主体性を育むタブレット授業、千葉県立袖ヶ浦高等学校

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(写真1)授業のようす
  • (写真1)授業のようす
  • (写真2)「国語」の授業
 タブレットを用いた授業を取り入れている、千葉県立袖ヶ浦高等学校の授業見学記。そこにいたのは、主体的に学習する生徒たち…。

 千葉県立袖ヶ浦高等学校。「情報コミュニケーション科」が、タブレットを用いた授業で全国的に有名な学校です。2012年度の日本e-Learning大賞を受賞しています。

 さまざまな試みを実行に移す原動力となっているのは、永野直先生。講演を拝聴し、「一度授業を拝見したい!」と強烈に思い、4時限分、見学させていただきました。

 袖ヶ浦高校のタブレット授業導入、内容の素晴らしい点は後述しますが、それより前に、導入の仕方として感心するのは、「制約条件を最大限に活かす」ことができている点です。たとえば、一番の制約条件となる、お金の問題。

 学校の予算で購入することは公立学校では厳しいので、各自で購入させることで逆にBYOD(Bring your own device)の考え方を浸透させています。

 この結果、自分の学習結果などを「自分のこととして」3年間分ため、学習の振り返りにも使えるうえ、(将来的には)思い出にもなることが期待できますよね。

 ほか、フリーソフトを最大限に活用したりと、制約を言い訳にしていないところが、ビジネスマンにも学ぶべきところがたくさんあります。

 全体の仕組みを作った永野先生とタッグを組み、生徒の力を伸ばすのは、実際に授業をする先生方。彼らもまた、情報コミュニケーション科が育もうとしている、「情報活用能力」「コミュニケーション能力」「論理的思考力」「情報モラル・セキュリティ対応力」の4つの力をつけるため、一生懸命授業に取り組んでいます。

 そんな授業を見学し、「タブレット授業のここがすごい!」と感じたのは次の3点です。

  1.学習環境におけるフローとストックの情報を最大限に活用
  2.「失敗してもいいのだ」という学び
  3.良質な「欠点の指摘」

1.学習環境におけるフローとストックの情報を最大限に活用

 写真2は「国語」の授業。教科書に出てくる文章の考察で、日本人と外国人の「水の流れ」に対する美意識の違いをイメージするために、ネットから画像を集め、電子黒板に投影しているようすです。

 生徒が探し出してきて、タブレット上の共有ファイルに投稿した画像が次々に電子黒板に表示されます。それらを見ながら別の生徒が別の写真を投稿する、これは学習環境の同時性を利用した、見事なフロー情報の活用です。

 そして、ある一定の数が集まったとき、水の流れの特徴別に分けて保存、この段階でストック情報として使えます。

 これまではせいぜい、教科書や資料集の固定的かつ用意された写真でしかイメージできなかった言語表現を、より多様性を持った形で、かつ「自ら主体的に調べた」という行動を伴った形で捉えることができるため、より記憶に残ります。さらに、これらの操作を短時間にできるのも、デジタル機器活用の利点であると思われます。
《寺西隆行》

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