中学の英語授業を140時間に、文科省が英語教育に関する有識者会議

 文部科学省は6月30日、英語教育の在り方に関する有識者会議(第5回)の配布資料を公開した。資料は、中学校・高校における英語教育の現状と今後の方向性のほか、秋田県の中学校や岩手県の高校の事例などで、ホームページから見ることができる。

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  • 秋田県大仙市大曲中学校の取組み
 文部科学省は6月30日、英語教育の在り方に関する有識者会議(第5回)の配布資料を公開した。資料は、中学校・高校における英語教育の現状と今後の方向性のほか、秋田県の中学校や岩手県の高校の事例などで、ホームページから見ることができる。

 同会議は、「中学校・高校における英語教育の在り方について」を議題に6月18日に開催された。これまでの意見の概要として、小学校では3年生から活動型、5年生から教科型とする考え方をわかりやすく示すべきとしている。また、現行の学習指導要領の成果と課題を踏まえ、小・中・高校が連携し、一貫して英語によるコミュニケーション能力を養うことが求められているという。

 中学校における英語教育の現状と今後の方向性として、授業時数を105時間から140時間(週4コマ相当)に増やし、指導する語数を「900語程度まで」を「1,200語程度」と改訂のポイントとして挙げている。さらに、聞くことや話すことなど音声重視から、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなど4技能の総合的な育成を目標とするほか、授業改善のポイントや教員の英語指導実施状況などが紹介されている。

 中学校の事例として、秋田県大仙市大曲中学校の取組みを資料として配布。「英語を話す」ことの問題点は、これまでは「原稿を書く」「暗記」「発表」というプロセスをスピーキングとみなしていたこと。暗記から脱却し、最終的には即興で情報や考えを伝えることができるよう、「メモに基づいたスピーキング指導」を行う。

 「英語を話す」ことのスモールステップとして、「伝える内容を整理する」「キーワードでメモを構成する」「頭の中で英文を構成し伝える」「書いてうまく伝えられなかった部分を修正する」。実際の生徒のメモや「話した英語」を書いて確認・修正したメモを紹介。これからは「即興力」を養成することが重要で、授業を起点にして教室外でも積極的に英語と接する機会を生徒自らつくることができるかが必要だとまとめている。

 そのほか、岩手県の高校の取組みや、中学・高校の英語教育の現状などの資料はホームページに掲載されている。今後のスケジュールとして7月16日に第6回の有識者会議が行われる。
《田中志実》

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