日立ソリューションズは4月17日、大学教育に必要な基礎学力を補う「リメディアル教育」のための学習支援システム「学習ワンダーランド」を発表した。4月18日より販売を開始する。 リメディアル教育とは、学習の遅れた生徒に対して行う補修教育のこと。近年、「ゆとり教育」の影響や、大学入試における制度の多様化、受験科目数の減少などにより、大学生の基礎学力低下が問題視されている。基礎学力の不足により大学の授業が理解できず、学習意欲の低下や目標の喪失から、学業不振に陥るケースが増加しており、こうした学生の救済のためのリメディアル教育の必要性が高まっているという。 「学習ワンダーランド」は、そうした状況に対応する学習支援システム。親しみやすいゲーム感覚のインターフェースで学生の学習意欲を引き出す環境を提供するほか、学習過程を記したポートフォリオの作成により、教職員のきめ細かいサポートが可能となるという。 同システムでは、修学のレベルと修学のコンテンツを統合的に体系づけ、学生はアバター(分身)、教職員は館に住む住人となり、RPG風画面のバーチャル世界でストーリーを進めていくという。問題の正解が鍵となり開けてポイントを獲得できる宝箱などが用意され、最終目標であるワンダーランド内にある山の登頂を目指す内容となっている。 学生は週間目標の設定を行い、個々のレベルや目標に応じた教材や問題、テストを使って段階的に学習しながら教育科目の習得を目指す。一方、教職員は、学生の目標や学習状況、テスト結果などの学習過程をまとめたポートフォリオを参照しながら、問題の提供や学生の質問に答えていくという。 同システムは、学校内ではモバイル情報端末やPCから学内LAN経由のアクセス、自宅など学外からはインターネット経由でのアクセスに対応。出欠席管理、成績管理をはじめ、予習・復習向けテキストの提供や小テストの実施などの機能が搭載されるほか、アイコムのeラーニングパッケージ「e-veryStudy」にも対応し、リメディアル教育以外での活用もできるという。 なお、同システムは、2009年度の文部科学省大学教育推進プログラムに採択された長浜バイオ大学の「志向性を加味した双方向性学習の場の構築」構想を基に同社が共同開発に携わった「バイオ学習ワンダーランド」をベースとしている。2011年4月から同大学でリメディアル教育に利用されており、同年前期の利用率が平均以上の学生のうち87%が入学時に比べ成績が向上したという。◆学習ワンダーランド価格:3,150,000円/保守サービス472,500円販売開始時期:4月18日[主な機能]・ポータル機能・目標管理機能・授業支援機能・eラーニング機能(別途、アイコムのeラーニングパッケージ「e-veryStudy」が必要)・ポートフォリオ機能・コミュニケーション機能・教職員機能・ポイント・ランキング表示機能・アバター機能