データや事例をもとに、STEM分野進学後のキャリアの選択肢と可能性について正しく知ってもらうとともに、親子でキャリアや進路について考える機会を創出することで、今後のSTEM分野への進学を促進することを目指したという。