トレンドマイクロのプログラミングコンテスト、大学生チームが健闘

教育ICT ソフト・アプリ

表彰授与を行った、左から、トレンドマイクロ代表取締役副社長 グループCFO マヘンドラ・ネギ氏、東京電機大学 情報セキュリティ研究室の佐々木良一教授、トレンドマイクロ執行役員 統合政策担当部長 小屋晋吾氏
  • 表彰授与を行った、左から、トレンドマイクロ代表取締役副社長 グループCFO マヘンドラ・ネギ氏、東京電機大学 情報セキュリティ研究室の佐々木良一教授、トレンドマイクロ執行役員 統合政策担当部長 小屋晋吾氏
  • 参加学生でいっぱいとなった会場
  • 「3人で協力してチャレンジできたことは嬉しかった」国内予選で1位、最終選考で3位入賞「CS2014」の生田拓人氏
  • 「22時間ぶっ続けでがんばりました」国内予選3位「Leonids」の寺尾拓氏
  • 「ノウハウも大事ですが、どんな人を知っているかという『ノウフー』も重要」TDU 佐々木教授
  • 参加者全員で記念撮影(写真提供:トレンドマイクロ株式会社)
トレンドマイクロ株式会社は8月29日、「トレンドマイクロ プログラミングコンテスト 2014」の日本地域上位チーム表彰式を同社において開催した。トレンドマイクロが出題する課題にプログラミングで挑戦するコンテストだ。

●5回目を迎えたコンテスト

このコンテストは次世代を担う人材の育成を目的にトレンドマイクロが毎年開催しているもので、2010年から毎年開催されており、今回で5回目を迎える。

2012年からはアジア地域に規模を拡大して開催されるようになった。今回は、日本、台湾、フィリピン、中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、韓国、タイ、ベトナムのアジア12地域が参加している。

各地域から参加した学生たちが、プログラミングの腕を磨き、次世代を担うIT人材として成長する機会となることが本コンテストの狙いだ。また、参加期間を通じてトレンドマイクロ社員からサポートを受けたり、実際にセキュリティに関連した課題に取り組んだりすることで、セキュリティへの関心が高まる機会にもなっている。

参加資格は大学生・大学院生・高専生・専門学校生。社会人チームの参加も受け入れており、2名以上4名以下のチーム編成で参加する。台湾で行われる決勝戦では、社会人チームとも競い合う。7月5日および6日に12地域で一斉にオンラインによる予選が開催された。

予選は「プログラムの正確さ」「パフォーマンス」「完成までのスピード」の3点を基準に審査され、7月10日に結果が発表された。最終選考は台湾において4泊5日で行われ、全地域において学生チーム上位8位まで、社会人チーム上位2位までの計10チームが8月17日の最終選考に臨んだ。日本からも学生3チームが最終選考に進んだ。

日本上位チーム表彰式は、代表取締役副社長でありグループCFOであるマヘンドラ・ネギ氏によるウェルカムスピーチから始まった。ネギ氏は、当日表彰式に集まった、日本上位10チームの参加者をたたえた後、今回のコンテストは12カ国から422チームが参加し、そのうち88チームが日本チームであったこと、またトップ30チームのうち日本は過去最大となる10チームが占めたことを挙げ、日本の実力を表していると述べた。また、トレンドマイクロが創業以来変わらず掲げる企業ビジョン、「デジタル情報を安全に交換できる世界の実現」には、次世代の人材が力をつけていくことが不可欠であり、本コンテストを通じてセキュリティに関心を持つ若者が増えることを期待している、と語りました。

●現実的な課題を問題に採用

表彰式では、実際に予選で出題された問題をトレンドマイクロの社員が解説するセッションも持たれた。今回の解説された問題は、「極秘任務のチームを従業員から編成する」プログラムを組むというもので、以下の条件が設定されていた。ビジネスの現場にある、現実的課題を問題に採用している。

・従業員は能力に応じた値を持つ

・チームの能力値は従業員の能力値の総和とする

・従業員同士は2分木構造を持つ

・極秘のため、部下とその直属の上司両方を含めない

全従業員の能力値を入力して、合計値が最大となるチーム構成員の組み合わせを出力するプログラムを作成すればよいのだが、最後の条件によって、そう簡単に課題は解けないようになっている。再帰関数を用い方や、条件分岐、計算回数を減らして処理速度を短くする方法など、答え合わせがトレンドマイクロの製品開発本部 松本剛典氏によって行われた。

