【中学受験2013】入試に勝つ9月からの過ごし方<過去問とスランプ脱出法>

 中学受験本番まで半年を切った。この大切な時期を、受験生たちはどのように過ごせばいいのだろうか。保護者には何ができるのだろうか。SS-1の小川大介先生に聞いた。ここでは<過去問とスランプ脱出法>について紹介する。

教育・受験 受験
小川大介先生
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  • SS-1 成城学園前教室の皆さん
 中学受験本番まで半年を切った。この大切な時期を、受験生たちはどのように過ごせばいいのだろうか。保護者には何ができるのだろうか。<模試の活用><勉強法と親のサポート><過去問とスランプ脱出法>について中学受験専門個別指導教室として、難関校へ多数の合格者を送り出しているSS-1の小川大介先生に聞いた。ここでは<過去問とスランプ脱出法>について紹介する。

--過去問はどのように使えばいいですか?

小川氏:過去問の目的は大きく3つあります。1つ目は、志望校の入試問題の傾向を知り、テストの形式に慣れることです。制限時間内に解ききるにはどのくらいのスピードで解けばいいかも理解します。緊張感を持って取り組むために、実際の試験開始時間に合わせてスタートするといいでしょう。

 2つ目は、合格するためにはどの問題を正解しなければいけないのか、そのためにはあと何をどのくらい勉強しなければならないのかを知るためです。このときは、制限時間にこだわらなくても構いません。結果をもとに塾の先生と相談して、学習計画を立てます。

 3つ目は、日々の勉強に飽きてきたときに、自分の行きたい学校の問題に取り組むことで気持ちを引き締めるためです。

--第一志望の過去問は10年分を2、3回やったほうがいいと言われますが。

小川氏:そんなにできる子はほとんどいません。塾に通っている子はそんなに過去問をする時間はありません。今は塾でもしっかり対策をしていますので、10年分もする必要はないと思います。

 ただ、9月からは、塾の授業を取捨選択して、志望校の傾向に合っていない授業はパスするというのも手です。その分空いた時間を過去問の研究にあてるのです。

 志望校別に特訓講座を設けている塾で、自分の行きたい学校の講座があるなら、それを利用するのが一番効率的です。

--子どものモチベーションの上げ方は?

小川氏:モチベーションとは、やりたくないことをやらせるために必要な力のこと。モチベーションを上げることを考えるよりも、やって当たり前、と思うことを増やしておいて、当たり前だから普通にできる、という状態にしておくことが大事です。

 たとえば、テストが終わったらすぐに復習をするのが当たり前、テストの前日には、テストでうまくいっている様子をイメージしておくのが当たり前というように。

--スランプの乗り越え方は?

小川氏:受験生の場合、勉強時間をたくさんとっても成績が下がる状態がスランプです。

 なぜ点が取れないのか、理由を分析し、改善策を示してあげればいい。たいていは、睡眠が足りていないだけで、寝たら治ることがほとんどです。

 普段の勉強はできているのにテストで点が取れない子は、テスト恐怖症になっている可能性があるので、テスト中に、ポジティブな自己暗示を続けられるよう調整してあげることが必要です。たいていの子はテストの前に、「これが出たらいやだ」とか「計算間違いをしたらどうしよう」などネガティブなことを考えてしまうものです。

 私は生徒に、テストでうまくいっている様子をイメージさせたり、気持ちよく問題が解けているときのリズムを思い浮かべるなど、テストの50分間の過ごし方をあらかじめ決めさせています。
《石井栄子》

石井栄子

子育てから、健康、食、教育、留学、政治まで幅広いジャンルで執筆・編集活動を行うフリーライター兼編集者。趣味は登山とヒップホップダンス、英語の勉強。「いつか英語がペラペラに!」を夢に、オンライン英会話で細々と勉強を続けている。最近編集を手掛けた本:『10歳からの図解でわかるSDGs「17の目標」と「自分にできること」』(平本督太郎著 メイツ出版)、『10代から知っておきたいメンタルケア しんどい時の自分の守り方』(増田史著 ナツメ社)『13歳からの著作権 正しく使う・作る・発信するための 「権利」とのつきあい方がわかる本』(久保田裕監修 メイツ出版)ほか多数

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