NECと東北大学は18日、身の回りにある熱から発電する熱電変換素子において、新原理「スピンゼーベック効果」を用いて、発熱部分にコーティングすることで利用できる新しい素子を開発したことを発表した。今回開発した熱電変換素子は、温度差から磁性体のスピン流が発生する「スピンゼーベック効果」を利用。シンプルな素子構造を実現するとともに、簡易な塗布プロセスを利用できるため、従来の素子に比べて製造工程を簡略化できる。同素子を利用することで、塗布を用いて広い面積の熱源から大きな発電量を得たり、様々な形状の熱源上に素子を形成することが可能になるほか、スピンゼーベック効果により、高効率な熱電変換を実現する。NECと東北大学では、家庭や工場、電子機器や自動車などへの適用を図り、廃熱の電気としての有効利用を目指す。