子どもの安全管理は親の義務…遠隔操作も可能な「i-フィルター 6.0」

 情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社は26日、家庭向けフィルタリングソフト「i-フィルター 6.0」の記者発表会を開催した。

デジタル生活 インターネット
子どもにとって“脅威と感じる”インターネットに関わるトラブル・被害
  • 子どもにとって“脅威と感じる”インターネットに関わるトラブル・被害
  • i-フィルター6.0の新しいコンセプト
  • 利用状況メール通知機能
  • ブロック解除申請機能
  • 書き込み/購入ページブロック機能
  • 検索結果ブロック機能
  • フィルター強度設定画面
  • インターネット利用状況確認画面
 情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社は26日、家庭向けフィルタリングソフト「i-フィルター 6.0」の記者発表会を開催した。

 フィルタリングソフトは、インターネット上の“見たい情報”と“見たくない情報”を選択できるソフト。違法・有害情報から子どもを守るために、保護者が子どもに見せたくないと判断したサイトへのアクセスを制限することができる。

 警察庁の調べによると、法的規制もあり、出会い系サイトに関連した事件は減少傾向にあるが、プロフやSNSといった一般的なコミュニティサイトに被害の原因が移行し、保護者が判断しづらい場所の事件は逆に増えているという。しかし、フィルタリングソフトの普及はウイルス対策ソフトに比べると非常に低く、ネットいじめや、不快な画像・動画へのアクセス、個人情報の漏洩、ワンクリック詐欺など、フィルタリングソフトで防げるトラブルであるにもかかわらず、対策を講じていない保護者が多い現実がある。

 こうしたフィルタリング利用率の低さは、「有害サイトを確実に制限できるか心配」「効果がわからない」「無害なサイトまで制限されそう」「大人のネット利用が不便になりそう」といった、フィルタリングソフトに対する保護者の不安・不満や、「うちの子に限って」といった意識から来ている。しかしながら、意図せずアクセスしたサイトが実は、アダルトサイトや暴力・猟奇描写サイト、麻薬・薬物サイトだったというトラブルは、起こりうる。

 こうした現状をふまえ、デジタルアーツは、従来から製品コンセプトとしてきた「簡単・分かりやすい設定」「高性能なフィルタリング技術」「インターネット利用をしっかり管理」はそのままに、安全・安心を目に見える形にした「実感できる安心」と、共有パソコンの使いやすさに配慮した「さらに便利に」という2つを新たに加え、5つのコンセプトのもとに「i-フィルター 6.0」を開発した。

 まず「実感できる安心」の新機能として、子どもが使うパソコンだけでなく、別のパソコンからも設定の変更や利用状況の把握、保護者のパソコンやケータイへの利用状況のメール通知の機能を搭載した。これにより、別の部屋やオフィスのパソコンからフィルタリング強度を変更したり、外出先から利用状況を確認することができるようになり、「今はこのサイトを制限しておこう」「しっかり勉強しているな」「有害サイトはブロックされているな」といった安心を得ることができる。

 次に「さらに便利に」の新機能として、ブロックされているが見たいサイトを子どもが保護者に申請できたり、1台のパソコンに“小学生”フィルタリング強度を設定して家族全員が共有している場合に、保護者が見たいサイトの一時的なブロック解除や、Webブラウザを使わないオンラインゲーム等の起動制限、パソコンの使用制限を設けることができる。これにより、子どもと保護者の双方の利便性を損なわず、また、ゲーム依存にも配慮したパソコン利用の習慣を育成することができる。

 デジタルアーツの経営企画室 コンシューママーケティング担当の日名子康介氏は、「せっかくフィルタリングソフトをインストールしても、大人が自由にネットサーフィンできないからとフィルタリングを解除してしまう方がいらっしゃいます。保護者の方にも快適に使っていただけることが、お子様の安全につながると考え、保護者の方の利便性も追求しました」と説明する。

 加えて「i-フィルター」では、子どもの行動を考慮して安全を第一に考えた機能も盛り込んでいる。コミュニケーションサイトに冗談のつもりで書き込んで加害者になる危険を回避する「書き込みブロック機能」や、軽い気持ちで購入ボタンを押させない「購入ページブロック機能」、不正ソフトの入手を回避する「ダウンロード禁止機能」、個人を特定できる情報を書き込ませない「個人情報保護機能」等がそれである。

 さらに、アダルトサイト等の内容が検索結果ページに表示されないようにする「検索結果ブロック機能」、家族で共有しているパソコンに個別のフィルタリング強度を設定できる「アカウント設定機能」、子どものインターネット利用状況を様々な視点で把握できる「利用状況把握機能」も備える。特に、利用状況把握機能は、アクセスの多いサイトのランキングや、検索サイトで入力したキーワードなど、子どもの興味や関心事、シグナルを察知する目的としても有用な機能となっている。

 デジタルアーツの代表取締役社長の道具登志夫氏は、「i-フィルター6.0は、1年にわたってお客様へ再三のリサーチを行い、フィルタリングソフトに対するニーズや不満を吸い上げて開発しました。今回、ユーザーが設定した情報を当社サーバに格納するクラウド化によって実現した遠隔操作の各種機能は、PCバンドル製品やゲーム機、テレビ向けの製品へも搭載予定です。また、iPadやiPhone、Androidケータイ等への新規展開もすでに視野に入れています」と、今後について語った。

 「i-フィルター6.0」のパッケージ版は6,090円で、11月12日(金)より店頭販売される。また、ダウンロード版は4,200円で、店頭販売に先行して10月29日(金)より販売される。
《柏木由美子》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top