グーグルは1月14日、2013年に検索されたキーワードのうち、教育関係の検索語について動向を分析し、2014年の業界動向を予想する記者発表を行った。◆2013年はMOOCが急上昇 グーグル全体の検索語の中で、昨年1年で教育関連のキーワードは31%の伸びを示したという(教育業界担当 部長 西康裕氏)。前年比で30%の伸び率というのは、他分野の検索語群の伸びと比較しても高いそうだ(アナリスト トラン氏)。 特に顕著な伸びを示しているのは、オンライン講座に関する語だ。例としてはオンライン英会話に関する検索や、Courseraに代表される大規模公開オンライン講座(MOOC)に関する検索を挙げた。オンライン英会話は従前から製品やサービスがあったため、伸び率は前年比10%増だが、大規模公開オンライン講座関連は181%と驚異的な伸びを見せている。◆急上昇ランキングでは固有名詞やサービス名が多い 検索語別の急上昇ランキングでみると、1位は「自分を変える教室」(書籍「スタンフォードの自分を変える教室」)となっている。10位までの順位は、以下のとおり。1位:自分を変える教室2位:dmm 英会話3位:チャレンジタブレット4位:スタンフォードの自分を変える教室5位:スマイルゼミ6位:高校入試 ネタバレ(※ドラマ関連と思われる)7位:102回看護師国家試験 合格発表8位:ユーキャン akb9位:東大 合格者数 201310位:はなして 翻訳 教育関連語全体の傾向としては、固有名詞や民間企業の商品やサービスに関連したキーワードの伸びが目立つそうだ。これは、グーグルへの広告出稿にも現れており、たとえば米国では教育関連キーワードは大学や教育機関の広告が多いのに対し、日本では生涯教育を謳った企業、私塾、予備校などが多いという(西氏)。その理由は、米国ではオンライン講座に対する学位取得の制度や条件が日本と異なるからだと分析している(トラン氏)。 なお、このランキングは上昇率のランキングなので、そのほとんどが、2012年にはほとんど出現していないキーワードで、2013年から検索されるようになったキーワードということになる。検索回数のランキングではないので、注意が必要だ。◆習い事関連語の検索数ランキング 次に習い事に関する検索語の検索数ランキングについて説明された。習い事は大人向けと子ども向けに分類され、大人向けは1位から「料理」「英会話」「パソコン」「ゴルフ」「韓国語」の順だ。カルチャーコースの定番ともいえる内容だが、パソコンと韓国語については前年比ではマイナスとなっている。 子ども向けの検索語ランキングは、1位から「ピアノ」「ダンス」「水泳」「英会話」「書道」だ。ただしダンスは昨年比でー39%と落ち込んでいる。これは、2012年に小学校でダンス授業が必修化して急激に伸びた反動ではないかという。水泳、書道は定番キーワードだが、2013年は小学校の英語必修化の低学年化が話題になり、検索回数を伸ばしている(前年比59%増)。◆教育検索語の季節特性 教育関連の検索語の動向には、季節性も見られるという。主に受験関連のキーワードとなるが、センター試験に関する検索は、9月ごろ上がりはじめ、1月に急激なピークを迎える。また、予備校などの夏期講習、冬期講習に関する検索もそれぞれ2か月くらい前から上がり始めるという。グーグルでは、これらの特性を分析し、適切な広告展開やレコメンドのためのデータとしている。 センター試験については、2013年6月に、5年以内にセンター試験の廃止を含む見直しをするという発表がなされている。このときは、例年にないスパイクが現れたそうだ。 グーグルでは、グローバルで教育機会の均等や平等を進める活動を展開している。教育関連キーワードの分析や、グループ内での教育支援プラットフォーム(MOOCのひとつであるUdacityはYouTubeを配信プラットフォームに利用している)の整備を広げている。