今世紀最大の天文ショー「アイソン彗星」11-12月に観測のチャンス…高まる期待

 今世紀最大の天文イベントといわれる「アイソン彗星」が、11月から12月に見頃を迎える。11月1日には、日本天文協議会がキャンペーンをスタート、日本郵便では観測ノート付き切手シートの販売を開始。観測ツアーなども各地で企画されており、期待や注目が高まっている。

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アイソン彗星の見かけの位置(11月)
  • アイソン彗星の見かけの位置(11月)
  • アイソン彗星の見かけの位置(12月)
  • AstroArts「アイソン彗星」特設サイト
  • アイソン彗星を見つけようキャンペーン
  • 日本郵便のフレーム切手「アイソン彗星」
  • 切手とセットになった「アイソン彗星観測ノート」
 今世紀最大の天文イベントといわれる「アイソン彗星」が、11月から12月に見ごろを迎える。11月1日には、日本天文協議会がキャンペーンをスタート、日本郵便では観測ノート付き切手シートの販売を開始。観測ツアーなども各地で企画されており、期待や注目が高まっている。

 国立天文台によると、アイソン彗星は太陽に極端に近づく軌道を持っており、11月29日前後に太陽にもっとも近づく。このころは急激に増光する可能性がある一方、見かけの位置が太陽に非常に近く、高度も低くなるため、観察が難しくなるが、12月に入ると次第に太陽から遠ざかり、高度も日に日に高くなり、尾も長く伸びて見やすくなるため、観察しやすくなるという。

 AstroArtsでは、「アイソン彗星」特設サイトを開設し、トップページでは太陽最接近(11月29日)までを毎日カウントダウン。アイソン彗星を実際の空で見つけるためのナビゲーションや、太陽系内での軌道表示ができるiPhone/iPad用アプリ「アイソン彗星を見よう」も無償公開した。月刊「星ナビ」では11月号増刊「アイソン彗星がやってくる」を10月11日に発売。観察のポイントや写真撮影のコツなどを案内している。

 アイソン彗星を実際に多くの人に見てもらおうと、日本天文協議会では11月1日から2014年1月20日まで「アイソン彗星を見つけようキャンペーン」を展開。場所や見え方など観察の情報をWebで報告する「あなたの観察」を募集しているほか、自由にダウンロードできる「観察用スカイマップ」や「アイソン彗星軌道模型」(準備中)なども提供。「アイソン彗星」の基礎知識や観察ガイドもわかりやすく紹介している。

 旅行会社などでは、さまざまな観測ツアーも企画。発売開始から数時間で完売状態となるツアーが出るなど、人気を集めている。全国各地の科学館や博物館、天文台などでは「アイソン彗星」関連のイベントを多数予定しており、全国プラネタリウム&公開天文台情報「PAO Navi」でも情報を網羅している。

 日本郵便では11月1日、オリジナルフレーム切手セット「アイソン彗星」を発売。50円切手が10枚ついた1シートのほか、観測ノートと蓄光ポストカードもセットし、1,600円で販売する。簡易郵便局や一部の郵便局を除き、全国約4,400の郵便局で34,300セットの販売を予定している。

 さまざまな方面で盛り上がりを見せ始めたアイソン彗星。「二度と戻ってこない放物線状の軌道を描いているため、見ることができるのは今回が最初で最後」(キャンペーンサイトより)というロマンもアイソン彗星ならでは。「明るさや見え方の予想は大変難しいため、具体的にどのように見えるかは、実際に彗星が近づかないことにはわからない」(国立天文台)ものの、天文ショーへの期待は高まるばかりだ。
《奥山直美》

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