小学生の9割近く、いじめの被害・加害経験あり…国立教育政策研究所

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2010年度小学4年生の3年間6回分の「仲間はずれ・無視・陰口」経験(被害・加害)
  • 2010年度小学4年生の3年間6回分の「仲間はずれ・無視・陰口」経験(被害・加害)
  • 2010年度中学1年生の3年間6回分の「仲間はずれ・無視・陰口」経験(被害・加害)
  • いじめタイプの重なり(加害経験)(2012年度6月中学生)
  • 国立教育政策研究所ホームページ
 国立教育政策研究所は8月5日、生徒指導支援資料「いじめと向き合う」を公表した。小学生の9割近くが「仲間はずれ・無視・陰口」の被害を受け、加害経験も同様の傾向であることから、誰もが被害者・加害者になりうる、いじめの実態がみえてきた。

 同資料は、まず全教職員がいじめについてきちんと理解し、そのうえですべての児童生徒を対象とした正しい取組みを行うことにより、深刻ないじめをなくすことが目的。同資料内の「いじめ追跡調査2010-2012」は、大都市近郊の地方都市、全小中学校の児童生徒全員(小学4年生以上)を対象に、3年間で6回の調査を行われた。

 2010年度小学4年生の3年間(6回分)の「仲間はずれ・無視・陰口」被害経験をみると、「まったくなかった」は707名中93名(13.2%)、加害経験では703名中101名(14.3%)。調査で6回継続の被害経験があるのは0.4%でありながら、9割近くが一度は被害を受けていることとなる。加害経験(0.1%)も同様で、いじめが一部の「いじめっ子」や「いじめられっ子」の問題ではないことがわかる。また、2010年度中学1年生の3年間も、被害・加害経験ともに約7割が経験「ある」となっており、小学生よりは少ないものの、同様の傾向となっている。

 一方、中学校3年間で「ひどくぶつかる・叩く・蹴る」などの暴力を伴ういじめは、被害経験「まったくない」が59.5%、加害経験「まったくない」が70.1%。経験率そのものが相対的に低く、とりわけ女子ではかなり少ない数になる。「暴力を伴う=目に見えやすい=大人が介入しやすい」という特徴があり、限られた一部のものを除き、一過性のものとして終わる可能性が高いようだ。しかし、暴力を伴ういじめを行う場合、「仲間はずれ・無視・陰口」などの暴力を伴わないいじめを行うことが多いという。

 暴力を伴ういじめは、気づいた時点で速やかに対応する「早期対応」がなによりも求められ、暴力を伴わないいじめでは、すべての児童生徒を対象とした「未然防止」がもっとも有効だ。常習性が低く、入れ替わりながら誰もが巻き込まれる実態を考えれば、「発見してから対応」という発想では後手に回りかねない。同資料では、教師が「気になる子」や問題を抱えた特別な生徒にばかり目を向けるのではなく、明日起きるいじめの被害者が誰になり、加害者が誰になるのかは、まったくわからないと考えて取組みを行うべきとしている。
《黄金崎綾乃》

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