受験までの1ヶ月間で偏差値を5上げたい、これは可能です。一方、1か月で15上がった生徒は私の25年間指導経験で1人もいません。しかし、1か月で偏差値15上の大学に合格した生徒はいます。 偏差値は上がらないのに、なぜ合格できたのか、それは山があたったからです。勘違いしないでください。私はこのような冒険をしなさいと言いたいのではありません、言いたいのは、山をかけるという手段の中にラストスパートの奥義が隠されているからです。 それを3つのパート<1>自己分析、<2>過去問分析、<3>シミュレーションに分けて紹介したいと思います。 まず、自己分析です。いわゆる復習ということですが、復習するときに「やり直して正解をする」という意識ではなく、「自分はどんなパターンで間違えているか」ということを意識してください。夏休み以降に解いた問題集と模擬試験から間違えた問題を抜き出して、復習ノートを作ります。見開きの左半分に問題を写したり、コピーを貼ります、右側にもう一度解いてチェックしていきます。 次は、過去問分析です。過去問は3年分で十分です。ノートに解いていきますが、途中計算などもすべて残しておくようにします。小論文も下書きからすべてノートに残しておきます。できれば、自己採点後にこのノートをプロ(学校の先生、塾の先生など)に見てもらってください。 自分一人でやっても苦手な部分や間違えるパターンはあぶり出せますが、自分のおかしな思い込みは自分では気づかないので、ここは他人の力を借りましょう。 最後にシミュレーションです。シミュレーションとは予想問題という意味です。予想問題は市販されているものもありますが、過去問分析の結果をもとに自分で作ってみるのです。とはいっても完全なオリジナル問題を作ることは無理なので、自己分析と過去問分析で学習した問題から選んで並べてみます。 出題を予想するので、なんだ山をかけるのかと思う人もいるかもしれませんが、本番前のイメージトレーニングといった効果があります。シミュレーションを行うと本番でミスがぐっと減り、普段の力を100%近く発揮できるようになります。 次回は、親は何ができるのかをお話しします。 【浜田一志プロフィール】 偏差値38から東大理IIに現役合格。野球部に入部し、4年次は主将として東京六大学野球リーグで活躍。1994年に東京都内に文武両道を目指す「部活をやっている子専門の学習塾」としてAi西武学院を開業。