就学援助、71自治体で生活保護引き下げ影響の可能性

 文部科学省は6月9日、平成26年度の就学援助実施状況調査の結果(速報版)を公表した。生活保護の基準引き下げに伴い、4%にあたる71自治体では、これまで就学支援を受けていた児童・生徒が対象外となる可能性があることがわかった。

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平成26年度就学援助実施状況調査結果(速報版)の概要
  • 平成26年度就学援助実施状況調査結果(速報版)の概要
  • 生活扶助基準の見直しに伴う影響に対応していない自治体の状況
  • 生活扶助基準の見直しに伴う影響に対応していない自治体の状況
 文部科学省は6月9日、平成26年度の就学援助実施状況調査の結果(速報版)を公表した。生活保護の基準引き下げに伴い、4%にあたる71自治体では、これまで就学支援を受けていた児童・生徒が対象外となる可能性があることがわかった。

 就学援助は、経済的理由により就学困難と認められる児童・生徒の保護者に対し、市町村が学用品費や給食費など必要な援助を与える制度。生活保護受給者である「要保護者」、市町村教委が生活保護法に規定する要保護者に準ずる程度に困窮していると認める「準要保護者」を対象とする。平成24年度の対象者は約155万人。

 今回の調査は、生活保護の基準引き下げに伴う各自治体の準要保護の認定基準などを把握するため、従来実施している調査の内容を一部前倒しして4月に実施した。

 対象となった全国1,768自治体のうち、生活扶助基準の見直しに伴う影響が生じていない自治体は、96%にあたる1,697自治体だった。具体的には、「係数を上げる、前年度の生活保護基準額を使用して認定するなど、影響が出ないよう対応している」がもっとも多い1,117自治体(63.2%)を占めた。

 一方、「生活扶助基準の見直しに伴う影響への対応を直接的には行っていない」という回答は71自治体(4.0%)であった。このうち、10自治体では「現在検討中または今後対象者が生じた場合に検討する」と回答。「従来から就学援助制度を充実している」という回答も6自治体であった。
《奥山直美》

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