主体性を育むタブレット授業、千葉県立袖ヶ浦高等学校

 タブレットを用いた授業を取り入れている、千葉県立袖ヶ浦高等学校の授業見学記。そこにいたのは、主体的に学習する生徒たち…。導入の仕方として感心するのは、「制約条件を最大限に活かす」ことができている点です。

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(写真1)授業のようす
  • (写真1)授業のようす
  • (写真2)「国語」の授業
2.「失敗してもいいのだ」という学び

 上記の授業中何度も共有ファイルが固まり(画像を同時にたくさん入れてしまったため)、何度も授業が中断します。そのため、当然のことながら「あー今日はここまでやりたかったのに…」と思う到達点まで到達できない可能性が高くなります。

 「あれ? 授業でそれはマズイのでは?」と思われる方もいるでしょう。

しかし、見方を変えると、下記のような思いも湧いてきます。

「詰め込み過ぎの授業って窮屈だし、逆に記憶に残らないときもあると思いませんか?」
「自分自身が経験した授業って、ゆとりがなく何をやったか覚えていないものもありませんか?」

 教師が考える「教えたい」と、生徒が考える「理解したい」の差が余りにも激しいと、「つまらない授業」となって、学力向上に寄与しません。

 デジタルの道具を導入することで、教師側に、思いきって「教えたい! と思っている、過剰な部分を“捨てる”」という行為が誘発される部分もあるのではないか、と思います。

 加えて、挑戦することが求められている日本社会において、「完璧ではないところを見せる」「失敗を一緒に経験する」ことは、10代後半において大切な経験的学びではないでしょうか。

 タブレット授業にチャレンジしているからこその、ちょっとした失敗という結果。僕自身には「すごい!」と思えることでした。
《寺西隆行》

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