志願者数を6年連続で伸ばしている関西学院大学(以下、関学大)では、2027年度入試より、共通テスト利用入試の制度改革を実施する。
関学大はこれまでにも積極的に入試改革を行ってきた。たとえば、「一般入試」では特定科目の配点が高く設定されており得意科目が生かせる入試方式や、「共通テスト利用入試」では、国公立大学前期試験の合格発表後に出願できる「3月入試」も用意。そのため、関学大は受験生にとって、出願検討がしやすい大学として知られている。6年連続の志願者数増加の要因は、こうした数々の取組みが受験生の心をつかんだ結果であると関学大では分析をしている。
現在、関学大が導入している共通テスト利用入試は、選択できる科目種別が多く、受験生が自らの得意科目に合わせて受験しやすい。なかでも全国的にも珍しい「8科目型」を実施しており、大学入学共通テストで6教科8科目を受験する国公立大学志望者にとって利用しやすい方式となっている。こうした中、関学大ではさらに多様な受験生を受け入れるため、2027年度の共通テスト利用入試で制度改革を行う構えだ。
入試制度改革のポイント
1)共通テストをすべて生かせる「8科目型」を全学部で実施
6教科8科目を必須とした「8科目型」は、国公立大学志望者が共通テストで受験した科目をそのまま活用できる。国公立大との併願者がチャレンジしやすいこの方式が、全学部で導入されることになった。
2)得意科目を生かせる「高得点採用科目」を拡充
共通テスト利用入試のうち、「8科目型」以外のすべての型で「高得点採用科目」を拡充する。これにより国公立大との併願者が多い「7科目型」や「5科目型」については、上述の「8科目型」との併願がしやすくなり、共通テストの出来不出来の影響を分散することができることが特徴だ。また私立大専願層が中心である「3科目型(教科型)」は高得点科目の中から複数科目を採用できることになり、受験生の得意科目を生かせる入試方式がこれまで以上に増えることになる。
3)文系全学部に「数学を生かせる3科目英数型」を新設
関学大では現在、「AI活用人材育成プログラム」を全学的に導入しており、先進的なデータサイエンス教育をおこなっている。こうした点も踏まえ、文系全学部に共通テスト利用入試で数学を必須とする入試方式を新設。外国語・数学②のほか高得点1科目を採用するという形式を文系学部の全学部で導入している大学はめずらしい。数学リテラシーの高い受験生にメリットの多い入試方式となる。
関学大の2027年度入試改革は、国公立大学志望者の併願ニーズと、得意科目を生かしたい受験生のニーズの双方を同時に取り込む制度設計となっているといえる。6年連続で志願者数を伸ばしてきた関学大が、今回の制度改革によってどこまで志願者を伸ばすのか。今後の大学入試動向を占う意味でも、その動きに注目が集まりそうだ。