●入賞10チーム全紹介

今回の日本予選での上位10位から4位のチームは以下の通り。

10位:team gunma
9位:The Wind
8位:daizu++
7位:Mlab
6位:Game Centers!
5位:FCCPC++
4位:SUPERHACKER

上位3チームは以下の通りで、台湾の最終選考にもチャレンジした。なお、上位3チームは以下のようにコメントしている。

3位:Leonids
「東京大学の友人3名によるチームです。チームの一覧が英数字順だったので、急きょチーム名の頭に『!』を付けて一番上に表示されるようにしました。本戦はチームメンバーの一人が院試のために帰国してしまったので2名で戦うことになり、体力的にきつかったです」
※編集部註:Leonidsの正式チーム名称は特殊文字のためWeb掲載できなかった

2位:Prominence
「大学の仲間に声をかけて結成しました。ICPCの模試が重なって日程的に厳しかったのですが、国内2位となり台湾の最終選考チームに選ばれたことは嬉しかった。最終選考ではメンバーの一人が院試のため開始6時間で帰国しなければならなかったこともあって、残されたメンバー間でも連携が十分に取れず苦戦しました」

1位:CS2014
「コンピュータ科学を専攻しており、学内のポスターで本コンテストを知って高額賞金に惹かれて参加しました。後半は特定のメンバー1人にがんばってもらった形ですが、国内1位、最終選考ではグローバルの全参加チーム内でも3位に入賞できてよかったです。ただ、何が良かったのかはわかりません(笑)」

●入賞者コメント

何人かの入賞者が本誌インタビューに応じた。国内予選で1位となり、最終選考でも3位に入賞した「CS2014」の生田拓人氏は「チームで課題を解決する機会は少ないので、今回3人で協力してチャレンジできたことは嬉しかったです。ひとりで考えると煮詰まってしまうので、仲間がいたことは非常に心強かった。また、単純にきれいなプログラムを素早く書くというだけでなく、データから課題を見つけて対応し、その結果を発表するというスタイルは今まで参加したコンテストにはなかったスタイルでした。プログラミングが好きなので、将来はプログラムを作成したり、データを解析したりするような仕事に就きたいと考えています。コンテストには来年も参加したい」と話してくれた。

また、国内予選3位となった「Leonids」の寺尾拓氏は「予選ではあまり自分でプログラムを書かなかったのですが、最終選考では22時間くらいぶっ続けでがんばりました。問題に対しては手探りでしたが、機械的に生成されたデータを使用する普通のコンテストと違って、リアルなデータを使ったので興味深かった。データが990GBと非常に大きかったのも初めての体験でした。今回は3人での参戦でしたが、次回は4人そろえたいですね。1位のチームは4人で、ひとりはプレゼンやマネージメントを担当して、うまくチームワークを発揮していたので。将来はプログラミングの正しさを検証するような研究をしていきたい。感想としては、もっと海外のチームとコミュニケーションしたかったですね。英語をもっと勉強しないといけないと思いました」と話してくれた。

●「何を知っているか」より「誰を知っているか」

本コンテストに第1回から携わる東京電機大学 情報セキュリティ研究室の佐々木良一教授が、コンテストの総評を述べた。

「私は30年前からセキュリティに携わっており、本コンテストにも初回から関わっています。1回目はアイデアコンテスト風でしたが、回を重ねるごとにプログラミングの比重が増え、今回はグローバル化も実現しました。グローバル化によって、プログラミングも英語もできる人材が育成されることは非常にいいことです。」

「ノウハウも大事ですが、ひとりひとりができることは限られていますので協力も必要です。そのため、どんな人を知っているかという『ノウフー』も重要です。この機会にノウフーを増やし、さらにがんばっていただきたいと思います」

24時間に及ぶ学生達の異国での戦い~トレンドマイクロ プログラミングコンテスト 2014 表彰式レポート

《吉澤 亨史@ScanNetSecurity》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)