大学生の採用活動時期を遅らせる政府方針、企業の43%が「よくない」

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政府方針を評価するか
  • 政府方針を評価するか
  • 就活時期変更で学業に専念するか
  • 就活時期変更で海外留学は増えるか
  • スケジュールは守られるか
  • 倫理憲章に賛同しない企業の採用活動は有利になるか
  • 中小企業は不利になるか
  • 「学業に専念」「留学生増加」の目的達成は解決できるか
 政府が、企業による大学生の採用活動の解禁時期を遅らせるよう経済界に提言する方針を固めたことを受け、HR総合調査研究所は、企業に緊急アンケートを実施した。政府方針を「よい」との評価は25%にとどまり、「よくない」とする回答が43%を占めた。

 政府の提言では、会社説明会など採用活動の開始を現在の「3年生の12月」から「4年生の4月」、 内々定を出す選考活動を現在の「4年生の4月」から「4年生の8月」にそれぞれ遅らせるべきだとしている。学業に専念する期間が延び、海外で学ぶ留学生の就職活動機会が広がることなどを主な理由にあげている。

 これに対して、経団連の倫理憲章に加わらない外資系企業などに優秀な学生を囲い込まれることや、中小企業の採用活動はさらに遅れて制約を受けることなどが懸念されている。

 アンケートは3月18日から21日、企業の人事担当者を対象にWebで実施し、195社から回答を得た。

 政府の方針を「よい」と評価する企業は25%と4社に1社にとどまり、「よくない」とする企業が43%に上った。特に中小企業では、「よい」が20%に対し、「よくない」が49%と、否定的な意見が過半数を占めた。

 採用活動の時期を遅らせることで、学生が学業に専念するかについては、「専念すると思う」15%に対し、「専念すると思わない」は54%。中小企業の意見はさらに厳しく、 「専念すると思う」11%に対し、「専念すると思わない」は60%に達した。

 採用活動の時期を遅らせることで、海外留学が増えるかどうかについても、「増加すると思う」は19%にとどまり、「増加するとは思わない」が35%と多かった。中小企業では、「増加すると思う」8%、「増加するとは思わない」46%だった。

 政府方針に決まった場合、企業はスケジュールを守れると思うかたずねたところ、「守れると思う」はわずか6%で、過半数の53%は「守られなくなると思う」と回答した。外資系など倫理憲章に賛同しない企業の採用活動がより有利になるか聞いたところ、「より有利になる」が43%と、「どちらともいえない」(39%)や「変わらない」(18%)を上回った。また、今回の方針は中小企業に不利になるかという質問では、全体の48%が「不利になる」と回答。中小企業では56%と半数以上を占めた。

 さらに「学業に専念」「留学生増加」という目的達成については、「解決できる」と考える企業は全体のわずか10%にとどまり、大手企業では6%、中小企業では7%しか解決できると考えていなかった。「解決できない」と考える企業は全体の63%を占め、6割強の企業が政府方針の目的達成に否定的であることがわかった。

 このほか、企業側からは大学教育や教育システムの在り方、就職活動と学業の関係、解禁日の可否、インターンシップの可能性などについて、改善提案が寄せられた。
《奥山直美》

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