佐賀県武雄市が小学校で「反転授業」を導入へ、11月から1校で試行

 佐賀県武雄市は、11月から市内の小学校1校で、児童が自宅に持ち帰ったタブレットを使って従来の授業内容を学習した上で、学校で発展的な内容を学ぶ「反転授業」を取り入れる。試行的に導入した上で、他校への拡大を検討していくという。

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 佐賀県武雄市は、11月から市内の小学校1校で、児童が自宅に持ち帰ったタブレットを使って従来の授業内容を学習した上で、学校で発展的な内容を学ぶ「反転授業」を取り入れる。試行的に導入した上で、他校への拡大を検討していくという。

 同市は、ICT教育に積極的なことで知られ、タブレット端末は2014年度に市内すべての小中学校の児童・生徒に配布を予定、電子黒板は2013年度末までに小中学校の普通教室で8割の導入を達成する見込み。

 反転授業とは、オンラインの授業映像を自宅で視聴し、応用的な内容を教室で学ぶという学習スタイル。ICT技術の進展とともに、アメリカの小中学校などで導入が進みつつある。従来の「一斉授業→自宅で復習・応用」という授業形態から、「自宅で授業→教室で復習・応用」へと“反転”させることで、授業や知識習得の効率化などが期待されている。

 市内では、小学校11校のうち、2校が2011年度からタブレットを先行導入しているが、児童が授業で習う内容を事前に調べるなど、これまでもタブレットを予習的に活用する場面があったという。11月からは、このうちの1校で「反転授業」を試行。児童にiPadを持ち帰らせ、動画教材を自宅で視聴させた上で、学校の授業では疑問点を解決したり、議論を深めるなど、より発展的な内容の学習に取り組んでいく。理科と算数で取り入れる予定で、すでにiPadを活用している4~6年生が対象となる見通し。

 反転授業は、教諭や学級単位で取り組んでいる例はあるが、自治体として導入の前例はない。同市では、タブレットを自宅に持ち帰る必要があるため、保護者への周知や破損への対応などを課題に上げているほか、授業研究や公開授業などを通して、動画教材の内容などについても実践研究を重ねていきたい考えだ。
《奥山直美》

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