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不妊の原因48%は男性…早期発見は中学生から

 2025年11月19日の「国際男性デー」を前に、日本精索静脈瘤協会の代表理事で銀座リプロ外科院長の永尾光一氏は、男性不妊の主原因である「精索静脈瘤」の正しい理解を広げるための啓発を行っている。

生活・健康 中学生
不妊の早期発見は「中学生」から
  • 不妊の早期発見は「中学生」から
  • 自分で気づける「セルフチェック」
  • 中学生からでもできる精索静脈瘤セルフチェック表
  • 35%が生殖器の違和感を感じていると回答(銀座リプロ外科調べ)
  • 違和感を感じた時期は中学生が6割(銀座リプロ外科調べ)

 2025年11月19日の「国際男性デー」を前に、日本精索静脈瘤協会の代表理事で銀座リプロ外科院長の永尾光一氏は、男性不妊の主原因である「精索静脈瘤」の正しい理解を広げるための啓発を行っている。

 精索静脈瘤は、精巣の周囲にある静脈がこぶ状に膨らみ、血流が滞ることで精巣の温度が上昇し、精子の質や量に悪影響を及ぼす疾患。自覚症状が乏しいため、気付かないまま放置されるケースも多く、将来的な妊娠力に深刻な影響を及ぼす可能性があるという。

 永尾氏は「不妊の原因の48%は男性にあり、その男性不妊の要因の約4割は、精索静脈瘤が影響していると言われています。不妊の原因の約2割が精索静脈瘤であり、無視できない病気です」と指摘。約80%が左側に発症しやすく、放置すると精巣の萎縮や精子形成障害につながることもあるという。

 銀座リプロ外科が2025年7月に実施した全国調査(男子中高大学生300名対象)では、35%が「性器に違和感あったことがある」と回答。そのうち約6割が中学生の時点で異変を感じていたことがわかった。しかし、約6割が誰にも相談していないと答えており、思春期における身体の変化が相談や受診につながっていない現状が浮き彫りになった。

 精索静脈瘤は思春期前の少年にも見られることがあり、成長期に精巣のサイズに左右差が見られる場合は、早期に泌尿器科での診察を受けることを勧めている。日本精索静脈瘤協会では、3分でできる簡単なセルフチェック法を指南。初期段階では痛みや違和感が軽度なため見逃されがちだが、早期発見・早期治療が妊娠力を守る鍵となる。セルフチェック表の「片方の精巣が小さい」「陰のうが腫れていくのがわかる」などのいずれかに該当する場合は、泌尿器科での診察を勧めている。

 治療は、症状の程度によって経過観察から手術までさまざま。中等症から重症の場合には、顕微鏡下で精索内の静脈を処理し、血液の逆流を止める手術を行う。日帰りで受けられるケースも多いという。

 日常生活では、同じ姿勢を続けずに体を動かし、下半身を締め付けない服装選びも大切だという。長時間のサウナや熱い風呂、膝のうえでのコンピュータ作業などで陰嚢が温まる状態が続くと、精巣温度が上昇し、精子の質を低下させるおそれも。永尾氏は「ブリーフタイプよりもボックスタイプのショーツを意識して履くのも方法の1つ」とコメント。著書「新健康教育シリーズ 男の子の体と性の悩み」少年写真新聞社)では、「早く気付くことで、将来の妊娠力を守ることができる」と述べ、家庭や学校での「体の教育」の重要性を伝えている。

 11月19日の「国際男性デー(International Men's Day)」は、男性の健康や家族との関係、社会的な役割を見つめ直す日として、世界70か国以上で広がる国際的な記念日。ジェンダー平等や男女間の相互理解を促進する日でもある。不妊治療は女性が取り組むものという固定観念がいまだ根強いが、実際には男性側の原因も半数を占める。永尾氏は、「男性自身が中学生のうちから体の変化に関心を持ち、セルフチェックを行う習慣を広めていくことが、真の男女平等につながる第一歩」とコメントしている。

《吹野准》

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